『 --「燃える氷」新潟沖に眠る 地下へ柱状100m --
「燃える氷」として、次代の燃料と注目されるメタンハイドレートが新潟県上越市沖の海底に露出し、海底の下約100メートルの地中まで柱状につながっているらしいことを東京大などのグループが見つけ、20日発表した。海底下数百メートルに分布していることが多く、日本周辺で深い場所から海底まで露出しているメタンハイドレートが見つかったのは初めてだ。
メタンハイドレートは、天然ガスの成分のメタン分子を水分子が取り囲み、シャーベット状に固まったもの。深海底下の低温・高圧の場所ででき、火をつけると燃える。東京大、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などが共同で、沖合約30キロ、水深800〜1000メートルを無人潜水艇で調べ、2カ所で採取した。
海底下の電気の流れやすさを調べ、メタンハイドレートは柱状に分布していると推定。地下深部の堆積(たいせき)岩に含まれる有機物が熱で分解され、メタンを発生し、上部に移動したメタンが集積してメタンハイドレートが生成されたらしい。
注目される一方で、メタンは温室効果をもつ。メタンハイドレートが放出するメタンガスで、付近の海水のメタン濃度は数十〜数千倍高かった。グループは、温暖化への影響も探る方針だ。』
『 --「燃える氷」実用化へ 深海資源・メタンハイドレート --
日本近海に100年分の埋蔵量があり、石油代替エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」の実用化に向け、経済産業省が本腰を入れ始めた。1月には初めて生産コストの試算をまとめ、今年末にはカナダで抽出実験に乗り出し、採掘技術を確立したうえで、10年後の実用化を目指す。生産コストが高いことがネックだったが、原油価格の急騰で採算ラインに乗る可能性が出てきたとしている。
メタンハイドレートは、メタン分子を水の分子が取り囲んでシャーベット状に固まったもの。氷に似ているが、火を付けると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれる。
穴を掘れば地上に噴き出してくる石油と異なり、固体で深海底に眠るメタンハイドレートは採掘に膨大な費用がかかるため、商業ベースには乗らないとされていた。
ただ、これまで生産コストに関する試算はなかった。このため、経産省が今年1月に初めてシミュレーションをまとめ、メタンハイドレートから抽出したガスの取引価格が1バレル当たり54〜77ドルになることが分かった。
ニューヨーク市場の原油価格は1バレル=60ドル前後で推移している。30ドル程度だった2年前に比べると、メタンハイドレートの価格競争力が増している。液化天然ガス(LNG)も1バレルあたり90ドルという契約例も出てきた。経産省幹部は「今後の価格上昇を考えれば、ついに商業ベースに乗ることが確実になった」と語る。
採掘技術も進んできた。01年のカナダでの実験では氷塊を掘り出すのではなく、掘った穴に温水を注入して解かし、分離したメタンガスを吸い取る「加熱法」による採掘に成功。今年末のカナダでの実験では、加熱法よりもコストが低い新たな「減圧法」を試す。経産省はこの実験を通じて、減圧法の採掘技術を確立したい考えだ。
ただ、日本エネルギー経済研究所の兼清賢介常務理事は「技術的には商業化はまだこれから。世界をリードしている技術の開発を粛々と進めることが肝要だ」と語る。』
エネルギー資源のない日本にとっては石油の高騰は死活問題である.北海道では今年の灯油の高騰が庶民の生活にダメージを与えており政府に備蓄石油の放出を要請したようだ.灯油のみならずガソリンの値上げもわが家の家計には少なからずダメージを与え続けている.
わが国は石油利権の争いとなったイラク戦争に自衛隊を派遣しているが,尖閣諸島問題だって中国とわが国の石油資源をめぐる冷戦と言えるだろう.中国は経済の急成長に伴いエネルギー危機を危惧して必死である.石油資源は世界の貧富の差と争いの原因であるから,石油依存からの脱却は世界平和のために意味のあることだろう.
石油への依存度を下げる代替エネルギーとして有望なメタンハイドレートがわが国の近海で発見されたことは実用化に向けて大きな弾みになるものと期待される.技術的な問題がまだあるようであるが,平和な日本のためには大切な技術であるから早く低コストで安定供給できるように頑張って欲しいと思う.
「燃える氷」として、次代の燃料と注目されるメタンハイドレートが新潟県上越市沖の海底に露出し、海底の下約100メートルの地中まで柱状につながっているらしいことを東京大などのグループが見つけ、20日発表した。海底下数百メートルに分布していることが多く、日本周辺で深い場所から海底まで露出しているメタンハイドレートが見つかったのは初めてだ。
メタンハイドレートは、天然ガスの成分のメタン分子を水分子が取り囲み、シャーベット状に固まったもの。深海底下の低温・高圧の場所ででき、火をつけると燃える。東京大、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などが共同で、沖合約30キロ、水深800〜1000メートルを無人潜水艇で調べ、2カ所で採取した。
海底下の電気の流れやすさを調べ、メタンハイドレートは柱状に分布していると推定。地下深部の堆積(たいせき)岩に含まれる有機物が熱で分解され、メタンを発生し、上部に移動したメタンが集積してメタンハイドレートが生成されたらしい。
注目される一方で、メタンは温室効果をもつ。メタンハイドレートが放出するメタンガスで、付近の海水のメタン濃度は数十〜数千倍高かった。グループは、温暖化への影響も探る方針だ。』
『 --「燃える氷」実用化へ 深海資源・メタンハイドレート --
日本近海に100年分の埋蔵量があり、石油代替エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」の実用化に向け、経済産業省が本腰を入れ始めた。1月には初めて生産コストの試算をまとめ、今年末にはカナダで抽出実験に乗り出し、採掘技術を確立したうえで、10年後の実用化を目指す。生産コストが高いことがネックだったが、原油価格の急騰で採算ラインに乗る可能性が出てきたとしている。
メタンハイドレートは、メタン分子を水の分子が取り囲んでシャーベット状に固まったもの。氷に似ているが、火を付けると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれる。
穴を掘れば地上に噴き出してくる石油と異なり、固体で深海底に眠るメタンハイドレートは採掘に膨大な費用がかかるため、商業ベースには乗らないとされていた。
ただ、これまで生産コストに関する試算はなかった。このため、経産省が今年1月に初めてシミュレーションをまとめ、メタンハイドレートから抽出したガスの取引価格が1バレル当たり54〜77ドルになることが分かった。
ニューヨーク市場の原油価格は1バレル=60ドル前後で推移している。30ドル程度だった2年前に比べると、メタンハイドレートの価格競争力が増している。液化天然ガス(LNG)も1バレルあたり90ドルという契約例も出てきた。経産省幹部は「今後の価格上昇を考えれば、ついに商業ベースに乗ることが確実になった」と語る。
採掘技術も進んできた。01年のカナダでの実験では氷塊を掘り出すのではなく、掘った穴に温水を注入して解かし、分離したメタンガスを吸い取る「加熱法」による採掘に成功。今年末のカナダでの実験では、加熱法よりもコストが低い新たな「減圧法」を試す。経産省はこの実験を通じて、減圧法の採掘技術を確立したい考えだ。
ただ、日本エネルギー経済研究所の兼清賢介常務理事は「技術的には商業化はまだこれから。世界をリードしている技術の開発を粛々と進めることが肝要だ」と語る。』
エネルギー資源のない日本にとっては石油の高騰は死活問題である.北海道では今年の灯油の高騰が庶民の生活にダメージを与えており政府に備蓄石油の放出を要請したようだ.灯油のみならずガソリンの値上げもわが家の家計には少なからずダメージを与え続けている.
わが国は石油利権の争いとなったイラク戦争に自衛隊を派遣しているが,尖閣諸島問題だって中国とわが国の石油資源をめぐる冷戦と言えるだろう.中国は経済の急成長に伴いエネルギー危機を危惧して必死である.石油資源は世界の貧富の差と争いの原因であるから,石油依存からの脱却は世界平和のために意味のあることだろう.
石油への依存度を下げる代替エネルギーとして有望なメタンハイドレートがわが国の近海で発見されたことは実用化に向けて大きな弾みになるものと期待される.技術的な問題がまだあるようであるが,平和な日本のためには大切な技術であるから早く低コストで安定供給できるように頑張って欲しいと思う.
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