『--健康食品、実際の効果は? データベースで1発検索--

 アガリクス、メシマコブ、コエンザイムQ10...。ブームになっているさまざまな健康食品について、国立健康・栄養研究所(東京)が22日までに、成分や有効性、安全性などの詳細な情報をデータベース化し、ホームページで公開した。

 「免疫力を高める」「ダイエットに効く」とテレビや雑誌で宣伝されるものの、実際の効果についてはあいまいな表示が多く、「宣伝ではない正確な情報を知りたい」という消費者の声に応えるのが目的だ。

 データベースは健康食品の素材240種類以上について、把握できる限りの研究論文や実験結果を集め、安全性や有効性を評価している。

 例えばアガリクスは「別名はヒメマツタケ。俗に『抗がん効果がある』といわれ、健康食品も数多くみられるが、ヒトでの有効性と安全性は信頼できるデータが見当たらない」。コエンザイムQ10は「うっ血性心不全や高血圧などで有効性が示唆される文献があるが、高血圧の薬との併用は注意を要する」とまとめている。

 ほかにも納豆やサフラン、スッポン、サメ軟骨といった食品も掲載し、人気のある健康食品の素材はほとんど網羅した。サフランでは「大量に摂取すると子宮への刺激が強いため、妊婦は大量摂取を避けた方がいい」と警告している。

 研究所の梅垣敬三(うめがき・けいぞう)健康影響評価研究室長は「健康食品といっても、食べ過ぎると有害なものもある。効果ばかりに目を向けず、安全性を考える目安にしてほしい」と話している。

 ホームページはhttp://hfnet.nih.go.jp/

 薬だろうが健康食品だろうが人体に対する効果が科学的に証明されなければ効果があるように宣伝すること自体が詐欺行為であろう.健康食品ブームのせいなのかテレビ番組の影響なのか外来で健康食品の効果を私に質問する人がいるのだが,私は薬ではないからわからないと答えることにしている.

 実のところ私自身は健康食品なんてまったく信じていない.それどころか医薬品でも効果が疑わしいものがたくさんあるというのが私の考えである.本当に効果があるかどうか試したいときには自分で服用してみればわかるものもあるが,健康な人に使っても効果のわからないものもあるから臨床試験といわれるテストが重要になるのだろう.

 しかし,ここにも問題があるのだ.かつて脳代謝賦活剤といわれた多種の薬があった.だが,これらの薬は臨床試験で薬効ありとされて医療現場で莫大な量が使用されたにもかかわらず現在まで残ったものはほとんどないのである.実際は効果がなかったし,臨床試験にも問題があったからなのであるが,このようなことが現在そして今後もないとは言えないだろう.

 厳重に管理されている医薬品でさえこれなのだから,健康食品の効能など信じる気にはとうていなれないのである.それどころか科学的根拠もなく,たとえあったとしても健康食品自体の安全性の保障もないのに効果だけを宣伝したりするのは医薬品よりはるかに入手しやすいだけに許されるべきではないだろう.

 医薬品ではないから厚労省の仕事ではないのかもしれないが,医療効果を宣伝する食品であれば医薬品より厳しい審査をするのが当然であろう.医薬品は病気の人しか使わないが,食品は全国民が口にする可能性があるということを忘れるべきではない.

 健康食品による健康被害は最近問題が表面化したアスベストと同じく関係省庁の無策や怠慢から起きていると言えるのではないだろうか.とは言え自分の体は自分で守るという考え方からこのような情報をネットで閲覧できるというのはいいことである.

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