緑茶で認知障害のリスクが低下?
2006年2月23日 医食同源 コメント (6)『 -- 緑茶が脳に対して驚くべき効果を発揮する可能性 --
1日2杯以上飲めば頭の冴えを保つのに役立つという試験結果
Miranda Hitti WebMD Medical News Reviewed by Brunilda Nazario, MD
緑茶をよく飲む高齢者は飲まない人に比べて頭が冴えている可能性がある。
この知見は『American Journal of Clinical Nutrition』2月1日号に掲載された日本の試験に基づいている。
この試験は、年齢70歳以上の日本人約1,000人を対象としたものであった。被験者は、記憶、見当識、命令遂行能力、注意からなる意識状態の試験を受け、また緑茶等の飲料をどの程度の頻度で飲むかを研究者に申告した。
上記の試験スコアに基づいた場合、緑茶を最も多く飲むと申告した群では、認知障害を示す割合が最も低かったと栗山進一, MD, PhDらは記述している。
栗山博士は、東北大学医学部(日本、仙台)社会医学講座公衆衛生学分野に勤務している。
どのくらいの緑茶が有効か?
栗山博士の試験では、1日2杯以上緑茶を飲むことは、認知障害のリスクが最も低いことと相関した。
1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人と比較した場合、1日2杯以上緑茶を飲む人では試験スコアが認知障害範囲である割合が54%低かった。
これよりも緑茶を飲む回数が低い場合でも結果はそれほど悪くはなく、1杯の緑茶を週4-6回飲む人では、1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人に比べ認知障害を示す割合が38%低かった。
コーヒー、紅茶、ウーロン茶では同じ結果は認められなかった。緑茶は日本では一般的な飲料である。参加者10人中7に以上が緑茶を1日に2杯以上飲むと報告した。本試験では緑茶が高齢者の頭脳の冴えの原因であることは証明されていない。
研究者らは試験のためにお茶の飲み方を変えるようにはせず、その代わりに認知能力試験のスコアと茶の摂取習慣を調査した。
データは1回のみ収集されたため、参加者の茶の摂取習慣が生涯続いているものかどうか、また試験スコアが経時的に変化したかどうかは不明である。
栗山博士らは、認知障害に関連する因子として糖尿病、喫煙、高年齢等を考慮した。また、身体活動、社会とのつながり、魚および野菜および摂取状況、自己申告による全体的な健康状態など意義がある可能性がある習慣について調整した。
上記のすべての因子について考慮した後でも、依然として高度の緑茶の摂取は認知障害のリスクが低いことに関連があったことを研究者らは示している。
「われわれの知る限り、この試験は、緑茶の摂取とヒトの認知機能との関係を検討した最初の試験である」と栗山博士らは記述している。
緑茶に含まれる天然化合物、特にEGCG(エピガロカテキン-3-ガレート)という化学物質が動物における脳疾患の実験において有望であることが示されていると同博士らは指摘している。
しかし、緑茶に含まれる他の成分が脳に役立っている可能性もあると研究者らは記述している。
例えば、日本人はしばしば緑茶を飲みながら社交する。社交的であることは脳に良いことである可能性があると栗山博士らは指摘している。
さらに、健康な人は緑茶を飲む割合が高いのかもしれないと同博士らは付言している。もしそうであるなら、健康状態がよいので脳も健康である、ということであるかもしれない。
Kuriyama, S. The American Journal of Clinical Nutrition, Feb. 1, 2006; vol 83: pp 355-361.』
健康食品などには全く興味はないので摂取しないし,そもそもアガリスクやイソフラボンのようにあとで有害であることがわかることもあるので効果なんてまったく信用していない.しかし,日常よく摂取する食品や嗜好品には関心を持つようにしている.
煙草は有害なのでやめたし,コーヒー,ビール,赤ワインは以前にも取り上げたように有用なようなので適度に積極的に楽しむようにしている.お茶も好きなのでティーバッグの緑茶,玄米茶などは常備しているし,家では気が向くと抹茶を立てて飲んだりもするほうである.
この報告は,今のところ緑茶を1日に2杯以上飲む習慣と認知障害のリスクの低下の相関が高いというレベルと考えたほうが良さそうであるが,もともとお茶は薬として大陸から日本に伝わったそうだから科学的に薬効が証明されたら面白い.なぜお茶の葉を煎じて飲むようになったのかはわからないが,昔の人は経験的に体に良いということを知ったのだろうか.
先日の赤ワインといい緑茶といい認知障害の予防にはいいようであるが回復するという話はない.認知症を治療する薬はいまのところないし,なってしまうとアリセプトなんか服用しても進行するばかりで回復は不可能であるから,今後もしばらくは予防中心で研究が進んでいくのだろう.
1日2杯以上飲めば頭の冴えを保つのに役立つという試験結果
Miranda Hitti WebMD Medical News Reviewed by Brunilda Nazario, MD
緑茶をよく飲む高齢者は飲まない人に比べて頭が冴えている可能性がある。
この知見は『American Journal of Clinical Nutrition』2月1日号に掲載された日本の試験に基づいている。
この試験は、年齢70歳以上の日本人約1,000人を対象としたものであった。被験者は、記憶、見当識、命令遂行能力、注意からなる意識状態の試験を受け、また緑茶等の飲料をどの程度の頻度で飲むかを研究者に申告した。
上記の試験スコアに基づいた場合、緑茶を最も多く飲むと申告した群では、認知障害を示す割合が最も低かったと栗山進一, MD, PhDらは記述している。
栗山博士は、東北大学医学部(日本、仙台)社会医学講座公衆衛生学分野に勤務している。
どのくらいの緑茶が有効か?
栗山博士の試験では、1日2杯以上緑茶を飲むことは、認知障害のリスクが最も低いことと相関した。
1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人と比較した場合、1日2杯以上緑茶を飲む人では試験スコアが認知障害範囲である割合が54%低かった。
これよりも緑茶を飲む回数が低い場合でも結果はそれほど悪くはなく、1杯の緑茶を週4-6回飲む人では、1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人に比べ認知障害を示す割合が38%低かった。
コーヒー、紅茶、ウーロン茶では同じ結果は認められなかった。緑茶は日本では一般的な飲料である。参加者10人中7に以上が緑茶を1日に2杯以上飲むと報告した。本試験では緑茶が高齢者の頭脳の冴えの原因であることは証明されていない。
研究者らは試験のためにお茶の飲み方を変えるようにはせず、その代わりに認知能力試験のスコアと茶の摂取習慣を調査した。
データは1回のみ収集されたため、参加者の茶の摂取習慣が生涯続いているものかどうか、また試験スコアが経時的に変化したかどうかは不明である。
栗山博士らは、認知障害に関連する因子として糖尿病、喫煙、高年齢等を考慮した。また、身体活動、社会とのつながり、魚および野菜および摂取状況、自己申告による全体的な健康状態など意義がある可能性がある習慣について調整した。
上記のすべての因子について考慮した後でも、依然として高度の緑茶の摂取は認知障害のリスクが低いことに関連があったことを研究者らは示している。
「われわれの知る限り、この試験は、緑茶の摂取とヒトの認知機能との関係を検討した最初の試験である」と栗山博士らは記述している。
緑茶に含まれる天然化合物、特にEGCG(エピガロカテキン-3-ガレート)という化学物質が動物における脳疾患の実験において有望であることが示されていると同博士らは指摘している。
しかし、緑茶に含まれる他の成分が脳に役立っている可能性もあると研究者らは記述している。
例えば、日本人はしばしば緑茶を飲みながら社交する。社交的であることは脳に良いことである可能性があると栗山博士らは指摘している。
さらに、健康な人は緑茶を飲む割合が高いのかもしれないと同博士らは付言している。もしそうであるなら、健康状態がよいので脳も健康である、ということであるかもしれない。
Kuriyama, S. The American Journal of Clinical Nutrition, Feb. 1, 2006; vol 83: pp 355-361.』
健康食品などには全く興味はないので摂取しないし,そもそもアガリスクやイソフラボンのようにあとで有害であることがわかることもあるので効果なんてまったく信用していない.しかし,日常よく摂取する食品や嗜好品には関心を持つようにしている.
煙草は有害なのでやめたし,コーヒー,ビール,赤ワインは以前にも取り上げたように有用なようなので適度に積極的に楽しむようにしている.お茶も好きなのでティーバッグの緑茶,玄米茶などは常備しているし,家では気が向くと抹茶を立てて飲んだりもするほうである.
この報告は,今のところ緑茶を1日に2杯以上飲む習慣と認知障害のリスクの低下の相関が高いというレベルと考えたほうが良さそうであるが,もともとお茶は薬として大陸から日本に伝わったそうだから科学的に薬効が証明されたら面白い.なぜお茶の葉を煎じて飲むようになったのかはわからないが,昔の人は経験的に体に良いということを知ったのだろうか.
先日の赤ワインといい緑茶といい認知障害の予防にはいいようであるが回復するという話はない.認知症を治療する薬はいまのところないし,なってしまうとアリセプトなんか服用しても進行するばかりで回復は不可能であるから,今後もしばらくは予防中心で研究が進んでいくのだろう.
コメント
URL : http://blog.livedoor.jp/katsuiwar/
自然と紅茶派に行ってたのですが、このブログを機会に
緑茶に換えてみようかと思います。8時間立ちっぱなし
の後で緑茶オレを飲むとほっとしますし。
ちょっと前からですが、読ませていただいております。
緑茶ってやっぱり良いんですね。
この前、厄払いに行ってきたんですが、神社からいただいたお茶(緑茶だった)を最近飲んでます。続けた方がよさそうですね。
あ、ブックマークさせていただきました。
これからも読ませてくださいね。宜しくお願いします♪
どうなんでしょう???
梔子さんはまだ認知障害は心配しなくてもいいでしょう.
お花からのイメージとしてはお抹茶派かとも思いましたが.