『 -- 「近所の子もどうぞ」宇都宮大キャンパスに保育所開設へ --
「大学のキャンパス内に保育所をつくりたい」――。宇都宮大学教授らの働きかけで、この秋、宇都宮市にある同大学内に私立の認可保育所が開園する。同大によると、医学部のある国立大学で付属病院で働く看護師らのために保育所を設ける例はあるが、周辺地域の子どもを受け入れることを設立当初から掲げているのは全国的に珍しい試みという。
「ゆりかごから老後までみんなに使ってもらえる、そんな地域に開かれた大学になれたら素晴らしいでしょ」。中心になって活動してきた同大教育学部の金崎芙美子教授(63)は、保育所をつくる理由をこう語った。学内に保育所のない時代、働きながら子どもを育て上げた経験がある。
国立大学の法人化で「地域貢献」がキーワードになると見込んで、03年に構想を具体化。市や大学と交渉してきた。
近くにある市立保育園の老朽化が進んでいたこともあって移設民営化が決まり、大学からも無償で土地を借りる約束を取り付けた。学内では教職員に働きかけて設立準備委員会を設置。募金で、教授や職員、周辺の商店から計3200万円を集めた。
保育所の名前は「宇都宮大学まなびの森保育園」。定員は90人で0〜5歳児が対象。運営母体として社会福祉法人「峰陽(ほうよう)会」を立ち上げる。大学付属機関にはならないが、教育学部長が理事に就任するなど、大学との連携を図る。
教授らは10月の開園を心待ちにしている。「保育所ができたら食育のテーマで支援したい」「留学生の利用を見込んで異文化教育をしたい」
3月で退官する同大工学部の浅野功義教授(65)は、寄付だけではもの足りず、今後も保育所にかかわる決心をした。「4月から教育学部で勉強し直して保育士の資格を取ります」。資格取得までの2年間は「用務員のおじちゃん」になり、子どもたちと対話するのを楽しみにしている。
金崎教授は言う。「法人名の『峰陽』はキャンパスのある峰町と陽東の住所から名付けました。抱擁、愛の意味もある。しっかりと抱きしめて保育所から愛を広げていきたい」』
外来でたくさんの人を診ていると人間の多様性に驚かされることがよくある.入院して主治医になれば性格や考え方までわかることも多いけれど,外来ではさすがにそこまではなかなかわからない.それでも背格好,顔立ち,声や話し方などといった特徴はもちろん年齢,職業,住所,病歴といった詳細な情報があるから,どんな人なのだろうと興味を持てばかなりのことがわかってくる,
でも,仕事の必要で観察する点を除けば,私が一番興味あるのは話し方である.ここにその人のすべてが集約されていると思う.言葉使いや話の内容からその人となりを類推するのである.そうすると人間というのはいかに環境によってつくられているのかがわかる.そうしてたくさんの人をみれば人間としての核を形成する幼少児期の教育がいかに大切かということに程なく思い当たるのは当然のことだと思う.
3月で退官する同大工学部の教授が,寄付だけではもの足りず保育所にかかわる決心をしたのがどんな理由かはわからないが,日頃から大学生を教えていて私と同じようなところに考えが至ったような気がする.人間は大人になるとなかなか自分を変えることはできないことは思い当たる人が多いのではないだろうか.もっと小さい頃にこういう性格を直したかったと思う人もたくさんいることだろう.
実際,人生は考え方次第であるのだが,頭ではわかっていてもそれができないというのは誰にでもあるだろう.現代日本社会の問題も社会を構成する人間という側面からみれば,戦争で物資がなく物質的な豊かさを追及した世代,大勢で競争しなければならなかった団塊世代,ゆとりを追及しすぎて目的を失った世代などの各世代でそれぞれの問題を抱えているとも言えるのではないだろうか,
少子化の時代には他人と競争する必要はないだろうが,目的なしで生きていられるほど未来は明るくない,数は少なくとも背中に背負うものは大きくなる一方である.これからは,未来に理想を描きつつ過去の問題を解決できるような人間が増えてもらわないといけない.そう考えると子育てに社会資本を投下することはまちがいのない選択枝のように思えるのだがどうだろうか.
「大学のキャンパス内に保育所をつくりたい」――。宇都宮大学教授らの働きかけで、この秋、宇都宮市にある同大学内に私立の認可保育所が開園する。同大によると、医学部のある国立大学で付属病院で働く看護師らのために保育所を設ける例はあるが、周辺地域の子どもを受け入れることを設立当初から掲げているのは全国的に珍しい試みという。
「ゆりかごから老後までみんなに使ってもらえる、そんな地域に開かれた大学になれたら素晴らしいでしょ」。中心になって活動してきた同大教育学部の金崎芙美子教授(63)は、保育所をつくる理由をこう語った。学内に保育所のない時代、働きながら子どもを育て上げた経験がある。
国立大学の法人化で「地域貢献」がキーワードになると見込んで、03年に構想を具体化。市や大学と交渉してきた。
近くにある市立保育園の老朽化が進んでいたこともあって移設民営化が決まり、大学からも無償で土地を借りる約束を取り付けた。学内では教職員に働きかけて設立準備委員会を設置。募金で、教授や職員、周辺の商店から計3200万円を集めた。
保育所の名前は「宇都宮大学まなびの森保育園」。定員は90人で0〜5歳児が対象。運営母体として社会福祉法人「峰陽(ほうよう)会」を立ち上げる。大学付属機関にはならないが、教育学部長が理事に就任するなど、大学との連携を図る。
教授らは10月の開園を心待ちにしている。「保育所ができたら食育のテーマで支援したい」「留学生の利用を見込んで異文化教育をしたい」
3月で退官する同大工学部の浅野功義教授(65)は、寄付だけではもの足りず、今後も保育所にかかわる決心をした。「4月から教育学部で勉強し直して保育士の資格を取ります」。資格取得までの2年間は「用務員のおじちゃん」になり、子どもたちと対話するのを楽しみにしている。
金崎教授は言う。「法人名の『峰陽』はキャンパスのある峰町と陽東の住所から名付けました。抱擁、愛の意味もある。しっかりと抱きしめて保育所から愛を広げていきたい」』
外来でたくさんの人を診ていると人間の多様性に驚かされることがよくある.入院して主治医になれば性格や考え方までわかることも多いけれど,外来ではさすがにそこまではなかなかわからない.それでも背格好,顔立ち,声や話し方などといった特徴はもちろん年齢,職業,住所,病歴といった詳細な情報があるから,どんな人なのだろうと興味を持てばかなりのことがわかってくる,
でも,仕事の必要で観察する点を除けば,私が一番興味あるのは話し方である.ここにその人のすべてが集約されていると思う.言葉使いや話の内容からその人となりを類推するのである.そうすると人間というのはいかに環境によってつくられているのかがわかる.そうしてたくさんの人をみれば人間としての核を形成する幼少児期の教育がいかに大切かということに程なく思い当たるのは当然のことだと思う.
3月で退官する同大工学部の教授が,寄付だけではもの足りず保育所にかかわる決心をしたのがどんな理由かはわからないが,日頃から大学生を教えていて私と同じようなところに考えが至ったような気がする.人間は大人になるとなかなか自分を変えることはできないことは思い当たる人が多いのではないだろうか.もっと小さい頃にこういう性格を直したかったと思う人もたくさんいることだろう.
実際,人生は考え方次第であるのだが,頭ではわかっていてもそれができないというのは誰にでもあるだろう.現代日本社会の問題も社会を構成する人間という側面からみれば,戦争で物資がなく物質的な豊かさを追及した世代,大勢で競争しなければならなかった団塊世代,ゆとりを追及しすぎて目的を失った世代などの各世代でそれぞれの問題を抱えているとも言えるのではないだろうか,
少子化の時代には他人と競争する必要はないだろうが,目的なしで生きていられるほど未来は明るくない,数は少なくとも背中に背負うものは大きくなる一方である.これからは,未来に理想を描きつつ過去の問題を解決できるような人間が増えてもらわないといけない.そう考えると子育てに社会資本を投下することはまちがいのない選択枝のように思えるのだがどうだろうか.
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