『--研修医の労働時間を制限する最新のガイドラインでは安全性向上の効果はほとんどない--
24時間以上連続して病院に勤務する医学インターンが自動車衝突事故を起こす確率は、長時間勤務をしないインターンの2倍以上であり、報告されたニアミスの数も5倍であるという調査結果が、『New England Journal of Medicine』1月13日号に掲載された。
また、インターンの長時間勤務が1カ月あたり1回増えるごとに自動車衝突事故のリスクが9%増加し、1カ月の間に勤務先から帰宅する際に衝突事故を起こす確率は16%増加した。この調査はインターネットを利用したもので、全米規模で医学研修1年目の研修生2,737例を対象にしている。
インターンの病院勤務は週あたり平均70時間、そのうち覚醒していた時間は申告では全体の96%の67時間であったことがこの調査で判明した。インターンの報告によれば、長時間勤務の回数は1カ月あたり平均3.9回で、1回あたりの平均勤務時間は32時間であった。
18カ月間行われたこの調査は、Accreditation Council for Graduate Medical Education(ACGME)による2003年7月のガイドラインが効力を発する直前に終了した。ガイドラインでは、オンコールを連続24時間(診療上の経過観察継続の場合さらに6時間)まで、週の総時間は80時間に制限している。
こうした新しい要請があるにも関わらず、今回の結果では、疲れ切った研修医が自分自身や他者に対して危害を与える可能性が高いことが明確に出ている、と共同著者でハーバード大学医学部睡眠医学科(マサチューセッツ州、ボストン)の医学教授であるCharles A. Czeisler, PhD, MDが述べている。
インターンと研修医における長時間勤務は依然として、医学界では必要な教育のひとつとして見られているが、Czeisler博士によると、「患者、インターン、市民にとって危険であり、過去の遺物であり、捨て去るべきもの」だという。
「私の知る限りでは、30時間ものマラソン勤務を看過している規制機関は、あらゆる分野を見渡してもACGMEのみである」とCzeisler博士はMedscapeに対して語っている。その最新のガイドラインは「既成事実を明文化したものに過ぎない。表面的な体裁を整えるのではなく、実質的な改革必要がある」と同博士は述べている。(抜粋)』
米国の研修医はいまだに大変なようである.現在の日本の研修医はこれに比べたらはるかにいい環境だろう.私自身も1年目のころは大学病院で早くて夜10時くらいまでは働いていた.それも患者さんを診ているのではなくカンファレンスや教授回診や学会発表の準備という大学ならではの仕事のためだった.
居眠りも当然多かった.抄読会や手術中は言うまでもなく,患者さんや家族への説明中や帰宅する際の運転中もよく居眠りしそうになっていた.救急部にいたころはほとんど泊り込みだったのでかえって通勤時間分の睡眠がとれて楽だった覚えがある.
あまりいい思い出ではないのでほとんど忘れてしまった.研修医制度のおかげで人手不足は当分続きそうだ.当直の回数も4月からまた増えそうだ.研修医が働かない分のしわよせがどこからかまわりまわって私のところに来ているのだろうか.
研修医制度は私から見ると給料をもらって医学生をやっているようなものだ.本当の仕事は研修医が終わってからだろう.日本では研修後の医師の過労死や医療事故が今後増えていくような気がする.
24時間以上連続して病院に勤務する医学インターンが自動車衝突事故を起こす確率は、長時間勤務をしないインターンの2倍以上であり、報告されたニアミスの数も5倍であるという調査結果が、『New England Journal of Medicine』1月13日号に掲載された。
また、インターンの長時間勤務が1カ月あたり1回増えるごとに自動車衝突事故のリスクが9%増加し、1カ月の間に勤務先から帰宅する際に衝突事故を起こす確率は16%増加した。この調査はインターネットを利用したもので、全米規模で医学研修1年目の研修生2,737例を対象にしている。
インターンの病院勤務は週あたり平均70時間、そのうち覚醒していた時間は申告では全体の96%の67時間であったことがこの調査で判明した。インターンの報告によれば、長時間勤務の回数は1カ月あたり平均3.9回で、1回あたりの平均勤務時間は32時間であった。
18カ月間行われたこの調査は、Accreditation Council for Graduate Medical Education(ACGME)による2003年7月のガイドラインが効力を発する直前に終了した。ガイドラインでは、オンコールを連続24時間(診療上の経過観察継続の場合さらに6時間)まで、週の総時間は80時間に制限している。
こうした新しい要請があるにも関わらず、今回の結果では、疲れ切った研修医が自分自身や他者に対して危害を与える可能性が高いことが明確に出ている、と共同著者でハーバード大学医学部睡眠医学科(マサチューセッツ州、ボストン)の医学教授であるCharles A. Czeisler, PhD, MDが述べている。
インターンと研修医における長時間勤務は依然として、医学界では必要な教育のひとつとして見られているが、Czeisler博士によると、「患者、インターン、市民にとって危険であり、過去の遺物であり、捨て去るべきもの」だという。
「私の知る限りでは、30時間ものマラソン勤務を看過している規制機関は、あらゆる分野を見渡してもACGMEのみである」とCzeisler博士はMedscapeに対して語っている。その最新のガイドラインは「既成事実を明文化したものに過ぎない。表面的な体裁を整えるのではなく、実質的な改革必要がある」と同博士は述べている。(抜粋)』
米国の研修医はいまだに大変なようである.現在の日本の研修医はこれに比べたらはるかにいい環境だろう.私自身も1年目のころは大学病院で早くて夜10時くらいまでは働いていた.それも患者さんを診ているのではなくカンファレンスや教授回診や学会発表の準備という大学ならではの仕事のためだった.
居眠りも当然多かった.抄読会や手術中は言うまでもなく,患者さんや家族への説明中や帰宅する際の運転中もよく居眠りしそうになっていた.救急部にいたころはほとんど泊り込みだったのでかえって通勤時間分の睡眠がとれて楽だった覚えがある.
あまりいい思い出ではないのでほとんど忘れてしまった.研修医制度のおかげで人手不足は当分続きそうだ.当直の回数も4月からまた増えそうだ.研修医が働かない分のしわよせがどこからかまわりまわって私のところに来ているのだろうか.
研修医制度は私から見ると給料をもらって医学生をやっているようなものだ.本当の仕事は研修医が終わってからだろう.日本では研修後の医師の過労死や医療事故が今後増えていくような気がする.
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