厚生労働省は施設の感染症予防ガイドラインをつくるべき
2005年1月8日 医療の問題『--特養ホーム:入所者6人死亡 ロタウイルスの疑い--
広島県福山市の特別養護老人ホーム「福山福寿園」(岡田剛理事長)で入所者6人が相次いで死亡するなどした問題で、同市保健所は8日、同園に対し再度、立ち入り調査した。4日に全入所者に実施した検便では、食中毒菌は検出されておらず、感染症が原因である可能性が高まった。
福山市医師会によると、昨年12月初めごろから、同市内でロタウイルスなどによる感染性胃腸炎でおう吐、下痢などを訴える患者が急増。週に100〜200人程度が受診したため、注意を呼びかけていたという。ロタウイルスは、食中毒の原因となるノロウイルスと異なり、空気感染するのが特徴で、今回の同園のケースも、症状や発生状況などからロタウイルスが原因である可能性が高いと考えられるという。
一方、8日未明に記者会見した岡田理事長らによると、死亡した6人のうち2人が下痢、おう吐を発症していたが、他の4人には症状が見られなかった。このため、食中毒や感染症による死亡との認識はなく、主治医を兼務していた岡田理事長は「終末状態から亡くなったと考えていた」と明らかにした。
園によると、入園者の平均年齢は約90歳で、昨年1年間で約25人が死亡。高齢による体力の低下に加え、風邪やインフルエンザなどで体調を崩し、毎年、同数程度の入所者が死亡しているという。市保健所によると、感染症の有無を調査するため、入所者全員に7日、検便を実施。2、3日中にも結果の報告があるという。』
『広島・特養ホーム:さらに1人死亡 感染症の可能性高まる
広島県福山市の特別養護老人ホーム「福山福寿園」(岡田剛理事長)の入所者6人が昨年末から今年初めにかけ、嘔吐(おうと)や下痢などの症状で相次ぎ死亡した問題で、同市保健所は8日、同日午後に新たに男性入所者(83)1人の容体が急変し、死亡したと発表した。市のこれまでの調査で、死亡者のうち4人は、食中毒が発生する可能性が極めて低い市販の流動食のみを取るなどしており、感染症が原因の可能性がさらに高まった。
一方、市は、事実の報告が遅れるなど厚生労働省令に違反した疑いもあるとして、同日午後、園に特別監査を実施。通報が遅れた理由や、健康・衛生面の管理について岡田宏園長らに聞き取り調査したが、監査中に入所者が死亡したため、調査を中止した。
開原算彦助役や保健所長ら市幹部でつくる対策会議は同日発足。今後、感染症の専門家らでつくる調査委員会の設置や、17の特養ホームなど市内の全老人保健施設に対する感染防止の指導を決めた。開原助役は「全容の把握ができておらず深刻に受け止めている。一刻も早く原因を究明したい」と話した。
今後、昨年12月20日以降の入所者全員の看護記録の確認や、病原体追跡のため、頻繁に行われたとされる入所者の部屋の移動状況などを調査することを決めた。』
特別養護老人ホームに限らず大勢の人間が共同で生活するような施設では感染症の影響は大きい.特にそれが幼児や高齢者などの免疫力の低いものであればなおさらだろう.風邪から肺炎になることだって別に珍しいことではないのだ.
感染症が流行すると施設の管理責任が問われるのは当然としても,看護職員だけでなく面会に来る家族が感染症のキャリアになっている場合も多いと考えられ,感染症の予防のためには面会者のコントロールも必要であろう.
病院,学校,幼稚園,保育所などにも同様のことが言える.最近,各地の病院や施設でノロウィルスによる食中毒が流行っているのもこれら施設での感染対策の重要性を示しているいい例だろう.病院には感染症対策委員会があるが,施設や学校にはそのようなものもない.急増したグループホームなども高齢者が多く管理レベルは低いため注意が必要だろう.
いずれにしても感染症が流行した施設の省令違反の有無を監査するだけででなく,施設入所者を感染症から守り,面会者にも理解できるような感染症対策のガイドラインをつくってもらいたいものである.
広島県福山市の特別養護老人ホーム「福山福寿園」(岡田剛理事長)で入所者6人が相次いで死亡するなどした問題で、同市保健所は8日、同園に対し再度、立ち入り調査した。4日に全入所者に実施した検便では、食中毒菌は検出されておらず、感染症が原因である可能性が高まった。
福山市医師会によると、昨年12月初めごろから、同市内でロタウイルスなどによる感染性胃腸炎でおう吐、下痢などを訴える患者が急増。週に100〜200人程度が受診したため、注意を呼びかけていたという。ロタウイルスは、食中毒の原因となるノロウイルスと異なり、空気感染するのが特徴で、今回の同園のケースも、症状や発生状況などからロタウイルスが原因である可能性が高いと考えられるという。
一方、8日未明に記者会見した岡田理事長らによると、死亡した6人のうち2人が下痢、おう吐を発症していたが、他の4人には症状が見られなかった。このため、食中毒や感染症による死亡との認識はなく、主治医を兼務していた岡田理事長は「終末状態から亡くなったと考えていた」と明らかにした。
園によると、入園者の平均年齢は約90歳で、昨年1年間で約25人が死亡。高齢による体力の低下に加え、風邪やインフルエンザなどで体調を崩し、毎年、同数程度の入所者が死亡しているという。市保健所によると、感染症の有無を調査するため、入所者全員に7日、検便を実施。2、3日中にも結果の報告があるという。』
『広島・特養ホーム:さらに1人死亡 感染症の可能性高まる
広島県福山市の特別養護老人ホーム「福山福寿園」(岡田剛理事長)の入所者6人が昨年末から今年初めにかけ、嘔吐(おうと)や下痢などの症状で相次ぎ死亡した問題で、同市保健所は8日、同日午後に新たに男性入所者(83)1人の容体が急変し、死亡したと発表した。市のこれまでの調査で、死亡者のうち4人は、食中毒が発生する可能性が極めて低い市販の流動食のみを取るなどしており、感染症が原因の可能性がさらに高まった。
一方、市は、事実の報告が遅れるなど厚生労働省令に違反した疑いもあるとして、同日午後、園に特別監査を実施。通報が遅れた理由や、健康・衛生面の管理について岡田宏園長らに聞き取り調査したが、監査中に入所者が死亡したため、調査を中止した。
開原算彦助役や保健所長ら市幹部でつくる対策会議は同日発足。今後、感染症の専門家らでつくる調査委員会の設置や、17の特養ホームなど市内の全老人保健施設に対する感染防止の指導を決めた。開原助役は「全容の把握ができておらず深刻に受け止めている。一刻も早く原因を究明したい」と話した。
今後、昨年12月20日以降の入所者全員の看護記録の確認や、病原体追跡のため、頻繁に行われたとされる入所者の部屋の移動状況などを調査することを決めた。』
特別養護老人ホームに限らず大勢の人間が共同で生活するような施設では感染症の影響は大きい.特にそれが幼児や高齢者などの免疫力の低いものであればなおさらだろう.風邪から肺炎になることだって別に珍しいことではないのだ.
感染症が流行すると施設の管理責任が問われるのは当然としても,看護職員だけでなく面会に来る家族が感染症のキャリアになっている場合も多いと考えられ,感染症の予防のためには面会者のコントロールも必要であろう.
病院,学校,幼稚園,保育所などにも同様のことが言える.最近,各地の病院や施設でノロウィルスによる食中毒が流行っているのもこれら施設での感染対策の重要性を示しているいい例だろう.病院には感染症対策委員会があるが,施設や学校にはそのようなものもない.急増したグループホームなども高齢者が多く管理レベルは低いため注意が必要だろう.
いずれにしても感染症が流行した施設の省令違反の有無を監査するだけででなく,施設入所者を感染症から守り,面会者にも理解できるような感染症対策のガイドラインをつくってもらいたいものである.
コメント