『 -- ビザなし、人道支援は予定通り実施 漁船員死亡事件 --

 北海道根室市のカニかご漁船第31吉進(きっしん)丸が北方四島海域でロシア連邦保安庁国境警備局に銃撃・拿捕(だほ)され、1人が死亡した事件で、今年度予定されている北方四島とのビザなし交流事業と人道支援事業を予定通り継続する意向を外務省が根室市に16日夜に伝えていたことがわかった。根室市は「事業を継続する状況にはない」などとして同省などに文書で中止を要請していた。

 外務省ロシア課は「ビザなし交流や人道支援はそもそも領土問題の解決に寄与するという目的から行っており有益なものだ」としている。根室市の幹部は「国の方針に従うしかないが、人命を失った地元の気持ちもくみ取ってほしい」と話している。 』

今必要なことは,速やかに遺体を遺族のもとに返してもらうことと,漁船がどこでどのように操業していたかという事実確認であろう.人命が失われたのは大変に残念なことであるが,今後のことを考えれば感情論で過剰に反応してビザなし交流や人道支援といった地域交流の機会を失うのは得策ではないだろう.

ソ連時代から貝殻島付近はだ捕や銃撃事件が起きている海域であり,最近はロシアがカニ資源の保護のために態度を変えてきていることはわかっていたはずである.今年7月にも北海道は北方領土周辺で操業する漁協に対して警告文書を配付していたようだが,根室市や漁協はどのように受け取っていたのだろうか.ロシア側から警告があったために北海道がこのような対応をしたようだが,銃撃されるという危機意識はなかったのだろうか.

最近のロシアの情勢が変化してきていることに対する危機感がなかったのだとしたら,なんとも情けない話である.大韓航空機撃墜事件というのを忘れてしまったのだろうか.もっとも,わかっていて危険を冒してまでも密漁に出たというのなら話は別である.所詮ニュースでは本当のことはわからないのだが,撃たれてから怒ったってはじまらないのである.

外務省も厚生労働省と並ぶ仕事ぶりの官庁だそうだが,せめて自国民の生命が脅かされるような事態になる前に,もっと精度の高い情報を集めて先を読んだ対応をしてもらいたいと思うのは私だけだろうか.

コメント

スミぱん@国会を見よう
スミぱん
2006年8月18日20:17

外務省が精度の高い情報を集めるだけの能力があるかどうか
思い切り疑問ですが、税金で食っているんだから、もっと、
しっかり仕事してほしいもんです。

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