問題はリハビリなの?
2006年6月13日 医療の問題 コメント (2)『 -- リハビリ制限に不安 必要な治療受けられない --
4月からの診療報酬改定で、公的医療保険で受けられるリハビリテーションに上限日数が新設されたことに伴い、医師や患者、家族の中には「必要なリハビリが受けられない」との不安が広がっている。日本リハビリテーション医学会などは、改定の見直しを求める要望書を今月中にまとめ、厚生労働省に申し入れる方針だ。
従来のリハビリに上限日数はなかったが、4月以降は(1)脳卒中など脳血管疾患(上限180日)(2)骨や関節など運動器(同150日)(3)呼吸器(同90日)(4)循環器や心臓血管(同150日)-とされた。厚労省研究班の「長期にわたり、効果が明らかでないリハビリが行われている」との指摘を受けた措置だ。
ただ、失語症や高次脳機能障害、難病などは除外する規定がある。当初は、長期にリハビリを続ける患者が多い脳血管疾患にも上限日数が決められたことについて医療現場が混乱。このため、厚労省は4月末、脳血管疾患が除外規定の一部に該当し「状態の改善が期待できると医師が判断した場合」にはリハビリ継続が認められるとの通知を出した。
しかし「どこまで医師の判断が認められるのか」「県によっては、保険の審査支払機関の解釈に違いが出る可能もある」などの不安がなくなったわけではない。
一方、関節の変形や骨粗しょう症など高齢者に多い運動器のリハビリは除外対象でない。上限日数の後は介護保険のリハビリで対応するというのが厚労省の考えだ。
例えば、ひざの軟骨がすり減って痛む「変形性ひざ関節症」で、昨年から診療所で週1回のリハビリを受けている人は、診療報酬改定の4月1日から150日が経過した後、医療保険でのリハビリは認められない。介護保険でリハビリを続けようとしても、リハビリに対応した訪問サービスや通所施設は少ないことから、継続には不安が残ることになる。
東京都台東区の「たいとう診療所」の今井稔也(いまい・としや)院長は「たとえ週1回、月1回でもリハビリをすることで、寝たきりにならずに日々の生活を維持できている患者がいる。一律に上限日数を決めるのではなく、せめて週何回、月何回までといった制限にとどめるように配慮してほしい」と話す。
慶応大月が瀬リハビリセンターの木村彰男所長は「急性期のリハビリに重点を置く改定の方向は間違っていない」とする一方で「健康体操やレクリエーションが多い介護保険のリハビリで、ようやく回復した機能を維持できるのか。必要な患者はリハビリを続けられるようにするべきだ」と、改定を批判している。』
他の科のことはわからないが,脳血管疾患等リハビリテーション料については高次機能障害や言語障害そして神経疾患の例外がみとめられており,脳梗塞についても神経障害による麻痺であるという解釈で算定上限日数を超えて算定できるようである.だが,現実的には入院日数のほうでリハビリテーションの患者さんたちが入院を続けるのは困難になるのではないかと思う.
医療型療養病床の診療報酬の改定に伴い療養病床が減少していることと療養病棟入院基本料の見直しにより脳血管障害で麻痺があっても医療区分は1で入院基本料は低く抑えられているために療養病床にリハビリテーションだけの患者さんを入院させることは難しい状況になってきているからである.平均在院日数の問題があるからもとより急性期病棟でリハビリテーションを続けることなどできないのにである.
そうなればリハビリテーションの患者さんたちは通院していただくしかなくなるわけだが,入院中なら毎日できたリハビリテーションも通院となると家族の協力などで恵まれた条件の患者さんしか通院できなくなるのではないだろうか.脳梗塞で一側の手足が麻痺して寝たきりや車イスが必要な患者さんにとって病院はかなり敷居が高い所となってしまうほうが私には心配である.
こういったことを厚生労働省はちゃんと計算しているということなのだろうか.医療費削減とは結局こういうことなのだろうか.
4月からの診療報酬改定で、公的医療保険で受けられるリハビリテーションに上限日数が新設されたことに伴い、医師や患者、家族の中には「必要なリハビリが受けられない」との不安が広がっている。日本リハビリテーション医学会などは、改定の見直しを求める要望書を今月中にまとめ、厚生労働省に申し入れる方針だ。
従来のリハビリに上限日数はなかったが、4月以降は(1)脳卒中など脳血管疾患(上限180日)(2)骨や関節など運動器(同150日)(3)呼吸器(同90日)(4)循環器や心臓血管(同150日)-とされた。厚労省研究班の「長期にわたり、効果が明らかでないリハビリが行われている」との指摘を受けた措置だ。
ただ、失語症や高次脳機能障害、難病などは除外する規定がある。当初は、長期にリハビリを続ける患者が多い脳血管疾患にも上限日数が決められたことについて医療現場が混乱。このため、厚労省は4月末、脳血管疾患が除外規定の一部に該当し「状態の改善が期待できると医師が判断した場合」にはリハビリ継続が認められるとの通知を出した。
しかし「どこまで医師の判断が認められるのか」「県によっては、保険の審査支払機関の解釈に違いが出る可能もある」などの不安がなくなったわけではない。
一方、関節の変形や骨粗しょう症など高齢者に多い運動器のリハビリは除外対象でない。上限日数の後は介護保険のリハビリで対応するというのが厚労省の考えだ。
例えば、ひざの軟骨がすり減って痛む「変形性ひざ関節症」で、昨年から診療所で週1回のリハビリを受けている人は、診療報酬改定の4月1日から150日が経過した後、医療保険でのリハビリは認められない。介護保険でリハビリを続けようとしても、リハビリに対応した訪問サービスや通所施設は少ないことから、継続には不安が残ることになる。
東京都台東区の「たいとう診療所」の今井稔也(いまい・としや)院長は「たとえ週1回、月1回でもリハビリをすることで、寝たきりにならずに日々の生活を維持できている患者がいる。一律に上限日数を決めるのではなく、せめて週何回、月何回までといった制限にとどめるように配慮してほしい」と話す。
慶応大月が瀬リハビリセンターの木村彰男所長は「急性期のリハビリに重点を置く改定の方向は間違っていない」とする一方で「健康体操やレクリエーションが多い介護保険のリハビリで、ようやく回復した機能を維持できるのか。必要な患者はリハビリを続けられるようにするべきだ」と、改定を批判している。』
他の科のことはわからないが,脳血管疾患等リハビリテーション料については高次機能障害や言語障害そして神経疾患の例外がみとめられており,脳梗塞についても神経障害による麻痺であるという解釈で算定上限日数を超えて算定できるようである.だが,現実的には入院日数のほうでリハビリテーションの患者さんたちが入院を続けるのは困難になるのではないかと思う.
医療型療養病床の診療報酬の改定に伴い療養病床が減少していることと療養病棟入院基本料の見直しにより脳血管障害で麻痺があっても医療区分は1で入院基本料は低く抑えられているために療養病床にリハビリテーションだけの患者さんを入院させることは難しい状況になってきているからである.平均在院日数の問題があるからもとより急性期病棟でリハビリテーションを続けることなどできないのにである.
そうなればリハビリテーションの患者さんたちは通院していただくしかなくなるわけだが,入院中なら毎日できたリハビリテーションも通院となると家族の協力などで恵まれた条件の患者さんしか通院できなくなるのではないだろうか.脳梗塞で一側の手足が麻痺して寝たきりや車イスが必要な患者さんにとって病院はかなり敷居が高い所となってしまうほうが私には心配である.
こういったことを厚生労働省はちゃんと計算しているということなのだろうか.医療費削減とは結局こういうことなのだろうか.
コメント
全くそのとおりです。
そのほとんどが、近所のおじいちゃんおばあちゃん。
ひざが痛いとか腰が痛いとか肩が凝ったとか、
そういう訴えで来院されます。
痛みが引けば自己判断で通院をやめられる患者さんもいますが、
生活の中の大きな用事のひとつとなっている患者さんもいますし、
通院が唯一の外出だという患者さんもいます。
そりゃ、中には、リハビリをリラクゼーションのように考えて、
医療保険使って安く気持ちよくなれるからって来られる患者さんもいますけど。
デイサービスやデイケアを使うほどのことは無い、
結構元気で、社会性のある高齢者にとって、
いい憩いの場ともなっています。
そういう地域医療福祉の末端にも影響が大きいです。
厚生労働省の計算がどこを重視して計算されたのか、
疑問です。