『--意識不明の男性死亡 京都大病院で薬誤投与--

 京都大病院(田中紘一(たなか・こういち)院長)は3日、限度量の3倍近い抗リウマチ薬を投与され、意識不明だった近畿在住の70代の男性が2日午後3時29分に死亡したと発表した。同病院は、医療事故調査委員会を設置して事故原因などを調査中。京都府警川端署は司法解剖し、詳しい死因を調べる。
 男性は、関節リウマチなどで同病院に通院していたが、昨年10月、消化管出血で緊急入院。医師歴1年の研修医が限度量の3倍近い投与を指示。男性は数日後に呼吸状態が悪化し、集中治療室(ICU)で治療を受けていた。』

 研修医の投薬ミスによる医療事故ということだろうか.ニュースに書かれた研修医には誠にお気の毒であるが,投与量の誤りによる死亡であることが明らかになれば業務上過失致死で訴えられるのであろうか.こういう初歩的ミスはベテランでも犯す可能性がないわけではないだろうが,やはり研修医には起こりやすい事故であるだろう.

 医師である以上は本人の過失責任があるのはわかるが,研修病院である大学附属病院で研修中であったことを考えると,こういった事故を防ぐための体制がちゃんと整っていたかがより重要な問題であると思うのだがどうであろうか.

 病棟で医師が処方箋を書くなり,オーダーを入れるなりしたとしても薬剤師が必ず監査するはずであるし,看護師も処方内容は確認するはずである.そもそも研修医の場合は指導医がその仕事をみているはずであるが,これら最低3人の医療従事者の目をすりぬけて事故が起きていることの問題点をよく考えるべきだろう.

 研修中のしかもこんな初歩的ミスが研修医一人の責任にされて刑事責任まで負わされるようでは研修制度の本来の目的からはずれるだろう.今後,京都大病院がどういう対応をとるのか気になるところだ.

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