『--たばこで老化、DNAまで 1日1箱40年で7・4年分--

 喫煙者はたばこを吸わない人に比べ、細胞のDNAレベルでも老化が早い-。ロンドンのセントトーマス病院など英米チームがこんな研究結果を19日までにまとめ、英医学誌ランセットに発表した。

 試算では、1日1箱を40年間吸い続けると、吸わない人に比べ細胞が7.4年分、余計に歳をとることになるという。

 研究対象は18-72歳の女性1100人余り。白血球の核DNAにある「テロメア」と呼ばれる部分に着目した。テロメアは、ひも状になったDNAの両端でほつれを防ぐ「キャップ」役を果たしている。細胞分裂の度に少しずつ短くなり、若者より高齢者の方がこの部分が短いため、老化の1つの目安にもされている。

 「喫煙者」「元喫煙者」「非喫煙者」の3グループでテロメアの長さを比べたところ、非喫煙者が最も長く、元喫煙者はやや短縮、喫煙者はさらに短かった。

 全体に、年齢とほぼ比例して短縮していたが、喫煙者は同年齢の平均より余分に短くなっており、喫煙が老化を加速する形になっていた。これを基に、喫煙本数や期間がテロメアに与える影響を試算したところ、1日1箱、40年で7.4年分の老化という数字がはじき出された。』

『--コーヒーの目覚めを解明 睡眠障害治療にも--

 コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、脳の細胞膜上にある特定のタンパク質と結び付いて目覚め作用を起こすことを、大阪バイオサイエンス研究所の裏出良博(うらで・よしひろ)研究部長らが確認、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に20日、発表した。

 睡眠障害の治療や、眠気を防ぐ方法の開発につながるのではないかという。

 裏出部長らはマウス実験で、人間のコーヒー1、2、3杯分に相当するカフェインを注射器で投与、睡眠時間を比べた。普通のマウスは投与量が増えるにつれ睡眠時間が短くなったが、遺伝子操作でアデノシンA2A受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、投与量による変化はなかった。同様の可能性を指摘されていたアデノシンA1受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、普通のマウスと変わりなかった。』

喫煙者は同世代の人よりも脳の血管の老化が10歳分くらい進んでいるような印象があることに気づいてはいたが,40年で7.4年分というのは興味深い数字だ.だが,20年でも5年分以上は進んでいるような印象がある.実際に早い人では40歳前後で脳梗塞になるのだから脳血管の動脈硬化はDNAの老化よりも早いという感じがする.

 動脈硬化は非可逆的であると考えられるので禁煙により改善するとは考えにくいが,それでも癌や肺気腫などの予防には有効であろうから禁煙は早ければ早いほどいいだろう.

 ところで最近はレストランなどでも禁煙席があるのだが,禁煙席の方が入り口に近くてなんとなく騒々しかったりして厭な思いをすることもある.禁煙社会を目指すなら非喫煙者のほうが優遇されてしかるべきだと思うのだがどうだろうか.喫煙者と非喫煙者の健康保険料が同じなのも喫煙者が優遇されているように思う.喫煙者の煙に厭な思いをした人ならわかってもらえるだろう.

 ところで,煙草は百害あって一利なしだがコーヒーのほうはいろいろ薬理的に有効な作用があるようで面白い.コーヒーとビールの好きな私にとってはうれしい限りである.

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索