『--「背景に医師不足」と指摘 介護報酬詐欺で道知事 --

 医師の数を水増しし介護報酬を詐取したとして北海道網走市の旧藤田病院(廃院)の元院長らが逮捕された事件について、北海道の高橋(たかはし)はるみ知事は10日の記者会見で「監督する立場にある道としても極めて残念、遺憾だ」と述べた。

 高橋知事は「過疎地域を抱える北海道の医師不足が大きな背景になったのではないか」と指摘。「医師の配置基準を国一律で決めるのはナンセンス。わたしどもが道内の医療状況を一番分かっている」として、配置基準を決める権限の委譲を引き続き国に求める考えを示した。』

 高橋知事の意見はもっともだ.厚生労働省は今後入院のできる診療所の医師配置基準を引き上げるようだが,過疎地域では不可能な話である.医師配置基準を引き上げて医療サービスの向上を計るというと聞こえはいいが,実際には地方の診療所からの医師撤退をすすめ入院可能な診療所が減少していくことになるだろう.

 仮に厚生労働省が言うように過疎地域では現状での診療所の存続をみとめるようなことをしても地方の診療所の医師のみが孤軍奮闘するという今の図式では先細りなのは見えている.ここに診療報酬の全国統一価格を適用されたのでは誰だって都市の病院へ逃げ出したくなるだろうし,たとえ医師が残っても地方の診療所の医療レベルも現状のままだ.

 高橋知事は「わたしどもが道内の医療状況を一番分かっている」とおっしゃったらしい.地方の医師不足という問題点はわかったのかもしれないが,具体的な解決策はあるのだろうか.あるのであれば具体的なプランを公表して国との交渉をしていただきたいものである.私も地方での医療に関わってきた医師として言いたいことはたくさんあるが,具体的な解決策など簡単には浮かばないのである.

 わたしが感じることは,国が医療に求めるのは医療費削減だけで,社会福祉の基本である国民の健康維持とか弱者救済というものは見えてこないのである.
 

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