『 -- 冬季五輪の選手強化、「政府として支援必要」と首相 --

 トリノ五輪で日本勢が金メダル1個に終わったことに関し、小泉首相は28日午前の閣僚懇談会で、「夏(季競技)に関しては結構(対策を)やってきたようだが、冬についても政府として支援していく態勢を考えなければならない」と述べた。閣僚からも、冬季五輪で活躍できる選手育成の環境整備が必要との声が相次いだ。

 閣僚懇では、元五輪選手(クレー射撃)の麻生外相も「もっとスポーツ育成環境を整える必要がある」と話した。

 その後の記者会見で、小坂文科相は「自治体の支援とオリンピック基金でまかなっている現状では、徐々に施設を閉鎖せざるを得ない環境に追い込まれている。国民全員の応援をいただいて選手を育成していく環境づくりが必要だ」と述べ、公的支援を含めた対策が必要だとの認識を示した。 』

 国民全員の応援で冬季五輪で活躍できる選手育成の環境整備というのはスケートリンクやスキー場などの施設建設に税金を投入するということなんだろうか.閣僚も談合には反対しても結局ゼネコンにお金を流すことには賛成のようだ.そういえば日本橋の景観の回復でも首相は同じようなことを言っていた.

 だが,施設をつくれば選手のレベルが上がるのだろうか.今回のオリンピックではカーリングや女子フィギュアは注目を浴びて少しは競技人口も増えそうだが,アルペン,ノルディック,リュージュ,ボブスレーなんかはどう考えても増えなさそうだ.北海道のニセコスキー場にはオーストラリアからスキー客が大挙して押し寄せ活況を呈しているようだが,道内のスキー人口は減るばかりだし,スノーボードをやる若者ばかりなわけでもない.ましてや少子化である.競技人口が少なければ優秀な選手も少なくなるだろう.

 結局,数少ない優秀な人材をどうやって見つけ出し育成するかということこそ大切なことだと思うのだが,政治家にはそういうことは考えられないのだろう.大事なのはモノではなくヒト.お金ではなく精神というのが日本の優位性だったはずだが,バブル以降はすっかりおかしくなっている.オリンピックだけでなく最近の日本の低迷の原因はやはりこのあたりにあるのではないだろうか.日本にとってたった一個の荒川選手の金メダルは彼女の精神力の賜物であり,それこそが今の日本に必要なものだと感じたのは私だけだろうか.


 

コメント

フローレン
2006年2月28日21:05

荒川選手の金メダルが決まった瞬間、息子と「ホリエモンに見せてやりたいよね」と頷いてしまいました。“ボロは着てても心の錦”的な精神に戻る時ですよね。でも、ボロもファッションで着る時代だから無理ですね。

スミぱん@国会を見よう
スミぱん
2006年2月28日22:38

女子フィギュアは、以前から才能のある子達を集めて鍛えた
結果であり、他の競技ではひそかに日本バッシングのような
ルール改正をしているのもあるので、この結果はある意味
当然のように思える。施設うんぬんより、選手たちのモチ
ベーションが上がるようにする方が先決であろう。

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