必ずしも必要でない医療
2005年11月12日 医療の問題『--「病院のサロン化」排除 過剰外来診療で厚労省方針--
厚生労働省は10日、来年度の診療報酬改定に向け、「病院がサロン化している」と指摘される要因となっている過剰な外来診療を減らし、医療費の無駄遣いを排除するとした基本方針のたたき台を、社会保障審議会医療保険部会に示した。年内に基本方針を取りまとめ、中央社会保険医療協議会(中医協)が年明けから個別の診療行為の診療報酬を検討する際の指針とする。
現行制度では、外来診療の回数については、回数制限が定められているものを除き、個別の症例ごとに判断することになっている。しかし、明確な基準がないため「必要がないのに話し相手を求めて血圧だけ測りに行く人がいる」など、不必要な通院を指摘する声があり、こうした診療を抑制できるような評価方法を検討する。
また、コンタクトレンズ販売店に併設されている眼科で、眼科の専門医でない医師などが必要のない検査を行い、診療報酬を請求するなど不適切な事例が指摘されていることから、こうした請求の排除も検討対象とする。
さらに、乳がんで失った乳房の再生など、必ずしも必要ではなく患者の選択による医療については、保険診療と自由診療を併用する混合診療の仕組みを積極的に活用し、公的医療保険の給付費は必要な医療に集中させることも提案している。』
必ずしも必要ではないことにお金をかけることを贅沢という.日本の医療はそういう意味では非常に贅沢な医療だと思う.
さすがに「必要がないのに話し相手を求めて血圧だけ測りに行く人」などというのは診たことがないが,外来でもこんなので病院にかかる必要があるのかという患者が実際には多い.それでも検査しないと不満顔だし,検査しないで万が一他の病院で異常が見つかっても困るからとせっせと検査することになる.
手術も未破裂動脈瘤のように予防的治療は破裂するかしないかわからないわけだから全例手術すれば経済効率が悪いのは当たり前である.本来は医療は経済効率を追及するものではないとは思うが,現在の政府の医療改革や社会保障予算の見直しというのは国の財政負担を減らすという一点張りなことは明らかである.
厚生労働省の医療費の増大の見積もりも過大評価という意見もあり,どうも財政難の解決のために医療費増大による財政破綻という題目で危機感を煽っているような気がする.そして,診療報酬の切り下げや患者の負担増,身体障害者福祉や生活保護といった社会保障全体の低下を国民に納得させるために医師の給与や医療事故など医師や病院のバッシングに作用する報道が利用されているようにも思われる.
マスコミはまったく無責任なもので報道につられて騒ぎが起きることが利益につながるのか,無責任な報道が引き起こす社会の混乱になど注意を払っているとは思えない.報道が誤っていたからといって謝罪文を載せることすらまれであることがそれを示している.幸いインターネットの普及によって問題意識を持てばネットで情報を探せる時代になった.若い世代の医師は医療も情報戦になっていることをすでに理解している.大学病院に研修医が行かなくなったことがいい例だろう.
本題に戻るが,「必ずしも必要でない医療」などというものがあるならそれは民間の保険にまかせて健康保険からはさっさと切り離すのがいいだろう.国民健康保険制度そのものが市場原理を妨げているのだから,自由診療にすることによって治療費は適正なものになることだろう.それがつまりは民営化である.
そして医療福祉行政全般にわたって税金の無駄使いをなくす最良の方法は厚生労働省の民営化だと思うのだがどうだろうか.
厚生労働省は10日、来年度の診療報酬改定に向け、「病院がサロン化している」と指摘される要因となっている過剰な外来診療を減らし、医療費の無駄遣いを排除するとした基本方針のたたき台を、社会保障審議会医療保険部会に示した。年内に基本方針を取りまとめ、中央社会保険医療協議会(中医協)が年明けから個別の診療行為の診療報酬を検討する際の指針とする。
現行制度では、外来診療の回数については、回数制限が定められているものを除き、個別の症例ごとに判断することになっている。しかし、明確な基準がないため「必要がないのに話し相手を求めて血圧だけ測りに行く人がいる」など、不必要な通院を指摘する声があり、こうした診療を抑制できるような評価方法を検討する。
また、コンタクトレンズ販売店に併設されている眼科で、眼科の専門医でない医師などが必要のない検査を行い、診療報酬を請求するなど不適切な事例が指摘されていることから、こうした請求の排除も検討対象とする。
さらに、乳がんで失った乳房の再生など、必ずしも必要ではなく患者の選択による医療については、保険診療と自由診療を併用する混合診療の仕組みを積極的に活用し、公的医療保険の給付費は必要な医療に集中させることも提案している。』
必ずしも必要ではないことにお金をかけることを贅沢という.日本の医療はそういう意味では非常に贅沢な医療だと思う.
さすがに「必要がないのに話し相手を求めて血圧だけ測りに行く人」などというのは診たことがないが,外来でもこんなので病院にかかる必要があるのかという患者が実際には多い.それでも検査しないと不満顔だし,検査しないで万が一他の病院で異常が見つかっても困るからとせっせと検査することになる.
手術も未破裂動脈瘤のように予防的治療は破裂するかしないかわからないわけだから全例手術すれば経済効率が悪いのは当たり前である.本来は医療は経済効率を追及するものではないとは思うが,現在の政府の医療改革や社会保障予算の見直しというのは国の財政負担を減らすという一点張りなことは明らかである.
厚生労働省の医療費の増大の見積もりも過大評価という意見もあり,どうも財政難の解決のために医療費増大による財政破綻という題目で危機感を煽っているような気がする.そして,診療報酬の切り下げや患者の負担増,身体障害者福祉や生活保護といった社会保障全体の低下を国民に納得させるために医師の給与や医療事故など医師や病院のバッシングに作用する報道が利用されているようにも思われる.
マスコミはまったく無責任なもので報道につられて騒ぎが起きることが利益につながるのか,無責任な報道が引き起こす社会の混乱になど注意を払っているとは思えない.報道が誤っていたからといって謝罪文を載せることすらまれであることがそれを示している.幸いインターネットの普及によって問題意識を持てばネットで情報を探せる時代になった.若い世代の医師は医療も情報戦になっていることをすでに理解している.大学病院に研修医が行かなくなったことがいい例だろう.
本題に戻るが,「必ずしも必要でない医療」などというものがあるならそれは民間の保険にまかせて健康保険からはさっさと切り離すのがいいだろう.国民健康保険制度そのものが市場原理を妨げているのだから,自由診療にすることによって治療費は適正なものになることだろう.それがつまりは民営化である.
そして医療福祉行政全般にわたって税金の無駄使いをなくす最良の方法は厚生労働省の民営化だと思うのだがどうだろうか.
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