『--校内全面禁煙、誓約書も 名古屋女子大が効果上げる--

 喫煙したら自主退学します-。名古屋女子大・短大(名古屋市瑞穂区)は敷地から通学路までを全面禁煙とし、新入生に異例の「禁煙誓約書」を書かせるなど徹底した禁煙教育を行い、喫煙者が半減するなど大きな効果を上げている。
 一部の教員や学生から「女性差別だ」などの反対もある中、「妊娠・出産期の悪影響がはっきりしている以上、煙のないキャンパスを」と2003年度に全面禁煙に踏み切り、04年度には禁煙誓約書も導入した。これまで違反による退学者は1人もいないという。喫煙者には個人面接し、禁煙を促すためのニコチンパッチを支給。処方に必要な医師の診断も学内で行っている。また、愛知県内で禁煙運動を進める小児科医も講演でたばこの害を説くなど協力。04年度の調査では喫煙者は195人から98人に半減した。
 敷地外でたばこをこっそり吸っていた上級生は「分煙の方がマナーを守れる」と不満そうだが、全面禁煙後に入学してきた1、2年生はボランティア組織を結成。吸いがらを拾ったり、喫煙を見掛けたら注意するなど、吸わない学生ばかりになるはずの2年後を目指して活動を続けている。』

喫煙したら自主退学というのが面白いが,こんなことを大学でやる必要があるとは思えない.敷地外でたばこをこっそり吸っていた上級生がいるとあるから禁煙を徹底させたいために考えた苦肉の策なのかもしれないが,これが大学教育というならあまりに情けない.

大学構内の禁煙が目的なら喫煙者に単位を与えなければよいだけだろう.禁煙教育に誓約書が必要だとは思えない.「女性差別だ」というのもちょっと的外れな反論である.禁煙が必要なのはなにも妊婦だけではない.誰でも健康のために必要なのである.癌,心筋梗塞,脳梗塞さらには自殺にまで関係している喫煙という悪い習慣をやめるためにはもっと小さい頃からの健康教育が必要であろう.

インフォームドコンセントと言う言葉も医療業界では聞き飽きた感がある.それほどまでに患者さんやその家族に病状や治療について説明がなされ同意を得るという行為が日常化している.これ自体はとても重要なことだと思うが,さて説明されたことをちゃんと理解して同意している人がどれほどいるのだろうか.

外来で喫煙の害を脳血管障害の患者さんや脳ドックの受診者に説明してもそれだけで禁煙できる人はほとんどいない.私の言うことは聞いているようであるが,理解して行動することができないということなのだろう.

これはやはり決定的に人体に対する知識と論理的な思考能力の欠如に原因があるのだろうと思う.人体についての知識がほとんど無い人に医学の話をしてもしょうがないし,論理的思考のできない人に治療法の選択をさせるのも無理だろう.それなのに同意書や誓約書を書いてもらっても意味がない.

できれば小学校くらいから禁煙教育だけでなく,人体やその健康管理に関することをしっかり教えてもらいたいものである.

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