『--ホロコースト、若年層の半数不正解 ドイツ人の認識調査--

 ドイツの公共放送などが戦後60周年に合わせ、ドイツ人の「歴史認識」を調べるアンケートをした。ナチスの犯罪などについて、若い層ほど正解率が下がった。かぎ十字の使用などナチスを連想させるものを法律で禁じてきたドイツだが、歴史教育のあり方や記憶の風化を懸念する声も上がっている。

 公共放送ZDFと全国紙ウェルトが3月、18歳以上のドイツ人1087人を対象に面接調査し、4〜5月に発表した。「ホロコーストとは何か」との問いには、82%が「(ユダヤ人)大量虐殺」と正しく回答した。正解率は年齢別に60歳以上86%、50歳代93%、40歳代87%だったが、30歳代80%、29〜25歳68%と若いほど下がり、24歳以下は51%だった。

 「どの国を最初に攻撃したか」との質問にも、「ポーランド」と正解を答えたのは、60歳以上69%、50歳代67%などに対し、29〜25歳60%、24歳以下は49%だった。「33年1月に起きた出来事は?」も、「ヒトラーを首相に任命」との正答が60歳以上58%、50歳代43%に対し、24歳以下は36%にとどまった。

 ウェルト紙は「若年層の半数がホロコーストを知らないのは驚くべき結果だ。ドイツは永久に記憶しなければならず、記憶の風化が今後の歴史教育の大きな課題となる」としている。結果分析をした独歴史教師会のペーター・ラウツァス会長は「歴史に対する理解は年を取るほど深くなるものだ。教師やメディアなどは正しい歴史認識を示し、きちんと伝えていくことが何より大切だ」としている。』

 歴史は繰り返すというが,戦争による大量殺戮はいつの時代にもあったのだろう.ただ兵器の発達により一度に殺傷できる人数が変わっただけなのだろう.写真やビデオなどの発達により情報量は飛躍的に増えたが,人間の脳はおそらくここ数千年でほとんど進化していないだろうからいくら大量の情報があっても理解するスピードは変わりようがないだろう.

 私が受けた教育もこと近代史に関して言えば学年末のあわただしい時期に読み飛ばすように習った記憶があるだけである.なぜか大和時代から戦国時代くらいまではよく憶えているのだが,近代になるほど記憶が薄いのだ.大変恥ずかしい話だが,私の近代世界史の理解はおそらくドイツの青少年以下であることは間違いない.医師であるのに世界史は必須ではないと言ってしまえばそれまでだが,こんなことでいいのだろうかと思うことがある.

 外国語は英語が片言で話せる程度だが,言葉が上手に話せないことより外国の文化や歴史をまったく理解していないことが相手にばれてしまうことの方がよほど恥ずかしいことがある.最近は中国や韓国と歴史問題で摩擦を広げているわが国であるが,中国人や韓国人とちゃんと近代史について話せる人はどれ程いるのだろうか.

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