どっちもどっち

2005年3月22日
『--族議員が巻き返し 医師免許の更新で--

 自民党が18日開いた行政改革推進本部総会で、「規制改革・民間開放推進3カ年計画」の検討項目から医師免許の更新制度導入を削除することが決まった。その背景には、規制緩和で影響力を失うことを恐れた厚労族の激しい巻き返しがあった。

 「単なる医師いじめだ。徹底的に反対だ」。前日開かれた総会には、医師の関連団体の支援を受ける族議員らが勢ぞろいした。「誰がこんなことを考えたんだ」「なぜ医師だけ厳しくするのか」などと免許更新制を批判する声が相次いだ。

 当初は意欲を示していた村上誠一郎・規制改革担当相も18日朝の会見で「長期的に検討は必要だが(計画の)まとめ方は官僚に一任している」とトーンダウン。規制改革会議は、25日の閣議決定に間に合わせるため、計画から削除せざるを得なかった。

 規制改革会議は、医療分野の規制を緩和し競争原理を持ち込むことで、患者本位の治療が実現し、医師の技術向上も期待できるという考え。

 しかし選挙で医師らの支援を得てきた厚労族にとって、規制改革会議は支持基盤を脅かす存在。総会は厚労族にとって影響力をアピールする格好の場となった。』

『--医師免許の更新制度--

 最新の医学知識を医師が吸収するためだけでなく、相次ぐ医療ミスを抑制する観点からも規制改革・民間開放推進会議などで導入の是非が議論されている。医療事故を起こした医師の処分が軽すぎるという批判も背景にある。ただ更新制度で診察などの臨床の能力は判断できず、医療ミス減少にはつながらないという見方もある。』

 相次ぐ医療ミスというが,これを人間の犯すミスと考えると本当に有意に発生率が高いのであろうか.人間がミスをする存在であることを前提として医療行為が成り立っているのかと考えるとおそらくほとんどの場合そうはなっていないことが問題だろう.

 あらゆる医療行為をミスを前提として安全性を追及していたらおそらく現在の医療はここまで進歩しなかったであろう.先端医療に限らず安全性が確立された医療が理想ではあるが,現実には人間がやる以上ミスをゼロにはできないだろう.

 人間のミスというものは偶発的に起こるものであるからミスなのであって,必然的に起きるものとは区別されるべきであろう.だから,経験のない手術で患者さんを傷つけるなどというのは論外である.偶発的なミスを試験で排除できるわけはないから,医療ミスを抑制するための医師免許の更新制度というのはまったく無意味だろう.まあ,医療知識のない方々の短絡的発想ということで大目にみてあげることにしよう.

 だが,この問題が規制緩和で影響力を失うことを恐れた厚労族の影響力をアピールする格好の場となったというのはいただけない.いままで開業医の代表である日本医師会と科学的根拠の薄い診療報酬請求を談合してきたあげくに医療費がかさむという理由で社会保険庁のつじつま合わせを黙認しているのも彼らだからだ.

 名義貸し問題にしても社会保険庁はその気になればずっと以前に指摘できたはずであるが,マスコミに騒がれるまで見逃してきたのはどういうわけなのだろうか.マスコミに騒がれると今度は躍起になって監査をし保険医停止処分をしているようだ.だが,何年間も監査していながら見て見ぬふりをしていた責任はないのであろうか.

 保険医停止も結構だが,何年間も不正請求を見抜けなかった責任を公務員として社会保険庁もきちんととるべきであろう.社会保険庁は解体されて名前はなくなるようだが,この無責任な管理職の公務員たちが横滑りで残ることのないようにきちんと整理して医師も国民も納得させることが厚生族議員の責務であろう.

 こんなこともできない国会議員では規制改革・民間開放推進会議の方々とどっちもどっちで医療従事者の失笑を買うだけだろう.医は算術を医師が望むと望まないとにかかわらず経済的な理由から医療現場が荒廃していくことを危惧しているのは私だけだろうか.

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