『 -- 愛媛県警の情報流出、FD240枚分 供述調書なども --
愛媛県警の発表や関係者の話などによると、流出した情報は、警部がCD3枚に保存していたものとほぼ同一とみられている。ファイル数は4200を超え、フロッピーディスクだと約240枚分にあたる膨大な情報量だ。ある県警幹部は「印刷したものを積み重ねると2メートル近くになる」と話している。
「仕事の文書」というフォルダの中には、供述調書など漏出があってはならない情報が多数、含まれていた。一方、「忘年会決算書」と題する私的に作成した文書も含まれるなど、機密情報と一般情報を区別せずに扱うずさんな管理ぶりもうかがわせた。
少年法で氏名の公表が禁じられている少年事件をめぐっては、「少年不良グループによるひったくり事件」と題する文書に、少年らの住所、氏名、生年月日などが記されていた。また、少年たちがパチンコ店を出入りする様子を隠し撮りしたと思われる写真もあり、少年が特定される恐れもある。
ある事件では「協力者工作」と称して、容疑者の身辺について情報を提供した捜査協力者の個人情報もあった。この協力者は「近隣のことであり、自分の氏名や情報提供した内容が絶対に漏れないようにしてほしい」と述べていた。
そのほか、宇和島市で起きた未解決のバラバラ殺人事件の関係者の供述調書など、刑事訴訟法の手続き上、立件前には絶対に表に出ないはずの捜査資料も数多く含まれている。 』
『 -- 政府のウィニー対策 打つ手なく「使うな」と呼びかけ --
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介して政府機関などの機密情報の流出が相次いでいる問題で、政府は15日、流出の危険性をホームページで注意喚起し、所管官庁へも再発防止を求めるなどの対策を発表した。ただ、一連の対策は決め手を欠き、抜本的な解決の道は見えないまま。安倍官房長官は記者会見で「最も確実な対策はパソコンでウィニーを使わないこと」と異例の使用自粛を国民に呼びかけた。
「やっぱり注意してもらわないとね。その危険性があるなら、使わない方がいいでしょう」。小泉首相は15日夜、首相官邸で記者団にこう語った。首相が特定のソフトウエアについて使用自粛を求めるのは異例だ。
内閣官房情報セキュリティーセンターの山口英補佐官(奈良先端科学技術大学院大学教授)は「乱暴だと言われるのは覚悟の上」と話す。
それほど、政府は追いつめられている。
政府機関の機密情報の流出は今年に入って加速している。2月下旬、海上自衛隊の秘密情報がネット上に漏れた事態を重くみた首相が、安倍長官に対策づくりを指示。長官は今月9日の事務次官会議に出席し、私有パソコンからの内部情報流出について「誠に憂慮すべき事態」と指摘して情報管理の徹底を求めていた。
一連の漏洩(ろうえい)の原因はウィニーの入った私用パソコンで無防備に仕事をするなど「基本的なヒューマンエラーが大きい」と同センターのひとりは指摘する。海自の内部資料も、隊員の私有パソコンからウィニーを通じて流出したとされる。
このため、各省庁は私有パソコンの管理強化に乗り出している。
防衛庁は資料流出が発覚した直後の2月下旬、緊急対策として(1)私有パソコンに入っているウィニーなどのファイル交換ソフトの削除(2)私有パソコンに入っている秘密情報の削除??を全職員に指示した。額賀防衛庁長官も8日、自衛隊員が職場で使っている私有パソコンをなくそうと、官費で購入する方針も明らかにした。
ただ、自宅の私有パソコンで仕事をするケースがゼロになるわけではない。例えば、外務省も省内パソコンの外部持ち出しを原則禁じているが、出張用パソコンは借りることができる。外務省関係者は「海外出張などでは私用のパソコンを持ち出すことも全く禁じられているわけではない」と説明する。
一方、首相や安倍官房長官がウィニーの使用自粛を国民に呼びかけたことには反発も出ている。流出はウィニー自体ではなく、ファイル交換の過程で介在するウイルスが問題だからだ。
中京大の鈴木常彦・助教授(情報技術)は「ウィニーに全責任を負わせても根本的な問題解決にはならない。政府はネット社会のリテラシー(活用能力)教育が教育現場でなされていない現状を直視し、充実させるきっかけにすべきだ」と話す。
内閣官房は15日夜になって「ウィニーというソフトがそもそも問題だから使うべきではないとしたものではありません」と弁明するコメントを発表した。』
今どきCD3枚が膨大な情報量といえるかどうかは別として,ソフトウェアの性能という点で評価すればウィニーとそのウィルスの効果は非常に高いということが証明される事件がまだ連日のように発覚しているようだ.情報をネット上に広めるのにこれほど効果的な方法はかつてなかったと思うが,問題はウィルスがパソコン上の情報を無作為に流出させるということだろう.
安倍官房長官や小泉首相のように「危険性があるなら,最も確実な方法は」という政治家的臭いものにはふたの考え方でいくとパソコンを使わせないことに行き着いてしまう.ネットにつながったパソコンがある以上この考え方では行き詰まってしまうことは明らかだ.
パソコンというのは言ってみれば人間の知力を増幅するような装置なのである.使う人に問題があればその欠点をも増幅するただの機械であるということを認識すべきだろう.だから,私物のパソコンを排除して内規を厳しくして情報管理を徹底させるということは人間に制服を着せて社内での礼儀をたたきこむのと同じようなことだ.でも,それだけで人間の本質が変わるだろうか.
パソコンやソフトウェアは使う人を選ばないから無作為に情報をネット上に流すことによって,パソコンを使用する人の情報管理レベルを広く世間に知らしめてくれただけの話である.入手した個人情報を不正に使用すれば犯罪行為であるから流出した内容が正確に把握できれば,それ自体はほとんどの場合問題にならないだろう.むしろ問題にすべきは管理の甘かった各省庁や企業の情報管理部門だろう.その管理能力の低さを国民に教えてくれた点は評価してもいいかもしれない.
おしゃべりな人間やだらしのない人間なんてどこにでもいるのである.パソコンにそれを世間に暴露されたからといって使うのをやめても,人間の方の問題が解決するわけがないのは明らかだろう.
愛媛県警の発表や関係者の話などによると、流出した情報は、警部がCD3枚に保存していたものとほぼ同一とみられている。ファイル数は4200を超え、フロッピーディスクだと約240枚分にあたる膨大な情報量だ。ある県警幹部は「印刷したものを積み重ねると2メートル近くになる」と話している。
「仕事の文書」というフォルダの中には、供述調書など漏出があってはならない情報が多数、含まれていた。一方、「忘年会決算書」と題する私的に作成した文書も含まれるなど、機密情報と一般情報を区別せずに扱うずさんな管理ぶりもうかがわせた。
少年法で氏名の公表が禁じられている少年事件をめぐっては、「少年不良グループによるひったくり事件」と題する文書に、少年らの住所、氏名、生年月日などが記されていた。また、少年たちがパチンコ店を出入りする様子を隠し撮りしたと思われる写真もあり、少年が特定される恐れもある。
ある事件では「協力者工作」と称して、容疑者の身辺について情報を提供した捜査協力者の個人情報もあった。この協力者は「近隣のことであり、自分の氏名や情報提供した内容が絶対に漏れないようにしてほしい」と述べていた。
そのほか、宇和島市で起きた未解決のバラバラ殺人事件の関係者の供述調書など、刑事訴訟法の手続き上、立件前には絶対に表に出ないはずの捜査資料も数多く含まれている。 』
『 -- 政府のウィニー対策 打つ手なく「使うな」と呼びかけ --
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介して政府機関などの機密情報の流出が相次いでいる問題で、政府は15日、流出の危険性をホームページで注意喚起し、所管官庁へも再発防止を求めるなどの対策を発表した。ただ、一連の対策は決め手を欠き、抜本的な解決の道は見えないまま。安倍官房長官は記者会見で「最も確実な対策はパソコンでウィニーを使わないこと」と異例の使用自粛を国民に呼びかけた。
「やっぱり注意してもらわないとね。その危険性があるなら、使わない方がいいでしょう」。小泉首相は15日夜、首相官邸で記者団にこう語った。首相が特定のソフトウエアについて使用自粛を求めるのは異例だ。
内閣官房情報セキュリティーセンターの山口英補佐官(奈良先端科学技術大学院大学教授)は「乱暴だと言われるのは覚悟の上」と話す。
それほど、政府は追いつめられている。
政府機関の機密情報の流出は今年に入って加速している。2月下旬、海上自衛隊の秘密情報がネット上に漏れた事態を重くみた首相が、安倍長官に対策づくりを指示。長官は今月9日の事務次官会議に出席し、私有パソコンからの内部情報流出について「誠に憂慮すべき事態」と指摘して情報管理の徹底を求めていた。
一連の漏洩(ろうえい)の原因はウィニーの入った私用パソコンで無防備に仕事をするなど「基本的なヒューマンエラーが大きい」と同センターのひとりは指摘する。海自の内部資料も、隊員の私有パソコンからウィニーを通じて流出したとされる。
このため、各省庁は私有パソコンの管理強化に乗り出している。
防衛庁は資料流出が発覚した直後の2月下旬、緊急対策として(1)私有パソコンに入っているウィニーなどのファイル交換ソフトの削除(2)私有パソコンに入っている秘密情報の削除??を全職員に指示した。額賀防衛庁長官も8日、自衛隊員が職場で使っている私有パソコンをなくそうと、官費で購入する方針も明らかにした。
ただ、自宅の私有パソコンで仕事をするケースがゼロになるわけではない。例えば、外務省も省内パソコンの外部持ち出しを原則禁じているが、出張用パソコンは借りることができる。外務省関係者は「海外出張などでは私用のパソコンを持ち出すことも全く禁じられているわけではない」と説明する。
一方、首相や安倍官房長官がウィニーの使用自粛を国民に呼びかけたことには反発も出ている。流出はウィニー自体ではなく、ファイル交換の過程で介在するウイルスが問題だからだ。
中京大の鈴木常彦・助教授(情報技術)は「ウィニーに全責任を負わせても根本的な問題解決にはならない。政府はネット社会のリテラシー(活用能力)教育が教育現場でなされていない現状を直視し、充実させるきっかけにすべきだ」と話す。
内閣官房は15日夜になって「ウィニーというソフトがそもそも問題だから使うべきではないとしたものではありません」と弁明するコメントを発表した。』
今どきCD3枚が膨大な情報量といえるかどうかは別として,ソフトウェアの性能という点で評価すればウィニーとそのウィルスの効果は非常に高いということが証明される事件がまだ連日のように発覚しているようだ.情報をネット上に広めるのにこれほど効果的な方法はかつてなかったと思うが,問題はウィルスがパソコン上の情報を無作為に流出させるということだろう.
安倍官房長官や小泉首相のように「危険性があるなら,最も確実な方法は」という政治家的臭いものにはふたの考え方でいくとパソコンを使わせないことに行き着いてしまう.ネットにつながったパソコンがある以上この考え方では行き詰まってしまうことは明らかだ.
パソコンというのは言ってみれば人間の知力を増幅するような装置なのである.使う人に問題があればその欠点をも増幅するただの機械であるということを認識すべきだろう.だから,私物のパソコンを排除して内規を厳しくして情報管理を徹底させるということは人間に制服を着せて社内での礼儀をたたきこむのと同じようなことだ.でも,それだけで人間の本質が変わるだろうか.
パソコンやソフトウェアは使う人を選ばないから無作為に情報をネット上に流すことによって,パソコンを使用する人の情報管理レベルを広く世間に知らしめてくれただけの話である.入手した個人情報を不正に使用すれば犯罪行為であるから流出した内容が正確に把握できれば,それ自体はほとんどの場合問題にならないだろう.むしろ問題にすべきは管理の甘かった各省庁や企業の情報管理部門だろう.その管理能力の低さを国民に教えてくれた点は評価してもいいかもしれない.
おしゃべりな人間やだらしのない人間なんてどこにでもいるのである.パソコンにそれを世間に暴露されたからといって使うのをやめても,人間の方の問題が解決するわけがないのは明らかだろう.
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