『--のど病気の女児拒否は違法 市に保育園受け入れ義務
 父親「春が来た」と笑顔--

 のどの病気に対応できないことを理由に入園を拒否したのは不当として、東京都東大和市の青木鈴花(あおき・すずか)ちゃん(5)と両親が、同市に認可保育園への入園を仮に義務付けることを求めた申し立てで、東京地裁は26日までに申し立てを認める決定をした。市は入園を認める方針。

 決定を受けて、鈴花ちゃんらが会見。父親の繁宜(しげよし)さん(40)に「保育園に行ったら何がしたい」と聞かれ、鈴花ちゃんは「積み木で遊ぶ」と笑顔で話した。繁宜さんも「一足早くわが家に春が来た。一日でも早く入園させたい」と喜んだ。

 仮の義務付けは裁判所が緊急性のある処分を行政側に義務付けることができる制度で、2005年施行の改正行政事件訴訟法に盛り込まれた。

 決定理由で菅野博之(かんの・ひろゆき)裁判長は「障害は成長につれて改善されている。普通の保育園での保育は可能」と判断。入園を認めなかった市の処分は違法とした。

 鈴花ちゃんは気管の病気のため、のどに気管チューブを装着し、定期的にたんを吸引する必要がある。たんの吸引は自分でできるため、認可保育園への入園を希望したが、市は吸引が医療行為に該当し、対応できないとして、昨年、2回にわたり入園を断った。

 鈴花ちゃんは03年6月から障害のある子供が通う療育施設に通っており、来春には小学校に通う予定。』

 医療業界用語で「サクション」と言っている喀痰の吸引除去は口腔(こうくう)や鼻腔(びくう)経由で気管内の喀痰を吸引するには確かに技術を要する.しかし,気管切開され気管チューブが装着されていればそれほど難しいものではなく何回か指導を受ければ家族でも可能なものだと思う.

 在宅介護の現場でも以前は医師や看護師または家族しかできなかったが,現在では規制が緩和され介護スタッフもできるようになっているはずである.だから,普通の保育園でもこれくらいのことは可能と考えるのは妥当なことだと思う.

 ただ,勘違いしてはいけないと思うこともある.喀痰の吸引ができるということと何かトラブルが起きたときに対応できるかということは別だということを保育園と親の双方がちゃんと理解しているかということである.たとえば気管チューブが抜けてしまった時にはどうするのであろうか.万が一のことを考えると保育園にも医療スタッフが必要だろう.

 財政危機がすべての原因なのかはわからないが,最近,社会的な弱者への風当たりが強くなっているような気がする.勝ち組,負け組という言葉で煽られているが,よく考えればほとんどの人は負け組なのではないだろうか.勝ち組になろうと不正まで働いて躍起になっても所詮人間に変わりはないのである.自分がいつ障害を持つ身になっても安心な「やさしい社会」をつくるのが大切なのではないだろうか.

コメント

フローレン
2006年1月30日19:18

なんらかの障害を理由に入園を拒否された方はたくさんいると思います。このような報道がされるのは、とても良いことですよね。やさしい社会は少子化をストップできるのではないでしょうか。子供たちのきらきらとした目を濁らせない社会づくりは大人達の責任ですよね。

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索