『--「意図的な死」と非難 ローマ法王庁--

 ローマ法王庁(バチカン)の報道官は3月31日、米フロリダ州のテリ・シャイボさん(41)が栄養補給を打ち切られて死亡したことについて「一つの命が絶たれた。意図的に死が早められた」と非難した。

 法王庁は、中絶を含め、人工的に人間の命が操作されることに基本的に反対している。ANSA通信によると、法王ヨハネ・パウロ二世は昨年3月「生命延長のための栄養補給を中断するのは、不作為による安楽死に当たる」とスピーチしており、報道官の発言もその考え方に沿っている。

 バチカンは「過度な治療」には反対しているが、報道官は「栄養補給は過度な治療には当たらない」としている。』

延命とは本来助からないものを意図的に生きながらえさせることである.だから,延命の中止を意図的に死が早められたというのか本来の自然な死をむかえさせたというのかは主観的な表現の問題だろう.

生物とは本来は自分で摂食できなくなれば死に至るものであると考えれば意識が一定期間以上なければ餓死してしまうのは自然の摂理といえるだろう.テリ・シャイボさんは栄養補給を打ち切られて14日目に死亡したそうだから,そのあたりが遷延性意識障害の場合の本来の生死の境であるのだろうか.

瀕死の状態のローマ法王も自身の自然な死を希望されることだろうが,主治医たちは延命治療をどこで打ち切るか,または打ち切らないのか宗教倫理と医師の使命感との間で悩んでいるに違いない.

家族に迷惑をかけないよう癌の末期や遷延性意識障害になった時のために,今のうちに自分の治療をどこでやめてもらうのかを決めて遺書にでも書いておき,意識がなくなって2週間くらいしたら読んでもらうのがいいのかもしれない.

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