かくれ脳梗塞って何?
2005年12月7日 医療の問題 コメント (2)『実は、「足のしびれ」や「力がはいらない」などの症状は、脳梗塞の前触れである、かくれ脳梗塞の典型的な症状なのです。「かくれ脳梗塞」とは、脳の血管全てが塞がってしまうわけではなく、一部分だけが塞がっていて血流が少なくなっている状態、あるいは、一度血管を塞いだ血栓が、血圧などの影響により、移動した状態のことを指します。』
『・朝起きたとき、手足がシビレて感覚が鈍くなっている。
・めまいがして天井がぐるぐる回る。
・ろれつが回らなかったり、
・食事中に箸を落としたりする・・・・。
こんな症状が見られると、「無症候性脳梗塞」の可能性がある。
脳梗塞の初期段階で、隠れ脳梗塞の正式名称だ。』
『専門語でいうと一過性脳虚血発作(TIA)のことです。脳梗塞といえば脳の血管がつまってその血管で栄養を送られている脳細胞が壊れてしまうことによって手足の麻痺、言語障害などが起こる病気です。では、「かくれ脳梗塞」はどんな状態かというと、脳の血管全てが塞がってしまうわけではなく一部分だけが塞がっていて、血流が少なくなっている状態、あるいは、一度血管を塞いだ血栓が血圧などの影響により移動した状態のことをいいます。 』
『隠れ脳梗塞は小さな梗塞が徐々に増え本当に脳梗塞になる一歩手前の状態だ。確実な発見法は脳ドックでの検査。自覚症状が無くても、MRI検査で脳の血管に直径2〜3mmの地位SAS名梗塞が数ヶ所見つかる場合もあるという。早い段階で見つかれば薬物治療も効果を増す。塩酸チクロピジンなど抗血小板薬の服用や運動療法などを適切に組み合わせれば約85%は再発を防げ、重い脳梗塞に進行する可能性も小さい。』
外来に来る患者さんたちがテレビでやっていたという「かくれ脳梗塞」についてGoogleで調べてみた.読んでみても脳梗塞の病態が混同されていて本当はどの病態のことをさすのか理解できなかった.こんな話をテレビで聞いていったい何をわかったつもりになっているのだろうか.
いろいろ読んでみると「かくれ脳梗塞」というのは脳梗塞にはなっていないが将来において脳梗塞になる可能性のある状態の総称のようであると思われる.だから無症候性脳梗塞や一過性脳虚血発作や心原性塞栓症といった病態が説明の中にとりあげられているのだろう.そういう意味ではどの説明も部分的に正しいともいえるがすべて不十分であるともいえるのではないだろうか.
患者さんたちはこれら説明のうち自分に該当するものだけを勝手に「かくれ脳梗塞」の症状だと思って外来にやってくるのであろう.かくして外来には「頭が心配で」やってくる患者さんが後を絶たない.まあ,ほとんどの人はまったく異常がないかびまん性白質病変なわけで,無症候性梗塞やラクナ梗塞の患者というものはそれほど見つかるものではない.
これが脳ドックとしての受診なら自費なので問題ないが,「かくれ脳梗塞」のまえぶれ症状で受診されると健康保険をつかわれることになるのである.病院勤務の私としてはいずれも大事なお客様であるが,時間と医療資源の無駄使いをしているような気がしないでもない.健康な老人の不安を煽る健康番組の真意は健康保険の破綻であろうか,それとも外来を忙しくして医者を困らせることなのであろうか.
診療報酬が引き下げられるということは診療単価が下がるということだが,こんな「かくれ脳梗塞」の患者様のお相手をして外来の薄利多売をやらなければ病院が潰れるというのなら皆保険制度などいらないと思うのは私だけだろうか.皆保険制度を維持するつもりなら「かくれ脳梗塞」のお客様は是非「脳ドック」で受診されることをおすすめしたい.
誤解のないように書いておきますが,上の引用文の内容は不正確ですので信用なさらないように.ちなみに「無症候性脳梗塞患者では高血圧の管理が推奨される(グレードB)」ですから研修医の方々はパナルジン投与などしないように..(老婆心?)
『・朝起きたとき、手足がシビレて感覚が鈍くなっている。
・めまいがして天井がぐるぐる回る。
・ろれつが回らなかったり、
・食事中に箸を落としたりする・・・・。
こんな症状が見られると、「無症候性脳梗塞」の可能性がある。
脳梗塞の初期段階で、隠れ脳梗塞の正式名称だ。』
『専門語でいうと一過性脳虚血発作(TIA)のことです。脳梗塞といえば脳の血管がつまってその血管で栄養を送られている脳細胞が壊れてしまうことによって手足の麻痺、言語障害などが起こる病気です。では、「かくれ脳梗塞」はどんな状態かというと、脳の血管全てが塞がってしまうわけではなく一部分だけが塞がっていて、血流が少なくなっている状態、あるいは、一度血管を塞いだ血栓が血圧などの影響により移動した状態のことをいいます。 』
『隠れ脳梗塞は小さな梗塞が徐々に増え本当に脳梗塞になる一歩手前の状態だ。確実な発見法は脳ドックでの検査。自覚症状が無くても、MRI検査で脳の血管に直径2〜3mmの地位SAS名梗塞が数ヶ所見つかる場合もあるという。早い段階で見つかれば薬物治療も効果を増す。塩酸チクロピジンなど抗血小板薬の服用や運動療法などを適切に組み合わせれば約85%は再発を防げ、重い脳梗塞に進行する可能性も小さい。』
外来に来る患者さんたちがテレビでやっていたという「かくれ脳梗塞」についてGoogleで調べてみた.読んでみても脳梗塞の病態が混同されていて本当はどの病態のことをさすのか理解できなかった.こんな話をテレビで聞いていったい何をわかったつもりになっているのだろうか.
いろいろ読んでみると「かくれ脳梗塞」というのは脳梗塞にはなっていないが将来において脳梗塞になる可能性のある状態の総称のようであると思われる.だから無症候性脳梗塞や一過性脳虚血発作や心原性塞栓症といった病態が説明の中にとりあげられているのだろう.そういう意味ではどの説明も部分的に正しいともいえるがすべて不十分であるともいえるのではないだろうか.
患者さんたちはこれら説明のうち自分に該当するものだけを勝手に「かくれ脳梗塞」の症状だと思って外来にやってくるのであろう.かくして外来には「頭が心配で」やってくる患者さんが後を絶たない.まあ,ほとんどの人はまったく異常がないかびまん性白質病変なわけで,無症候性梗塞やラクナ梗塞の患者というものはそれほど見つかるものではない.
これが脳ドックとしての受診なら自費なので問題ないが,「かくれ脳梗塞」のまえぶれ症状で受診されると健康保険をつかわれることになるのである.病院勤務の私としてはいずれも大事なお客様であるが,時間と医療資源の無駄使いをしているような気がしないでもない.健康な老人の不安を煽る健康番組の真意は健康保険の破綻であろうか,それとも外来を忙しくして医者を困らせることなのであろうか.
診療報酬が引き下げられるということは診療単価が下がるということだが,こんな「かくれ脳梗塞」の患者様のお相手をして外来の薄利多売をやらなければ病院が潰れるというのなら皆保険制度などいらないと思うのは私だけだろうか.皆保険制度を維持するつもりなら「かくれ脳梗塞」のお客様は是非「脳ドック」で受診されることをおすすめしたい.
誤解のないように書いておきますが,上の引用文の内容は不正確ですので信用なさらないように.ちなみに「無症候性脳梗塞患者では高血圧の管理が推奨される(グレードB)」ですから研修医の方々はパナルジン投与などしないように..(老婆心?)
コメント
混むだろうなぁ、と思ってしまいます。ちなみに、ウチでは
「たけしの〜」がクイズ番組と化しています。(苦笑)
「たけしの〜」とか「おもいっきり」とか「あるある」とか
その手の番組で取り上げられたものは
次の日の外来に多大な影響を与えますよね。
救外にまで及ぶから困ります。
ディメンツのおば〜ちゃん連れてきて、Cr-SDHじゃないか
opeしてくれと譲らない家族....。
ただでさえ多忙な外来が滞ります....。
あの手の番組は見てると「そりゃないだろ〜」って思うことも多くて
笑えるんですけど、やっぱりちょっと迷惑ですよね。