『 -- NHK番組改変・説明「出向いたことに」 担当者が証言 --

 NHKの番組が01年、放送直前に改変された問題で、取材対象の市民団体とNHKなどが争っている訴訟の口頭弁論が22日、東京高裁で開かれ、当時のチーフプロデューサー・永田浩三氏が証人として出廷した。朝日新聞の記事などで番組への政治家の関与が指摘された後の昨年1月、NHK幹部らが対応を話し合った際、放送前に安倍晋三衆院議員に会った経緯について「呼びつけられたのでなく、こちらから出向いたことにしよう」とのやりとりがあったと証言した。話し合いに参加した上司から聞いた内容として明らかにした。

 NHKは、放送前に安倍氏に番組内容を説明したことについて昨年1月、「呼び出されたのではなく、事業計画の事前説明のために出向いた」と説明していた。

 問題になっているのは、旧日本軍による性暴力を民間人が裁く「女性国際戦犯法廷」を取り上げた番組。

 永田氏の証言によると、「出向いた」とすることは、松尾武・元放送総局長と、国会対策担当だった野島直樹・元総合企画室担当局長との間で決まり、永田氏は、その場にいた上司から直接聞いたという。「NHKの公式見解と違い、衝撃的な内容だった。本当なのかなあと思った。(NHKは)真実は何か、世間に説明するべきだ」と述べた。

 また永田氏は、番組改変の過程で、伊東律子・番組制作局長(当時)の部屋に呼ばれたと言及。伊東氏は、歴史教科書問題に取り組む議員グループの著書に載った名簿を示し、中川昭一衆院議員の名前を指さしながら「言ってきているのは、この人たちよ」と話したという。

 永田氏は、慰安婦や加害兵士の証言が、「信憑性(しんぴょうせい)が疑わしい」との理由で放送直前に削られたことについて「つらい経験をされた方の言葉について疑うのはあり得ないと思っている」と声を詰まらせた。改変に抵抗できなかったことについて「悔いが残る。5年前に戻りたい」とも述べた。

 NHK広報局の話 伊東元局長は、中川氏の名を指して「言ってきているのはこの人たちよ」というやりとりをした記憶はない、と話している。昨年1月の話し合いは、朝日新聞の記事掲載などを受けて、松尾元放送総局長が当時の事情を記者会見で説明すべきかどうかを話し合ったもの。話し合いに野島元担当局長は参加していない。

 松尾氏は朝日新聞の取材に対し、永田氏が証言した野島氏とのやりとりについて「そうした事実は全くない。その席に野島氏は出ていないからだ」と語った。「ほかのメンバーとの間でも口裏合わせのような話は一切なかった」と述べた。』

 恥ずかしながら近代日本史は学年末のあわただしい時期に習ったせいかぜんぜん憶えていない.特に太平洋戦争については今でも歴史が隠ぺいや歪曲されているようでわからないところだらけである.「女性国際戦犯法廷」なんていうのも自慢するわけじゃないが,もちろん知らないからどうも事の重大さがぴんとこない.

 だが,番組制作の上でNHKがマスコミの良識に従ったのではなく政治的な配慮をしようとしたらしいということは私にもわかる.政治家が何と言おうとなんらかの政治的な圧力がマスコミに働いていることは日本の常識であろう,古くは歴史教科書問題があるし最近では卒業式での国歌斉唱,そして先日は被爆体験者の政治的発言の自粛強要など過去の戦争の傷跡を消し去ろうという動きは以前からあるし,憲法改正を前提にさらにこういう動きが加速しているようにも見える.

 NHKは国民と契約して受信料を集めながらも実体は国営放送であるから政治家に「呼びつけられたのでなく、こちらから出向いた」のかもしれないが,事実がどちらであってもNHKの体質を評価する上ではたいした問題ではないだろう.要するにNHKの番組には政治的意図が隠されているということである.視聴者はそういう番組を見ないことにするか,あるいはこのことをちゃんと理解して番組を見るのでなければ偏った考え方を植え付けられることに注意すべきであろう.

 医療関係の番組なら私は嘘にすぐ気付くことができるが,俗に言う健康番組や医療ドキュメント風番組にだまされている人たちも多いようだ.日本のマスコミの信憑性は低いという意識を持っていないといつの間にかテレビに洗脳されてしまうということはおぼえておいたほうがいいだろう.

コメント

や
2006年3月24日23:31

マスコミがマスコミとしての役割をまるで果たしていないのは残念なものですね。こんな状況ですから学校でのメディアリテラシー教育をしっかりして欲しいものです。ある意味普通の5教科の勉強よりも実践的で重要なことだと思いますから。

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