『--「不可能」と厚労省反論 奥田氏らの医療費抑制策--
 経済財政諮問会議の民間議員が15日、医療給付費などの伸び率を名目国内総生産(GDP)の伸び率以下に抑制するよう主張したことに対し、厚生労働省は同日、抑制は事実上不可能だとする反論をまとめ同会議に提出した。
 厚労省によると、国民医療費は、高齢化や医療技術の進歩により増加し、2025年には保険からの給付は59兆円に上ると推計される。 名目GDPの伸び率以下に抑制するとすると、同年の医療給付は38兆円。厚労省が推計した59兆円との差額分約20兆円は(1)個人負担の増(2)医療費自体の抑制(3)診療報酬の引き下げ-などで埋め合わせることになる。
 試算では、全額を患者側の自己負担で賄えば、負担は現在の2.5-3倍程度に跳ね上がる。また医療費を抑え込めば健康水準が低下。診療報酬単価の引き下げは、医療の質の低下を招くというのが厚労省の主張だ。
 厚労省は、医療費の伸びを適正化するため、生活習慣病対策や入院日数の短縮、公的保険給付範囲の見直しなどを検討している。』

 結局のところ国の赤字削減のターゲットは社会福祉ということなのだろう.国民の寿命が縮まっても,医療の質が低下してもかまわないというのが本音だろう.医療の質の向上という点で言えば先端医療は別としてコスト重視とせざるを得ない通常の診療報酬の低下は先端医療で助かる患者さんよりもはるかに多くの普通の病気の患者さんにとっては負担の大きいものになるだろう.

 医療を社会的に採算の合うものにすることはおそらく不可能なはずである.なぜなら企業が利益を追及するということは企業に収益を集中させ,労働者の賃金や福祉を減額することにほかならないからである.人間よりも設備への投資を優先する企業と福祉よりも公共事業を優先させてきた国が今の赤字国家日本である.

 高齢化社会で医療に採算性を求めれば個人負担の増大を招き,それはすなわち低所得な高齢者の切り捨てにつながることは誰が考えてもわかることだ.だがそんな事は企業の論理で生きてきた財界の人間や地元の利権を優先させてきた政治家にはきっとわからない,いや知ったことではないのだろう.

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