『--オオクチバス、指定第1陣規制リストに 先送りから一転--

 国内生態系に影響を及ぼす「特定外来生物」の指定作業で焦点になっていたブラックバスの一種オオクチバスについて、環境省は21日、指定に関する議論を半年間先送りする方針を転換し、6月の外来生物法施行時から適用される、指定第1陣のリストに盛り込むことを決めた。小池環境相が先送りを認めない考えを表明し、担当部局に再検討を促したことで事態が急転した。31日に開かれる哺乳(ほにゅう)類なども合わせた指定の全体会合で、決定する見通し。
 21日午後の指定に関する魚類専門家会合で、小野寺浩・同省自然環境局長は「環境相から『まず指定せよ』との指示があり、それを前提に物事を考えたい」と発言。環境省がとりまとめ、19日のオオクチバスの専門家グループ会合で了承された「半年をめどに指定に向けた検討を進める」とする報告案を、白紙に戻す考えを明らかにした。
 指定されると、釣り自体が禁止されるわけではないが、適切な管理のため輸入、移動、飼育、放流などが規制される。
 魚類専門家会合では、4人の委員が「生態系への被害は明らかで、一刻も早く指定すべきだ」「釣り人が法律を周知する期間として、(法施行までの)半年は妥当な線だ」などと発言。ブラックバスの別種、コクチバスやブルーギルなど3種を候補とする魚類の特定外来生物リストを決めた。オオクチバスについてはこのリストに入れず、多紀保彦座長(自然環境研究センター理事長)が「指定を求める声が強くあった」との付帯意見を31日の全体会合に報告し、判断を仰ぐことになった。
 小池環境相は21日の閣議後の記者会見で、「外来生物法の一番の目玉がオオクチバス。指定回避は先送りと批判されても仕方がない」と表明、担当部局に再検討を促した。

 小野寺局長は「釣り人の協力は重要なので粘り強く理解を求めていくしかない」としている。これに対し、指定反対の中心になってきた釣り業界関係者らの団体「日本釣振興会」は、「オオクチバス会合で合意された結論を大臣一人の考えで覆すならゆゆしき事態。事実なら厳重に抗議する」とのコメントを発表した。』

「日本釣振興会」なんて初めて聞いた団体だが,そもそもは養殖目的か釣りを楽しむ目的で安易に外来種を放流したのが問題なのだろう.釣り具を売る方にしてみれば誰でもが釣りを楽しめてどこでも釣れれば売り上げが伸びるわけだ.法的規制がなければ繁殖力が強くて当りの強い外来種をばらまくのも当然だ.

私のように釣りに興味のない人間は最初からこの種の議論には無関心だ.だが,知らないうちにそこいらの川や湖から在来種が消えていくというのでは納得できない.河川や湖は公共の財産であるはずで,そこを利害関係だけで好き勝手に変えられるのはあまり面白い話ではない.

小泉首相にはじまり小池環境相が先送りを認めない考えを表明したことによってこの問題が広く世間に知られるところとなり議論されることはいいことだろう.「オオクチバス会合で合意された結論を大臣一人の考えで覆すならゆゆしき事態。事実なら厳重に抗議する」とあるが,そんな利害関係者だけの会合で勝手に合意して自然破壊をすすめるのならゆゆしき事態であり一般国民としては断固抗議したいところである.

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