『 --「小学生は国語力を磨け」、石原都知事が文科省を批判 --

 小学生は、まずは十分な国語力を身につけよ。東京都の石原慎太郎知事は7日の記者会見で、「自分の国の言葉を完全にマスターしない人間が、外国の知識の何を吸収できるのか」などと話し、小学校段階での英語必修化の動きを批判した。

 石原知事は「若い人の国語力は低下している。人間の感性や情念を培うのは国語力だ」とも述べた。小学生時代、ドイツ人宣教師に英語を習っていたという自身の逸話を披露。「おやじに言われて習いに行ったが、何の効果もなかったね」と明かした。

 6日の首都大学東京の入学式でも、知事は新入生への祝辞の中で「日本で一番バカな役所の文部(科学)省が小学生から英語を教えるとか言っている。全くナンセンスだ」などと批判。

 これに対し、小坂文科相は7日午前の閣議後記者会見で、「日本語をしっかり勉強することが基本だが、柔軟な児童が英語に親しみ、英語教育に取り組むのは決して否定すべきことでない」と反論していた。 』

 石原慎太郎知事の日の丸や国歌へのこだわりには賛成しかねるのだが,「若い人の国語力は低下している。人間の感性や情念を培うのは国語力だ」というのには部分的に賛成である.付け加えるならば人間の論理的思考能力というものは言語によって成り立っているから,言語能力というのは人間の知性の大部分を占めると言えると思われる.もちろん日本語でなく英語で考えることができればそれでもいいのだろう.結局,何語でしゃべっても中身がないのはどうしようもないのである.まずは,正しく知識を吸収し,きちんと考えられるだけの日本語力を身につけるべきだろう.

 だから,正確には「日本人の感性や情念を培うのは国語力」と言うべきかもしれない.ここに石原慎太郎知事の日本語へのこだわりが感じられる.先日,フランスのシラク大統領がブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)臨時首脳会議で、フランス人が英語を使ったことにショックを受けて一時、退出するハプニングがあった.日本人には奇異に感じる事件だが,フランス人の個性はまさにフランス語に因るところが大きいと感じさせられた.

 しかし,考えてみれば日本語も歴史の中でその時代の価値観とともに姿を変えてきたのだろうから,イラク問題や勝ち組負け組をはじめ米国中心の価値観に巻き込まれている現在の日本を見れば第2国語が英語となる日も案外近いのかもしれない.そうすると問題の根っこは日本で一番バカな役所の文部(科学)省ではなく歴代3位の長期政権である小泉内閣のほうであるような気がしてくるのだがどうだろうか.

コメント

コロボックル
コロボックル
2006年4月11日10:55

ちょうど2年生の息子が「5年生になったら英語を習うんだよね」と夕飯の時に話して来ました。

私も都知事の日の丸国歌推奨の件に関しては賛同しかねますが、国語力の事は強く頷いてしまいました。
日本語はとても美しい言語だと私は常々考えています。確かに英語はこれから必須になる時代と思いますが、日本人としてのアイディンティティーが確立された上での他国語だと思うのですが、どうなんでしょうか。

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索