『 -- 副作用情報、医師から直接 薬害防止へ厚労省収集 新薬で市販後半年間 安全対策迅速化狙う --

 厚生労働省は2日までに、副作用が起きる危険性が高い新薬について、健康被害の発生や製造販売業者による薬害防止対策の実施状況を、市販から半年にわたって医師から直接、情報収集する取り組みを始めた。

 従来、副作用の発生など市販後の調査は、薬の製造販売業者が医師らから情報を集め、厚労省に報告することになっている。国が主体となった定点観測が加わることで、薬の緊急使用中止や添付文書改訂などの安全対策を迅速に実施できる。また、業者の市販後調査が妥当かどうかもチェックしやすくなるという。

 新制度の対象は、新たに承認された薬のうち(1)似た化学構造や作用を持つものがない(2)全症例での使用成績調査が承認条件とされた(3)国内の臨床試験(治験)が50症例未満と少なく、主に海外の治験データで承認されたか、欧米主要国で未発売-のいずれかに該当する医薬品。

 専門家の意見を参考に年間5品目程度を選び、相当量の使用が見込める担当医を大学病院や診療所から薬ごとに5?6人選ぶ。

 担当医は、副作用の発生のほか、副作用を防ぐための肝機能や心電図の検査などの注意事項を業者が病院に情報提供しているかどうかや、こうした対策を病院側が守っているかどうかについて、月に1回以上、厚労省に報告する。

 医薬品による副作用は、赤ちゃんに薬害を起こしたサリドマイドや、スモンの原因となった整腸剤キノホルム、多くの死者が出ている肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)など後を絶たない。』

 厚生労働省は安全対策に前向きなように見えるが,果たしてそうなのだろうか.ここで注目すべき点は対象が新薬で市販後半年に限るということである.こんな短期間で副作用のデータが出てくる新薬などまずあり得ない.もし,あったとしたら市販前に治験をやる意味などないだろう.だから聞こえはいいが実効性は疑わしい.

 それなのに.副作用の例としてサリドマイドや、キノホルム、イレッサを挙げているのがマスコミの副作用に対する認識の低さを表しているようで情けない.マスコミが批判的な目で国民の安全を考えるのではなく,厚生労働省のPRをするのだったらどこかの公共放送と同じだろう.最近のニュースには,まるで素人のブログと同じかそれ以下の内容の報道が多いような気がするのは私だけだろうか.

 私は安全性や効果について納得できなければ新薬は使わない主義なので1年ぐらいは様子をみることが多い.昔は製薬会社に接待されると使わないと悪いような気がしたこともあったが,最近は接待されても平気で放置しておくことが多くなった.新薬を自分の患者さんで試してみるよりは,問題が少なくて効果がありそうなことがわかってから使うほうがいいと思っている.

 しかし,最近のジェネリック医薬品については私があまり使いたくなくとも患者さんが希望すれば処方を断れなくなってきている.理由はお金がかからないからなのだが,なにせ今まで使ったことがないものが多いので,副作用がどうなのかはわからない.厚生労働省が医療費削減のために処方を奨励しているようだし,マスコミも安いと宣伝するしで,外来でジェネリックを希望される患者さんが増えてきている.世の流れと言えばそれまでだが,それでいいのだろうか.

 以前も脳賦活剤と言われ効果がなかったり,副作用のため消滅していった薬品群を経験している私としては,一品目づつ医薬品としての効果や副作用が検証されていないジェネリック医薬品を信用する気になれないのだ.もし,製造工程で不純物でも混じっていたらどうなるのか.効果や副作用が正規品と比べて本当に差がないのか.

 結局,ジェネリック医薬品は患者が選んで使用するのだから患者と製造業者が責任を持てばいいということなのだろうか.メーカー品と同等ということが前提なので厚生労働省は問題があれば製造者の責任にするだけだろう.処方する医師としては効果や副作用についてなにも情報がないのだから「ジェネリック医薬品についてはすべて免責」ということなら喜んで使わせていただきたいのだがどうだろうか.

コメント

スミぱん@国会を見よう
スミぱん
2006年5月3日18:49

ジェネリックと言えば聞こえはいいですが、要はゾロですよね。
先発品と同じというけど、全く同じとは限らないですから、
ウチもジェネリックを服用する気はないですね。

ミカエル
ミカエル
2006年5月8日8:30

そうなんだ〜
はじめまして、暇つぶしの達人さんの所に張ってあった所から来ました。
そうですか〜、ジェネリックって効果や副作用を検証していないんですか〜。考えちゃいますね〜!

最新の日記 一覧

<<  2025年7月  >>
293012345
6789101112
13141516171819
20212223242526
272829303112

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索