『--開業医黒字、月228万円 国公立病院は大幅赤字05年医療経済実態調査--
厚生労働省が2日、中央社会保険医療協議会(中医協)に提出した医療経済実態調査(今年6月調査、速報値)によると、収入から経費を差し引いた1カ月の開業医の収支は228万円の黒字だった。民間病院が264万円の黒字、国公立病院は233万円の赤字だった。
調査は医療機関の経営状況を調べ、公的保険から医療機関に支払われる診療報酬改定の基礎資料となるもので、次回の2006年度改定に反映される。将来の医療費抑制を強く求めている経済財政諮問会議の民間議員らは診療報酬水準は高すぎるとして、引き下げを要求しており、今後の医療制度改革議論に大きく影響しそうだ。
収支の黒字は、ここから設備費用などに充てられることもあり、開業医の純益とは必ずしも一致しない。
04年度の前回改定では医師の技術料など報酬本体は据え置き、薬価などが1%引き下げられたため、開業医(ベッド数19床以下の診療所含む)は、外来が減るなど収入は減ったものの、薬価引き下げで医薬品費も減少、黒字は前回の03年度調査と比べ0・9%増となった。
民間病院は入院収入が13・1%増、外来が6・1%増などとなり、収入は10・9%増。延べ入院日数や患者数の増加が収入を押し上げたとみられる。一方、支出は医薬品費が5・5%増に抑えられたため10・6%増にとどまった。黒字額は、報酬本体が初の引き下げとなった02年度改定の影響を受けた03年度調査と比べ、81・1%増となった。
一方、国公立病院は支出に占める給与費の割合が53・6%と民間病院より2・9ポイント高く、その他の経費も大きく増え、赤字は2.8倍に膨らんだ。
診療報酬をめぐっては、経済財政諮問会議の民間議員や財務省が大幅な引き下げを主張。これに対し、日本医師会は「医療の質が落ちる」として、逆に3%程度の引き上げを求めている。』
開業医や民間病院の収支が赤字では病院は潰れてしまう.だから黒字があたりまえ.病院の地域格差などを考えると多少黒字になるくらいの安全マージンがないと危ないだろう.
それより問題は国公立病院の赤字である.「支出に占める給与費の割合が53・6%と民間病院より2・9ポイント高く、その他の経費も大きく増え、赤字は2.8倍に膨らんだ。」とあるが,医師の給与は開業医に比べると非常に低水準である.それなのに給与費や経費がかかるということは事務職員などの給与がかかりすぎと考えていいだろう.
実際に国公立病院に勤務した医師ならわかると思うが,こういう病院にはたいした仕事もしないのに役職名のある事務員が多いのである.これは高給で仕事をしない公務員が多いことにほかならない.その一方で医師や看護師は不足しているのが実態である.すなわち,お金を稼ぐ人より無駄に使う人の方が多いのが国公立病院である.
個人病院で「黒字額は、報酬本体が初の引き下げとなった02年度改定の影響を受けた03年度調査と比べ、81・1%増となった。」のは,報酬本体の引き下げによる危機感から増収策をとった結果であろう.減収を恐れるあまり増収に走るという過剰反応が引き起こした結果だろう.
こう考えると病院が黒字だから診療報酬を減らすとどうなるかが見えてくるだろう.すなわち,国公立病院ではさらなる赤字の増大と医師の引き上げの加速.個人病院はさらに経営の効率化と収益率の増加である.この国の医療が崩壊したとしてもそれは医師や病院のせいではないと思うのだがどうだろうか.
厚生労働省が2日、中央社会保険医療協議会(中医協)に提出した医療経済実態調査(今年6月調査、速報値)によると、収入から経費を差し引いた1カ月の開業医の収支は228万円の黒字だった。民間病院が264万円の黒字、国公立病院は233万円の赤字だった。
調査は医療機関の経営状況を調べ、公的保険から医療機関に支払われる診療報酬改定の基礎資料となるもので、次回の2006年度改定に反映される。将来の医療費抑制を強く求めている経済財政諮問会議の民間議員らは診療報酬水準は高すぎるとして、引き下げを要求しており、今後の医療制度改革議論に大きく影響しそうだ。
収支の黒字は、ここから設備費用などに充てられることもあり、開業医の純益とは必ずしも一致しない。
04年度の前回改定では医師の技術料など報酬本体は据え置き、薬価などが1%引き下げられたため、開業医(ベッド数19床以下の診療所含む)は、外来が減るなど収入は減ったものの、薬価引き下げで医薬品費も減少、黒字は前回の03年度調査と比べ0・9%増となった。
民間病院は入院収入が13・1%増、外来が6・1%増などとなり、収入は10・9%増。延べ入院日数や患者数の増加が収入を押し上げたとみられる。一方、支出は医薬品費が5・5%増に抑えられたため10・6%増にとどまった。黒字額は、報酬本体が初の引き下げとなった02年度改定の影響を受けた03年度調査と比べ、81・1%増となった。
一方、国公立病院は支出に占める給与費の割合が53・6%と民間病院より2・9ポイント高く、その他の経費も大きく増え、赤字は2.8倍に膨らんだ。
診療報酬をめぐっては、経済財政諮問会議の民間議員や財務省が大幅な引き下げを主張。これに対し、日本医師会は「医療の質が落ちる」として、逆に3%程度の引き上げを求めている。』
開業医や民間病院の収支が赤字では病院は潰れてしまう.だから黒字があたりまえ.病院の地域格差などを考えると多少黒字になるくらいの安全マージンがないと危ないだろう.
それより問題は国公立病院の赤字である.「支出に占める給与費の割合が53・6%と民間病院より2・9ポイント高く、その他の経費も大きく増え、赤字は2.8倍に膨らんだ。」とあるが,医師の給与は開業医に比べると非常に低水準である.それなのに給与費や経費がかかるということは事務職員などの給与がかかりすぎと考えていいだろう.
実際に国公立病院に勤務した医師ならわかると思うが,こういう病院にはたいした仕事もしないのに役職名のある事務員が多いのである.これは高給で仕事をしない公務員が多いことにほかならない.その一方で医師や看護師は不足しているのが実態である.すなわち,お金を稼ぐ人より無駄に使う人の方が多いのが国公立病院である.
個人病院で「黒字額は、報酬本体が初の引き下げとなった02年度改定の影響を受けた03年度調査と比べ、81・1%増となった。」のは,報酬本体の引き下げによる危機感から増収策をとった結果であろう.減収を恐れるあまり増収に走るという過剰反応が引き起こした結果だろう.
こう考えると病院が黒字だから診療報酬を減らすとどうなるかが見えてくるだろう.すなわち,国公立病院ではさらなる赤字の増大と医師の引き上げの加速.個人病院はさらに経営の効率化と収益率の増加である.この国の医療が崩壊したとしてもそれは医師や病院のせいではないと思うのだがどうだろうか.
コメント