『 -- 帝王切開ミスで医師逮捕 胎盤癒着の経験なし --
福島県大熊町の福島県立大野病院で2004年12月、帝王切開した女性=当時(29)=が死亡した医療ミスで、富岡署は18日、業務上過失致死と医師法違反の疑いで執刀した医師加藤克彦(かとう・かつひこ)容疑者(38)=大熊町下野上清水422ノ22=を逮捕した。
調べでは、加藤容疑者は04年12月17日、胎盤の癒着で大量出血する可能性を知りながら、十分な検査などをせず帝王切開を執刀、癒着した胎盤を無理にはがし大量出血で福島県楢葉町の女性を死亡させた疑い。
また女性の死体検案を警察署に届けなかった疑い。
加藤容疑者は容疑の一部を否認、富岡署は「事故を警察に届けておらず証拠隠滅の恐れがあった」としている。病院側は「手術直後はミスという認識はなく、届けなかった」と話している。
福島県などによると、加藤容疑者はこれまで胎盤癒着の執刀経験はなく、大野病院で産婦人科医は加藤容疑者だけで、手術にほかの産婦人科医の立ち会いもなかった。
加藤容疑者は1996年に医師免許を取得し、04年4月から産婦人科医として大野病院に勤務。04年度に大野病院で約200例の出産を手掛けるなど中堅の産婦人科医で帝王切開はうち約40例あった。
富岡署は病院関係者から当時の経緯などの事情を聴いている。
福島県は昨年3月に事故を公表。加藤容疑者の判断ミスを認め、遺族に謝罪し、昨年6月に加藤容疑者を減給1カ月の懲戒処分とし、病院長を戒告処分としている。
富岡署は県の公表で事故を知り、昨年4月に病院を家宅捜索、18日には県病院局などを捜索した。
大野病院は総合病院で1951年に開設され、病床数は150床。産婦人科に入院している妹の見舞いに来た主婦(34)は「私の出産も加藤先生だった。評判は悪くなかったが、事故後そのまま働いているのはおかしいと思った。妹が帝王切開になったらいやだと思っていた」と話した。』
胎盤癒着のリスクがわからずここで取り上げなかったのだが,その後も気になるので色々なブログや掲示板を見ていたら大変なことになっているようだ.
警察は医療ミスを隠ぺいしようとしたから逮捕したというのだろうが,これが医療ミスだという根拠こそ議論されるべきで,カルテや手術記録などの証拠保全をきちんとやればそれで済むことだったのではないだろうか.
同じ外科系の医師として自分のやっている手術でもこのような事態に陥ることは十分考えられるだけに,患者が死亡すれば即逮捕されると考えなければいけない時代になったのかと思うと暗澹たる気持ちになってしまう.
興味のある方は以下へどうぞ
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/02/post_1b76.html
福島県大熊町の福島県立大野病院で2004年12月、帝王切開した女性=当時(29)=が死亡した医療ミスで、富岡署は18日、業務上過失致死と医師法違反の疑いで執刀した医師加藤克彦(かとう・かつひこ)容疑者(38)=大熊町下野上清水422ノ22=を逮捕した。
調べでは、加藤容疑者は04年12月17日、胎盤の癒着で大量出血する可能性を知りながら、十分な検査などをせず帝王切開を執刀、癒着した胎盤を無理にはがし大量出血で福島県楢葉町の女性を死亡させた疑い。
また女性の死体検案を警察署に届けなかった疑い。
加藤容疑者は容疑の一部を否認、富岡署は「事故を警察に届けておらず証拠隠滅の恐れがあった」としている。病院側は「手術直後はミスという認識はなく、届けなかった」と話している。
福島県などによると、加藤容疑者はこれまで胎盤癒着の執刀経験はなく、大野病院で産婦人科医は加藤容疑者だけで、手術にほかの産婦人科医の立ち会いもなかった。
加藤容疑者は1996年に医師免許を取得し、04年4月から産婦人科医として大野病院に勤務。04年度に大野病院で約200例の出産を手掛けるなど中堅の産婦人科医で帝王切開はうち約40例あった。
富岡署は病院関係者から当時の経緯などの事情を聴いている。
福島県は昨年3月に事故を公表。加藤容疑者の判断ミスを認め、遺族に謝罪し、昨年6月に加藤容疑者を減給1カ月の懲戒処分とし、病院長を戒告処分としている。
富岡署は県の公表で事故を知り、昨年4月に病院を家宅捜索、18日には県病院局などを捜索した。
大野病院は総合病院で1951年に開設され、病床数は150床。産婦人科に入院している妹の見舞いに来た主婦(34)は「私の出産も加藤先生だった。評判は悪くなかったが、事故後そのまま働いているのはおかしいと思った。妹が帝王切開になったらいやだと思っていた」と話した。』
胎盤癒着のリスクがわからずここで取り上げなかったのだが,その後も気になるので色々なブログや掲示板を見ていたら大変なことになっているようだ.
警察は医療ミスを隠ぺいしようとしたから逮捕したというのだろうが,これが医療ミスだという根拠こそ議論されるべきで,カルテや手術記録などの証拠保全をきちんとやればそれで済むことだったのではないだろうか.
同じ外科系の医師として自分のやっている手術でもこのような事態に陥ることは十分考えられるだけに,患者が死亡すれば即逮捕されると考えなければいけない時代になったのかと思うと暗澹たる気持ちになってしまう.
興味のある方は以下へどうぞ
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/02/post_1b76.html
コメント
ところがマスコミ語に訳すと両方とも「医療ミス」。これでは一般の方々は医師側に非難囂々ですよね。この情報過多のネット時代に警察は何を血迷って逮捕したのでしょうか?
いずれにしても慈恵医大青戸病院の事故とは全く趣を医にしています。
個人的には青戸病院の場合も刑事で有罪にするのはおかしいと思います(医師だって一応は患者を低苦痛で治そうと思ったのは事実でしょうから)が、ちょっとは野望もあったでしょう。刑事というのは100%証拠があって初めて有罪に出来るはずです。疑わしきは罰せず、ということです。