『--レコード会社を離れ、iTunesに向かう日本のアーティスト--
アーティストはiTunesに参加しないレコード会社に反対し、iTunesに楽曲を提供するかもしれない。大手芸能事務所も、レコード会社の動向に関係なく、iTunesに関心を示している。
ソニーミュージックなど、Apple ComputerのiTunes Music Storeに参加していないレコード会社と契約している日本のミュージシャンが、所属レコード会社に反発し、先週日本でスタートしたiTunesで自分の楽曲を提供しようとしている。
少なくとも1人のアーティストが既にレコード会社に反対して、iTunesで自身の楽曲を提供する準備をしている。日本のミュージシャンをマネジメントする大手芸能事務所は8月10日、レコード会社のスタンスに関係なく、Appleとの取引に関心を持っていることを明らかにした。
日本では、オンライン音楽ストアは4日にiTunesがスタートするまであまり人気がなかった。iTunesは日本のレコード会社15社が提供する100万曲を掲げてオープンした。
オープンから4日で、同サービスでは100万曲がダウンロードされた――米国などこれまで立ち上げられた20カ国の中で最も急ペースの売れ行きだ。ほとんどの楽曲は150円でダウンロードでき、楽曲の10%は200円で販売されている。米国では1曲99セントだ。
しかしソニー傘下のソニーミュージックはiTunesに参加する契約を交わしていない。同社は、交渉中だが契約に至っていないと話している。
Appleとソニーは携帯音楽プレーヤー事業において宿敵として浮上してきた。AppleのHDD搭載音楽プレーヤー「iPod」は、ネットワークウォークマン(一部にHDD搭載モデルもある)を推進するソニーに打撃を与えている。
しかし反抗的なアーティストはこの問題を避けるようになっており、iTunesで自分の楽曲を提供する方を選ぶかもしれない。
ソニーミュージックとレコーディング契約を持つロックミュージシャンの佐野元春氏は、一部の楽曲をiTunesで提供すると公式Webサイトには記されている。
「何を使って聴くかは個人の自由。聴く人がいるところには僕の音楽を届けたい」という佐野氏の発言を10日付の日本経済新聞は伝えている。
ソニーミュージック広報室の井出靖氏は、佐野氏はもう「ソニーのアーティスト」と考えていないと話す。ただし、ソニーミュージックの下でリリースされた佐野氏の楽曲をiTunesで提供するかどうかについては交渉で決めるという。その結果は各契約ごとに決められるものであり、交渉は継続中だと井出氏。
日本の人気アーティストの一部を抱える芸能事務所アミューズも、iTunesへの参加を検討している。同社はソニーミュージックだけでなく、ほかのレコード会社と契約しているミュージシャンもマネジメントしており、当初はiTunesと契約しないと決めていた。
「しかし、今後参加することを検討している」とアミューズの広報担当キョウコ・イジチ氏は10日に語った。「ユーザーの望むことをしたいと考えている」
Appleのアプリケーション担当副社長エディー・キュー氏は今週、日本サービス向けにレコード会社との契約を増やすためにはもっと多くの作業が必要だと認めた。
ビクターエンタテインメント広報グループの青木良明氏は10日、Appleとの交渉はまだ継続中と語りつつも、契約に関心があることを強調した。
それでも日本でのiTunes人気は圧倒的だ。めったに見られないスティーブ・ジョブズCEOがイベントに登場するなどの宣伝キャンペーンは、メディアの注目を集めた。
iTunes上陸前は、日本の最大手音楽ダウンロードサービス――ソニーが運営し、ソニーミュージック所属アーティストの曲を提供する――の売上は1カ月で平均45万ダウンロードだった。
Appleは2001年10月の発売以来、iPodを世界中で2180万台販売し、iTunes Music Storeを通じて5億曲以上を販売した。』
OS9でiPodを使っていたころにはiTunesがこれほど流行するとは思ってもみなかった.OSXが出て米国でiTunesが急成長した頃には日本でもと期待していたが,そこからが長かったようだ.やはり日本の音楽業界の特殊な事情があったものと思われる.
それにしても米国で1曲99セントのものが日本で150円とは高いではないか.これでは1ドル360円だったころの洋書のようで,あまりに消費者がばかにされている感じである.それとも日本の著作権料は米国よりも高いのであろうか?
おそらくレコード会社が利益率が高いCDとの差を埋めるために値段を高く設定しているのであろう.業界とはそういうものである.医薬品も医療機器も日本は海外に比べて異常に高いのもおそらく同じ理由だろう.自動車ではヤナセがそうであったように.
これからはiTunesでアーチストが直販できる時代である.佐野元春氏はマックファンで知られた人である.私は『アンジェリーナ』の頃に好きだったが,ソニーミュージックに対する姿勢は勇気とともにその先見性を高く評価されるべきだろう.他にも追従するアーチストが増えることを期待したい.iTunesだけで楽曲を販売するレーベルなんていうのも面白いかもしれない.
ソニーのMagic Gate Memory Stickなどはハードとソフトの両面で著作権保護を目的としていると言われるが,実態はソニーが音楽ソフトの流通を独占しようとしているようにも見えあまり歓迎できるシステムではない.そもそもMacには対応していないなど排他的な感じがするところが私の気にくわないところでもある.
その点iTunesはWindowsにもMacにも対応しており回数制限はあるがコピーも可能である.iPodシリーズで可搬性にも優れるのだから現時点で望める最高のシステムであろう.だが,問題点もある.日本ではファイル交換ソフトでほとんどの曲のmp3データが手に入るのである.いくらコピープロテクトをかけたCDをつくってもコピーは可能である.1曲150円で違法コピーの利用者が減るのであろうか.
売るほうも買うほうも良心的でなければビジネスというものは成り立たない.そういう意味ではiTunesの日本上陸によってレコード会社にも音楽ソフトの適正な値段を考える機会が与えられたと言えるだろう.
アーティストはiTunesに参加しないレコード会社に反対し、iTunesに楽曲を提供するかもしれない。大手芸能事務所も、レコード会社の動向に関係なく、iTunesに関心を示している。
ソニーミュージックなど、Apple ComputerのiTunes Music Storeに参加していないレコード会社と契約している日本のミュージシャンが、所属レコード会社に反発し、先週日本でスタートしたiTunesで自分の楽曲を提供しようとしている。
少なくとも1人のアーティストが既にレコード会社に反対して、iTunesで自身の楽曲を提供する準備をしている。日本のミュージシャンをマネジメントする大手芸能事務所は8月10日、レコード会社のスタンスに関係なく、Appleとの取引に関心を持っていることを明らかにした。
日本では、オンライン音楽ストアは4日にiTunesがスタートするまであまり人気がなかった。iTunesは日本のレコード会社15社が提供する100万曲を掲げてオープンした。
オープンから4日で、同サービスでは100万曲がダウンロードされた――米国などこれまで立ち上げられた20カ国の中で最も急ペースの売れ行きだ。ほとんどの楽曲は150円でダウンロードでき、楽曲の10%は200円で販売されている。米国では1曲99セントだ。
しかしソニー傘下のソニーミュージックはiTunesに参加する契約を交わしていない。同社は、交渉中だが契約に至っていないと話している。
Appleとソニーは携帯音楽プレーヤー事業において宿敵として浮上してきた。AppleのHDD搭載音楽プレーヤー「iPod」は、ネットワークウォークマン(一部にHDD搭載モデルもある)を推進するソニーに打撃を与えている。
しかし反抗的なアーティストはこの問題を避けるようになっており、iTunesで自分の楽曲を提供する方を選ぶかもしれない。
ソニーミュージックとレコーディング契約を持つロックミュージシャンの佐野元春氏は、一部の楽曲をiTunesで提供すると公式Webサイトには記されている。
「何を使って聴くかは個人の自由。聴く人がいるところには僕の音楽を届けたい」という佐野氏の発言を10日付の日本経済新聞は伝えている。
ソニーミュージック広報室の井出靖氏は、佐野氏はもう「ソニーのアーティスト」と考えていないと話す。ただし、ソニーミュージックの下でリリースされた佐野氏の楽曲をiTunesで提供するかどうかについては交渉で決めるという。その結果は各契約ごとに決められるものであり、交渉は継続中だと井出氏。
日本の人気アーティストの一部を抱える芸能事務所アミューズも、iTunesへの参加を検討している。同社はソニーミュージックだけでなく、ほかのレコード会社と契約しているミュージシャンもマネジメントしており、当初はiTunesと契約しないと決めていた。
「しかし、今後参加することを検討している」とアミューズの広報担当キョウコ・イジチ氏は10日に語った。「ユーザーの望むことをしたいと考えている」
Appleのアプリケーション担当副社長エディー・キュー氏は今週、日本サービス向けにレコード会社との契約を増やすためにはもっと多くの作業が必要だと認めた。
ビクターエンタテインメント広報グループの青木良明氏は10日、Appleとの交渉はまだ継続中と語りつつも、契約に関心があることを強調した。
それでも日本でのiTunes人気は圧倒的だ。めったに見られないスティーブ・ジョブズCEOがイベントに登場するなどの宣伝キャンペーンは、メディアの注目を集めた。
iTunes上陸前は、日本の最大手音楽ダウンロードサービス――ソニーが運営し、ソニーミュージック所属アーティストの曲を提供する――の売上は1カ月で平均45万ダウンロードだった。
Appleは2001年10月の発売以来、iPodを世界中で2180万台販売し、iTunes Music Storeを通じて5億曲以上を販売した。』
OS9でiPodを使っていたころにはiTunesがこれほど流行するとは思ってもみなかった.OSXが出て米国でiTunesが急成長した頃には日本でもと期待していたが,そこからが長かったようだ.やはり日本の音楽業界の特殊な事情があったものと思われる.
それにしても米国で1曲99セントのものが日本で150円とは高いではないか.これでは1ドル360円だったころの洋書のようで,あまりに消費者がばかにされている感じである.それとも日本の著作権料は米国よりも高いのであろうか?
おそらくレコード会社が利益率が高いCDとの差を埋めるために値段を高く設定しているのであろう.業界とはそういうものである.医薬品も医療機器も日本は海外に比べて異常に高いのもおそらく同じ理由だろう.自動車ではヤナセがそうであったように.
これからはiTunesでアーチストが直販できる時代である.佐野元春氏はマックファンで知られた人である.私は『アンジェリーナ』の頃に好きだったが,ソニーミュージックに対する姿勢は勇気とともにその先見性を高く評価されるべきだろう.他にも追従するアーチストが増えることを期待したい.iTunesだけで楽曲を販売するレーベルなんていうのも面白いかもしれない.
ソニーのMagic Gate Memory Stickなどはハードとソフトの両面で著作権保護を目的としていると言われるが,実態はソニーが音楽ソフトの流通を独占しようとしているようにも見えあまり歓迎できるシステムではない.そもそもMacには対応していないなど排他的な感じがするところが私の気にくわないところでもある.
その点iTunesはWindowsにもMacにも対応しており回数制限はあるがコピーも可能である.iPodシリーズで可搬性にも優れるのだから現時点で望める最高のシステムであろう.だが,問題点もある.日本ではファイル交換ソフトでほとんどの曲のmp3データが手に入るのである.いくらコピープロテクトをかけたCDをつくってもコピーは可能である.1曲150円で違法コピーの利用者が減るのであろうか.
売るほうも買うほうも良心的でなければビジネスというものは成り立たない.そういう意味ではiTunesの日本上陸によってレコード会社にも音楽ソフトの適正な値段を考える機会が与えられたと言えるだろう.
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