『 --介護施設での医療を拡充 自民、医療改革法案了承--

 厚生労働省は7日、常時の治療を必要としない長期入院患者が多い療養病床の再編、縮小計画に関連し、こうした患者の受け皿となる老人保健施設など介護施設での医療提供を拡充する方針を、自民党厚生労働部会に示した。同部会は、この方針を付則に盛り込んだ医療制度改革関連法案を了承した。法案は、10日に閣議決定し、今国会に提出する。

 厚労省は医療制度改革で、必ずしも治療が必要ではない「社会的入院」を減らし医療費を抑制するため、療養病床(38万床)のうち、介護型(13万床)を全廃し、医療型(25万床)を4割縮減する案を示したが、自民党内で「症状によっては入る施設がなくなる老人がでる」などの反対論が出て、調整が続いていた。』

 「常時の治療を必要としない長期入院」と同程度に「介護施設での医療を拡充」という言葉はおかしい.これでは施設とか病院とかいう名称の違いはあれやっていることは同じという意味にもとれる.だからこそ自民党厚生労働部会は、この方針を付則に盛り込んだ医療制度改革関連法案を了承したのかもしれないが,実際には提供される介護のレベルも医療のレベルも低下することはあっても向上することはないだろう.朝三暮四ということばがあるが,厚生労働省の官僚は自民党厚生労働部会を猿以下と見なしているのではないだろうか.

 介護施設の医療レベルは脳外科医や神経内科医などのように特種疾患療養型病棟も診ている医師が療養型病棟も診るのに比べたらまったくお話にならないレベルである.介護施設で病状が変化すればすぐに救急車で病院に転送しているのが現実であるし,神経症状の悪化でなくとも褥瘡の予防さえもできない介護施設がたくさんあるのが実態である.わざわざ病院の療養型病床から介護施設に患者さんを移して褥瘡や嚥下性肺炎で状態を悪くする必要がどこにあるのだろうか.

 医師や看護師の必要数を減らしても看護助手を増やしたりすれば介護施設に入所させるよりもより低コストで療養することは可能でそのほうが社会全体から見ればよりコストパフォーマンスが高いはずである.健康保険を使わせたくないのなら病院に居ながらにして介護保険を使えるように制度を変えればいいのであってわざわざレベルの低い介護保険施設やグループホームに入所させるのは私が家族ならお断りである.

 厚生労働省の官僚に医師コンプレックスでもあるのか,それとも介護施設業者からなんらかの見返りがあるのかも知れないが,より安全な介護と医療サービスを提供できる病院から患者をひき離す根拠がどこにあるのだろうか,自民党厚生労働部会の方にはそういったところをもっとよく考えていただきたいのであるが,厚生労働省の官僚の方がやはり一枚も二枚も上手ということなのだろうか.

コメント

ユキ
ユキ
2006年2月8日13:31

脳外科医さま
コメント、ありがとうございました。
かなり、気持ち悪くてホントに怖いですが、どうも降格するようで、ここにいなくなるらしいので、もう少しがまんしてみようかなぁと思っています。
ちなみに、本社の常務等は知ってます。耐え切れず、言ってしまいました。。
今日も、一人で行こうとしたら、『(お昼)どこに行くの?』としつこく聞かれ、付いてこられそうになりましたが、逃げ切れました。
ご心配をおかけしました。ありがとうございました。
グチグチとごめんなさい。

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