外科医を減らすつもり?
2006年7月26日 医療の問題 コメント (4)『-- 診療報酬:医師の技量で格差 「競争原理」検討へ----中医協 --
厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は今月末から、医師の技能に応じて診療報酬にランクをつける検討を始める。手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙い。次期診療報酬改定(08年度)での導入を目指すが、医師側には能力評価への拒否反応が強く、どのように、どこまで差をつけられるかなどが課題になる。
医療技術を診療報酬で評価するため、従来は手術件数の多い医療機関に報酬を上乗せしていたが、「手術件数と治療成績の因果関係が不明」として、06年度の改定でいったん廃止された。このため、中医協は31日「手術に係る施設基準等調査分科会」を設置し、医療機関の手術数と成績に関するデータをそろえて検証をスタートさせる。
これを機に、「技術をもつ医師は個人としても評価されるべきだ」という考えの厚労省は、医療機関の手術数だけでなく、医師個人の手術数と治療成績の関係も分科会で調べることにした。
現行の診療報酬は、医師の技量にかかわらず一律で、これが能力向上を妨げているほか、腕のいい医師に謝礼を払う慣行がなくならず、医療費の不透明さを招いている、との指摘がある。
同省は、初・再診料や手術料に医師の技術次第で差をつけ、最高と最低の医師では、手術料の差が2倍程度となるよう設定したい考えだ。
しかし、評価を受ける医師側には反対論が根強くある。日本医師会は学問的な観点からの評価は容認しているが、腕によって報酬に差をつけることについては「数を稼ぐ目的での手術の乱発もおこりうる。医師に点数までつけるのはどうか」と慎重な姿勢を崩していない。』
手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙いというのは本当だろうか.最高と最低の医師で手術料の差が2倍程度となる設定とはいっても,どうせ以前に施設の手術数でやったのと同様に最高の医師の技術料が今までどおりで,最低の医師を50%減額して診療報酬を減らすのが目的だろう.
http://diarynote.jp/d/41284/20040408.html
仮に最高ランクの医師の技術料がアップしたとしても,経営の厳しい病院ではそれが医師の収入アップにつながることなんて期待できない.健康保険制度下で「競争原理」を導入したら,腕のいい医者は都市部の経営のいい病院に集まり,地方の公立病院の外科医はいなくなることだろう.医師個人の技量で評価するなら経験の足りない若い外科医の手術の機会もさらに減少するのではないだろうか.
結果として都市部と地方の医療格差の拡大と外科医志望の医師のさらなる減少をまねくことが危惧される.中途半端な「競争原理」の導入はむしろ健康保険医療の崩壊を加速させるだけではないだろうか.現場を知らない懲りない人たちのつまらないアイデアが医療をさらに荒廃させていくのだろう.
厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は今月末から、医師の技能に応じて診療報酬にランクをつける検討を始める。手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙い。次期診療報酬改定(08年度)での導入を目指すが、医師側には能力評価への拒否反応が強く、どのように、どこまで差をつけられるかなどが課題になる。
医療技術を診療報酬で評価するため、従来は手術件数の多い医療機関に報酬を上乗せしていたが、「手術件数と治療成績の因果関係が不明」として、06年度の改定でいったん廃止された。このため、中医協は31日「手術に係る施設基準等調査分科会」を設置し、医療機関の手術数と成績に関するデータをそろえて検証をスタートさせる。
これを機に、「技術をもつ医師は個人としても評価されるべきだ」という考えの厚労省は、医療機関の手術数だけでなく、医師個人の手術数と治療成績の関係も分科会で調べることにした。
現行の診療報酬は、医師の技量にかかわらず一律で、これが能力向上を妨げているほか、腕のいい医師に謝礼を払う慣行がなくならず、医療費の不透明さを招いている、との指摘がある。
同省は、初・再診料や手術料に医師の技術次第で差をつけ、最高と最低の医師では、手術料の差が2倍程度となるよう設定したい考えだ。
しかし、評価を受ける医師側には反対論が根強くある。日本医師会は学問的な観点からの評価は容認しているが、腕によって報酬に差をつけることについては「数を稼ぐ目的での手術の乱発もおこりうる。医師に点数までつけるのはどうか」と慎重な姿勢を崩していない。』
手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙いというのは本当だろうか.最高と最低の医師で手術料の差が2倍程度となる設定とはいっても,どうせ以前に施設の手術数でやったのと同様に最高の医師の技術料が今までどおりで,最低の医師を50%減額して診療報酬を減らすのが目的だろう.
http://diarynote.jp/d/41284/20040408.html
仮に最高ランクの医師の技術料がアップしたとしても,経営の厳しい病院ではそれが医師の収入アップにつながることなんて期待できない.健康保険制度下で「競争原理」を導入したら,腕のいい医者は都市部の経営のいい病院に集まり,地方の公立病院の外科医はいなくなることだろう.医師個人の技量で評価するなら経験の足りない若い外科医の手術の機会もさらに減少するのではないだろうか.
結果として都市部と地方の医療格差の拡大と外科医志望の医師のさらなる減少をまねくことが危惧される.中途半端な「競争原理」の導入はむしろ健康保険医療の崩壊を加速させるだけではないだろうか.現場を知らない懲りない人たちのつまらないアイデアが医療をさらに荒廃させていくのだろう.
コメント
あ、失礼しました。TBさせていただいた者です。
はじめまして。