『--延命効果確認できず 肺がん治療薬イレッサ--
 肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の比較臨床試験を日本を含まない28カ国で実施したところ、イレッサを服用した患者と偽薬をのんだ患者とで生存期間にはっきりした差はなかったとする解析結果を、輸入販売元のアストラゼネカ(大阪市)が23日までにまとめた。
 がんの縮小についてはイレッサ服用患者で改善がみられたという。最終的な結果は来年上半期に発表する。
 試験はロンドンのアストラゼネカが2003年7月から今年8月にかけ、210施設で実施。化学療法が効かない非小細胞肺がん患者を対象に、約1130人にイレッサ、約560人に偽薬を投与し、生存期間を比べた。イレッサ服用者は5.6カ月、偽薬では5.1カ月で、統計的に延命効果はみられなかった。
 ただ、マレーシア、タイなどの東洋人約370人の成績は、イレッサ服用者9.5カ月、偽薬5.5カ月と生存期間の改善が示唆された。喫煙歴のない患者でも延命効果が示唆されたという。同社は、厚生労働省に結果を報告し、医療機関への情報提供を始めた。』

http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/04_12_20.html

副作用の間質性肺炎でマスコミの格好のねたとなった期待の新薬であるが,こうなるとその終焉は近いと思われる.日本人での延命効果の解析はまだこれからであるが,延命が6ヶ月を超えることはないのだろう.

まあ,こういう薬は他にもあるのだろうが延命効果がどの程度なら健康保険の適用にするべきかという論議も今後出てくるのだろう.さて延命効果が6ヶ月の薬が保険適用外だったとして,いったいいくらだったら使ってもらおうと思うか考えてみようかと思ったのだが,よく考えるとその6ヶ月をどう使うのかということで値段も変わることに気がついた.

明日の朝にはサンタさんからのプレゼントをもらって喜ぶ子供たちの姿が全国的にみられる一方で,家族に看取られることもなくあの世へと旅立っていく患者さんたちも大勢いるのが現実の世の中なのである.明日はわが身と思わない人が多いだろうが,人間は実に簡単に死んでしまうし,自分がいつ死ぬかは幸いにも直前まで誰にも知らされていない.

6ヶ月.さて6ヶ月前は何をしていただろうか,今後の6ヶ月で何をするのだろうか.6ヶ月の延命が得られた人間としての視点から考えようとしてもそれすらできないということに気がついて今夜の私には延命治療の意味を考えることができなくなった.

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