『  --  愛媛県警、GPS情報端末を参考人の車に無断で設置 --

 愛媛県警捜査1課の男性警部(42)の私有パソコンからファイル交換ソフト「ウィニー」を介して捜査情報などがインターネット上に流れた問題で、同県警が殺人事件の参考人に浮上した女性の車に、全地球測位システム(GPS)を使って位置情報を提供する大手警備会社の携帯端末を取り付けて行動確認をしていたことを報告する文書が流出していたことが10日、明らかになった。女性には無断だったと見られる。県警は事実関係を明らかにしていないが、犯罪捜査に詳しい専門家から賛否両論の声が上がっている。

 この文書は「行動確認報告書」。1980年代に同県内で起きた殺人事件に関するもので、計4通あり、作成日はいずれも02年6月。5日付の報告書によると、県警の捜査員が午前9時ごろ、女性の自宅を訪問。車がなかったため、大手警備会社の位置情報提供サービスの携帯端末で、近くのスーパーの駐車場にあることを確認し、その後は捜査員が尾行した、と書かれている。

 9日付の報告書でも、女性が高速道路のインターチェンジの料金所そばに駐車していることを端末で確かめ、捜査員が現地で確認。車に取り付けた端末を充電のために取り外し、2時間半後に取り付けたと記していた。22、29日付の報告書でも病院と喫茶店にある車を確かめたとしている。

 女性は逮捕されず、事件は未解決のまま公訴時効になった。朝日新聞の取材に「報告書に書かれているのと同じ行動をした記憶はあるが、尾行に気づかず、端末を付けられていたことも知らなかった」と話す。

 大手警備会社の広報室は県警との契約を否定し、「契約者には警察官がいるかどうかは言えない。ただ、本人の了承なしに車に取り付けたり他人の服に忍び込ませたりすることは規約で禁止している」と説明する。

 これに対し、県警捜査1課は「流出した文書の内容を明らかにすることは、情報の拡散を招くおそれがあり、プライバシー保護の観点から答えられない」としている。』

 Winnyの使用者は全国で30万人以上と推定されているらしい.WinnyでダウンロードしたファイルにAntinyが感染しているとこれがWinnyを悪用して感染したPC内のデータをネット上に流すということらしい.Winnyで流出したファイルについてのデータベースサイトを見るとその多さにはあきれてしまう,

 犯罪や軍事のプロフェッショナルである警察の捜査情報や自衛隊の機密情報までが流出してしまうことには情報管理の意識の低さにあきれるしかないが,このニュースのように警察の違法捜査などの不正行為が期せずして表に出てしまうのはなんとも皮肉な話である.

 もちろんAntiny自体がコンピュータウィルスでそれによって得られた情報も不法に入手されたものであるから証拠としての価値があるかどうかは不明である.しかし,そうした違法捜査が行われていないかどうか情報公開を請求する助けくらいにはなりそうである.

 これに対して県警捜査1課の「流出した文書の内容を明らかにすることは、情報の拡散を招くおそれがあり、プライバシー保護の観点から答えられない」というのはなかなかいい答えだと思う.これからは意に反して流出したデータに関してはすべてこの答弁でいいという警察のお手本というふうに理解させていただくことにしよう.

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