『今回の保険診療との併用を認める保険外診療の対象拡大で、これまで併用を望む患者の声が特に強かった抗がん剤など国内未承認薬について、厚生労働省は来月にも「未承認薬使用問題検討会議(仮称)」を設置。併用が可能な「治験」を認めるかどうか、申請後3カ月以内に結論を出すなど手続きを大幅にスピードアップする。 これまでは治験で安全性が確認されても、保険が利用できるようになるまでの間は併用が禁止されてきたのを改め、保険適用まで切れ目なく併用を認める。乳がん手術で失った乳房再建手術も同様の扱いとする。胃がんとの関連が指摘されているピロリ菌の除去やがん細胞が出すタンパク質(腫瘍(しゅよう)マーカー)検査は、保険で定められた回数を超えて行うと、超えた分の実費だけでなく、本来保険の対象となる入院費なども全額自己負担になっていたが、今回併用が認められ、入院費に保険が適用される。
 併用を認める医療を、保険適用のための評価を行う「保険導入検討医療」と、保険適用を前提としない「患者選択同意医療」に再編成する。それぞれ、肝臓移植などこれまでの「高度先進医療」と、差額ベッドなど従来の「選定療養」が中心となる。』

「患者は医者を選べない」という言い方があるが,正確には「患者は医者を選ぶ知識を持っていない」もしくは「患者は病気の治療を選ぶ知識がない」ということだろうか.今回の改革では少なくとも患者のニーズに合わせて医療現場での治療の選択肢が増えたことは評価したい.

混合診療と呼ばずとも今後は自費での治療の部分が拡大していくだろう.結果として医師の説明を聞いて自分で治療を選ぶ機会が増えると思われる.しかし,治療について説明する際にはとかくメリットばかりが強調されがちであるが,これを機会に治療のデメリットについて患者側にもっと理解を深めてもらう必要があるだろう.

患者側も自分に都合のいいことばかり聞き憶えることなく,治療のデメリットについてもっと正しく理解していれば,たとえ副作用などが起きたとしても自分の選択に責任を持った態度をとるべきだろう.そうすれば医療事故だの医療過誤だのと騒ぐ必要はないだろう.

そもそも医師にできることは治療の選択の機会を与えることと病気の回復の手助けをすることだけである.病気が良くなるのも悪くなるのも結局は自分の意志と体次第ということを忘れている人がほとんどなので最近の外来は特にストレスが溜まるのだ.

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