『 -- 県により大学定員増も 医師不足問題で川崎厚労相 --

 地方の医師不足が指摘されている問題で、川崎二郎(かわさき・じろう)厚生労働相は21日の閣議後会見で「人口200万人を超える県で大学が1つ、入学定数が100人しかないところでは(医師不足を)解決し得ない問題があるのではないか」と述べ、地域によっては大学医学部の入学定数を増やすことも検討していく考えを示した。

 川崎厚労相は人口100万内外の県では、入学時に地域枠を設定し、卒業後に地元での医療に貢献してもらうことで、医師の需要は満たされると指摘。将来的には全国の医師数が30万人を超えると予測されているため「長期的には医師が足りないという話にはならない」とした。

 同省の検討会は19日まとめた最終報告案で、大学医学部の定員増について「(卒業生の)地域定着策の実施を前提として定員の暫定的な調整を検討すべきだ」との意見を付記している。』

 入学時に地域枠を設定するということは地方出身者を優遇して合格させるということで,まず大学のレベルが下がるということだ.そして地域枠で合格したら卒業後に地元での医療に貢献してもらうということは地域限定の医師免許をもらえるということだ.

 それでも医師が地元にきてくれれば住民はありがたいのだろうか.そうして人手不足で財政難の地域に縛られて働くことを強制されても医師になりたい者がいるのだろうか.こんなことをして医師が増えても医療の地域格差は改善するとは思えない.地方の住民や医師志望者をずいぶんとバカにした話のように聞こえるのは私だけだろうか.

 医師免許は自動車免許にたとえるとわかりやすいかもしれない.仕事だからと古い車で田舎の狭い崖の上のでこぼこ道をひとりで走り続けたいひとはいるだろうか.医師はプロドライバーである.料金は全国一律で,当直は労働時間にもならず過重労働である.どんなに疲れても乗車拒否はできず,おまけに事故を起せば警察に逮捕されマスコミの餌食となる.どこにいても我慢しなければならないならせめて都会のきれいな車で,渋滞はしても崖から転落の心配がない広い道をみんなで我慢しながら走ったほうがましだと思うのは私だけだろうか.

 これが現状なのに,さらに,地方に自動車学校をつくり,地元出身者には免許をあげるかわりに田舎の道しか走ってはいけないというような川崎厚労相が医療行政のトップだというのだから頭がまともな医師はあきれて失望するしかないのである.

コメント

さち
さち
2006年7月22日8:56

正看護師と準看護師みたいなものですかね。そこまでしないと成り立たないであろう地域にいますので、それも致し方ないのかな・・・という気がします。このままほうっておいたら30年後には立派な無医県ができあがりそうなので。
ただし、限定は簡単に解除できないようにしとかないと、後々混乱します。

スミぱん@国会を見よう
スミぱん
2006年7月22日10:28

地域限定でもいいから、歩いて行ける距離に医師がいて
くれると患者側としてはありがたいですね。ウチが住んでる
場所は本当に診療所がすくなくて、大病院並みに待たされる
ので。

いもぷりん。
もくれん
2006年7月23日23:10

学生時代に無医村のヘルスプロモーションをやっていました。市町村合併もあって本物の無医村は減りましたが、医者数・そして質の格差はむしろ増えています。それは医療を受ける側の変化も多いに関係していますが。数だけなんとかすれば良いという問題ではないような気がします。

nophoto
mube
2006年7月25日9:51

自治医大の存在が忘れられているようですね。自治医大での失敗に触れえられるのがいやで、意識的にその件を避けているしょうか?
無医村出身の医師が、卒業後に無医村に戻るわけではありません。
医師はサケではないです。

nophoto
田舎の病気持ち
2006年8月16日11:15

新車でたらたらと都会の広い道路を走りたいドライバー医師が多いとしたら、「病める者も皆、都会に出よ!」ということになる。でもそれが本音なら、都会に出られない病気持ちのために、最先端医療を田舎にも導入して欲しいものだ。全く障害を起こさない精密なロボット医師を田舎に送り込み、目の前の患者のデータを忠実に都会に住む最高の技術を持つ医師の前に横たわるアンドロイド患者に寸分たがわず再現させる。都会の医師がアンドロイドに治療を施せば、田舎の患者の病が完治する。という仕組みができるのなら、ね。

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索