『 -- 副作用情報、「医師から説明」27% 製薬業界団体調査 --

 医師に薬を処方してもらった人の7割が副作用について説明してほしいと感じているのに、実際に医師や薬剤師から説明を受けた人は3割にとどまることが、製薬会社の業界団体の調査で分かった。「医師や薬剤師は患者の立場で説明してほしい」と話している。

 調査は、製薬会社でつくる「くすりの適正使用協議会」が、昨年10月に20〜69歳の2000人を対象にファクスを送り、1607人から回答を得た。医師の処方が必要な薬が対象で、大衆薬については聞いていない。

 薬をもらう時に知りたい情報と医師や薬剤師から実際に説明を受けた内容とを比べると、副作用について知りたいと答えた人が70%なのに説明を受けたのは27%。副作用が出た時の対処方法については、25%の人が知りたいと答えたが、説明を受けたのは8%にとどまった。一方、服用方法については、知りたいと答えた人は36%にとどまったのに、79%の人が説明を受けた。

 処方された薬について不安に思ったことがあるかどうか尋ねると、「時々ある」が54%で、「よくある」が5%。合わせると6割が不安を訴えていた。』

 こういう話は患者側のアンケートだけみるといかにも医師は説明していないみたいだが,問題は医師側がどの程度まで意識して話していて,それを患者側が理解しているかにかかっている.医師が説明したつもりであっても,患者側が聞いていないといえばそれまでだ.製薬会社にしても「医師や薬剤師は患者の立場で説明してほしい」とはまったく無責任な話である.

 臨床でよく経験する副作用なら使っている医師はわかっているからちゃんと理解して説明できるし,重篤なものについては必ず説明していると思う.しかし,稀にしか起こらないものや新薬などについては医師も本当のところわからないのが現実だろう.

 可能性の問題で副作用を列挙しても時間の無駄である.処方された薬に不安があるのならちゃんとそのことを医師に伝えて納得してから投与を受けるべきであろう.医師が内服をすすめても承諾されなければ処方はしないだろうし,承諾すればそれ以上の説明に時間を費やしたりはしないだろう.

 何らかの理由で医師に直接たずねることが出来なくとも,薬をもらう所には薬剤師がいる.最近は院外処方薬局でもらう人も多いと思うが,そこでは大抵丁寧に説明してくれる.私も自分のアレルギーの薬をもらいにいったら非常に丁寧に説明されてかえって困ってしまったくらいである.入院中であれば看護師さんに聞けば教えてくれるし,わからなければ医師にそのことを伝えてもらえばいいだろう.

 医師の説明不足ということで「もっとちゃんと説明しろ」というのなら,患者が主治医にそのことをきちんと伝えればいいわけで,それができないというのなら患者と医師との人間関係に問題があるということで,それなら説明以前の問題ではないだろうか.

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索