国民の健康より大事なものは?
2005年11月24日 医療の問題『--5000億円規模の削減を 社会保障費の自然増圧縮 財務省、医療費抑制迫る--
財務省は24日、来年度予算で社会保障関係費の8000億円の自然増を5000億円規模で圧縮する方針を明らかにした。8月の概算要求基準(シーリング)では、自然増の圧縮幅を2200億円とすることで閣議了解していたが、削減幅を大幅に拡大する。
谷垣禎一財務相は同日、政府・与党医療改革協議会で「医療制度改革と診療報酬の引き下げで、医療費の相当大胆な切り込みが必要だ」と述べ、医療費の厳しい抑制が必要との考えを表明した。
さらに財務相は「首相から指示のあったように新規国債発行を30兆円に近づけるためには、歳入だけでなく、歳出も削減し、社会保障や地方交付税の相当な切り込みが必要」と説明した。
財務相は協議会で、70歳以上の高齢者の自己負担の引き上げや、外来診療1回ごとにかかった医療費のうち500円を自己負担とする保険免責制の導入などの実現を強く求めた。』
医師というものは「命より大切なものはない」という言葉を半分信用していないが,残り半分を守るために働いているようなものではないだろうか.どの程度に生命を大切と考えるかは医師の個人差があるであろうが,臨床医を長くやっていていろんな患者や家族を経験すればこの言葉を100%信じてやっていくことのできる医師はほとんどいないだろう.
しかし,このような社会保障関係費削減の議論を聞くと,ただお金がないというだけでそこには金額以外は自分たちには関係ないという無責任な姿勢が垣間見える.どうやら,今の政府には「命より大切なものはない」という倫理はすでに無いものと思われる.これに患者の個人負担が増えると選挙の時に困る国会議員と医師たたきをしたいマスコミが相乗りすると診療報酬を減らせという話になるのだろうか.
だが,厚生労働省の病院ベッドの削減もあり公立病院は言うにおよばず病院はどこも経営上非常に厳しい状態である.だからベッドも満床で回転も速くしなければならない.要するに余裕がない状態なのである.地方では医師の数も少ない.さて,ここに災害や鳥インフルエンザなどの感染症の流行が起きるとどうなるのであろうか.
特に鳥インフルエンザに関するタミフルの備蓄や感染流行時の対策についてはすでに国と地方自治体そして医療機関の連携はまったくなっていないようである.こんなことで国民の健康はだれが守るのであろうか.もし例によって何の策もなく現場だけが頑張ることを期待しているのであれば国民の生命という大きな代償を払うことになるのではないだろうか.
財務省は24日、来年度予算で社会保障関係費の8000億円の自然増を5000億円規模で圧縮する方針を明らかにした。8月の概算要求基準(シーリング)では、自然増の圧縮幅を2200億円とすることで閣議了解していたが、削減幅を大幅に拡大する。
谷垣禎一財務相は同日、政府・与党医療改革協議会で「医療制度改革と診療報酬の引き下げで、医療費の相当大胆な切り込みが必要だ」と述べ、医療費の厳しい抑制が必要との考えを表明した。
さらに財務相は「首相から指示のあったように新規国債発行を30兆円に近づけるためには、歳入だけでなく、歳出も削減し、社会保障や地方交付税の相当な切り込みが必要」と説明した。
財務相は協議会で、70歳以上の高齢者の自己負担の引き上げや、外来診療1回ごとにかかった医療費のうち500円を自己負担とする保険免責制の導入などの実現を強く求めた。』
医師というものは「命より大切なものはない」という言葉を半分信用していないが,残り半分を守るために働いているようなものではないだろうか.どの程度に生命を大切と考えるかは医師の個人差があるであろうが,臨床医を長くやっていていろんな患者や家族を経験すればこの言葉を100%信じてやっていくことのできる医師はほとんどいないだろう.
しかし,このような社会保障関係費削減の議論を聞くと,ただお金がないというだけでそこには金額以外は自分たちには関係ないという無責任な姿勢が垣間見える.どうやら,今の政府には「命より大切なものはない」という倫理はすでに無いものと思われる.これに患者の個人負担が増えると選挙の時に困る国会議員と医師たたきをしたいマスコミが相乗りすると診療報酬を減らせという話になるのだろうか.
だが,厚生労働省の病院ベッドの削減もあり公立病院は言うにおよばず病院はどこも経営上非常に厳しい状態である.だからベッドも満床で回転も速くしなければならない.要するに余裕がない状態なのである.地方では医師の数も少ない.さて,ここに災害や鳥インフルエンザなどの感染症の流行が起きるとどうなるのであろうか.
特に鳥インフルエンザに関するタミフルの備蓄や感染流行時の対策についてはすでに国と地方自治体そして医療機関の連携はまったくなっていないようである.こんなことで国民の健康はだれが守るのであろうか.もし例によって何の策もなく現場だけが頑張ることを期待しているのであれば国民の生命という大きな代償を払うことになるのではないだろうか.
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