『--国交省、開発3社を聴取 居住者への補償など 耐震偽装--
首都圏のマンションなどの耐震性偽装問題で、国土交通省は25日、マンションの開発会社シノケン(福岡市)の常務から、居住者への補償などについて事情聴取をした。ヒューザー(東京都千代田区)とサン中央ホーム(千葉県船橋市)の両社長からも同日中に事情を聴く。また、構造計算書を偽造していた姉歯秀次1級建築士(48)が、国交省などに対し、施工会社幹部が、開発会社の意向を根拠に無理な設計を求めたと説明していたこともわかった。
この日午前の記者会見で北側国交相は、「建築主、売り主は瑕疵(かし)担保責任を居住者に負っている。本日中にも3社の代表者を呼び、ヒアリングしたい」と述べた。
3社は書類が偽造されたうち複数のマンションを手がけており、住宅品質確保促進法に基づく欠陥住宅の売り主の顧客に対する賠償責任について、契約解除や建て替え、転居費用負担などの対応方法を尋ねる。
一方、姉歯建築士は「最も厳しいコスト削減を求めてきたのは施工会社の支店長で、『開発会社(建築主)の意向だ』と言われた」と、圧力がかかった構図を会社名を挙げて国土交通省などに詳細に説明していた。
姉歯建築士には、これまで千葉県が4回、国交省が24日の聴聞会で、それぞれ事情を聴いている。建築士は、国交省の聴聞会で鉄筋の量を減らすよう大口受注先から圧力がかかったなどと説明、関係者によると、木村建設(熊本県八代市)、ヒューザーなどの3社の名前を挙げた。
建築士はこれまでの調べに、「施工会社の支店長から『開発会社から建築費を坪単価40万円以下にするように言われたので、鉄筋の量を減らしてくれ』と言われた」と説明していることも新たに分かった。
開発会社は、建築士への「圧力」について直接の指示を否定。施工会社も、鉄筋の量を減らすように指示したとの疑いを否定している。
専門家によると、鉄筋コンクリートのマンションで坪単価40万円以下の建築費は「不可能ではないが相当に安い。知恵を絞るか、無理をしないとできない」という。』
「施工会社の支店長から『開発会社から建築費を坪単価40万円以下にするように言われたので、鉄筋の量を減らしてくれ』と言われた」というのが事実であるとすれば,背後にもっと悪いヤツがいるということであろう.が,ことは人命にかかわることだけにそれを引き受けてしまった姉歯建築士にはプロとしての誇りはなかったのだろうか.
もっとも現在の建設業界には不景気の波を乗り切るにはこれくらい危険スレスレでやらなければならない危機感でもあるのだろうか.素人の私から見ると建築物の手抜き工事などは形として長い期間残るものだからバレるリスクが高いと思うのだがどうなのだろうか.いずれバレると思ったら枕を高くして眠れないだろうからあまり割に合う行為ではないだろう.
医療の分野でも架空診療は論外として過剰な検査や過剰な治療というものは存在するだろう.一番多いのは満床策である.外来でできる検査なのにとにかく入院させるとか,とりあえず検査のために入院というのがよくあるパターンである.脳神経外科の病院でも昔は脳血管造影検査というものを1泊入院でよくやっていた.
先日,脳梗塞の患者にこの検査をやって症状を悪化させ訴えられていたが,昔は症状のまったくない患者を入院させてこの検査をやっていたのだから今から考えると恐い話である.最近はMRAがあるのでこのような危険な検査は私はほとんどやらなくなった.でも,聞くところによると病院の収益のためや血管内治療の専門医の資格のために積極的にこの検査をやる病院もあるようである.
手術の適応というものもある.最近では脳卒中治療に関してもガイドラインがあるのであまり無茶なことをする脳外科医は減ったと思う.しかし,このガイドラインにも担当医の裁量範囲内で選択されるものがあるのだが,これをいつも手術適応ありとする脳外科医もまだいるようだ.これも病院の収益のためであったり,研修医の技術向上のためであったりするのだろう.
私の研修医時代には検査や治療については上司がやれといったらやらなくてはならないものだった.それに意見を言っても無視されるか他の医師に手術をさせるだけというのが一般的だった.これからの時代は医師は事故を避けたいから無理はしないだろうが,病院の経営者側は病院の収益という圧力を今後も医師にかけ続けるだろう.診療報酬を減らすとその圧力はさらに高まることが予想される.医療事故を起した医師がその検査や手術を病院側の圧力でやったと弁明するようなことが起きなければいいのだが...
首都圏のマンションなどの耐震性偽装問題で、国土交通省は25日、マンションの開発会社シノケン(福岡市)の常務から、居住者への補償などについて事情聴取をした。ヒューザー(東京都千代田区)とサン中央ホーム(千葉県船橋市)の両社長からも同日中に事情を聴く。また、構造計算書を偽造していた姉歯秀次1級建築士(48)が、国交省などに対し、施工会社幹部が、開発会社の意向を根拠に無理な設計を求めたと説明していたこともわかった。
この日午前の記者会見で北側国交相は、「建築主、売り主は瑕疵(かし)担保責任を居住者に負っている。本日中にも3社の代表者を呼び、ヒアリングしたい」と述べた。
3社は書類が偽造されたうち複数のマンションを手がけており、住宅品質確保促進法に基づく欠陥住宅の売り主の顧客に対する賠償責任について、契約解除や建て替え、転居費用負担などの対応方法を尋ねる。
一方、姉歯建築士は「最も厳しいコスト削減を求めてきたのは施工会社の支店長で、『開発会社(建築主)の意向だ』と言われた」と、圧力がかかった構図を会社名を挙げて国土交通省などに詳細に説明していた。
姉歯建築士には、これまで千葉県が4回、国交省が24日の聴聞会で、それぞれ事情を聴いている。建築士は、国交省の聴聞会で鉄筋の量を減らすよう大口受注先から圧力がかかったなどと説明、関係者によると、木村建設(熊本県八代市)、ヒューザーなどの3社の名前を挙げた。
建築士はこれまでの調べに、「施工会社の支店長から『開発会社から建築費を坪単価40万円以下にするように言われたので、鉄筋の量を減らしてくれ』と言われた」と説明していることも新たに分かった。
開発会社は、建築士への「圧力」について直接の指示を否定。施工会社も、鉄筋の量を減らすように指示したとの疑いを否定している。
専門家によると、鉄筋コンクリートのマンションで坪単価40万円以下の建築費は「不可能ではないが相当に安い。知恵を絞るか、無理をしないとできない」という。』
「施工会社の支店長から『開発会社から建築費を坪単価40万円以下にするように言われたので、鉄筋の量を減らしてくれ』と言われた」というのが事実であるとすれば,背後にもっと悪いヤツがいるということであろう.が,ことは人命にかかわることだけにそれを引き受けてしまった姉歯建築士にはプロとしての誇りはなかったのだろうか.
もっとも現在の建設業界には不景気の波を乗り切るにはこれくらい危険スレスレでやらなければならない危機感でもあるのだろうか.素人の私から見ると建築物の手抜き工事などは形として長い期間残るものだからバレるリスクが高いと思うのだがどうなのだろうか.いずれバレると思ったら枕を高くして眠れないだろうからあまり割に合う行為ではないだろう.
医療の分野でも架空診療は論外として過剰な検査や過剰な治療というものは存在するだろう.一番多いのは満床策である.外来でできる検査なのにとにかく入院させるとか,とりあえず検査のために入院というのがよくあるパターンである.脳神経外科の病院でも昔は脳血管造影検査というものを1泊入院でよくやっていた.
先日,脳梗塞の患者にこの検査をやって症状を悪化させ訴えられていたが,昔は症状のまったくない患者を入院させてこの検査をやっていたのだから今から考えると恐い話である.最近はMRAがあるのでこのような危険な検査は私はほとんどやらなくなった.でも,聞くところによると病院の収益のためや血管内治療の専門医の資格のために積極的にこの検査をやる病院もあるようである.
手術の適応というものもある.最近では脳卒中治療に関してもガイドラインがあるのであまり無茶なことをする脳外科医は減ったと思う.しかし,このガイドラインにも担当医の裁量範囲内で選択されるものがあるのだが,これをいつも手術適応ありとする脳外科医もまだいるようだ.これも病院の収益のためであったり,研修医の技術向上のためであったりするのだろう.
私の研修医時代には検査や治療については上司がやれといったらやらなくてはならないものだった.それに意見を言っても無視されるか他の医師に手術をさせるだけというのが一般的だった.これからの時代は医師は事故を避けたいから無理はしないだろうが,病院の経営者側は病院の収益という圧力を今後も医師にかけ続けるだろう.診療報酬を減らすとその圧力はさらに高まることが予想される.医療事故を起した医師がその検査や手術を病院側の圧力でやったと弁明するようなことが起きなければいいのだが...
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