『--混合診療:未承認薬を容認、抗がん剤など対象に 厚労省案--
 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が全面解禁を求めている混合診療について、厚生労働省の対案が7日、明らかになった。国内未承認の抗がん剤などについて、薬学関係の有識者ら外部の専門家が安全・有効性を認めた場合は混合診療の対象として認めるなど、同診療の対象を拡大する内容。規制改革に関する閣僚折衝などで近く提示される。
 混合診療は公的な医療保険が適用になる保険診療と保険外診療の併用を認めるもの。原則として禁止され、保険が利かない治療を一部でも受けると保険適用される診療分を含め全額自己負担になる。現在は特定療養費制度で、高度先進医療(97技術)▽選定療養(差額ベッドなど13項目)−−の2分野のみ認めている。ただ、高度先進医療は大学病院など125医療機関しか申請できないなど制約も少なくない。
 厚労省は今回、特定療養費制度の名称変更も含めた全面改組を検討。海外で承認されながら国内未承認の医薬品は速やかに治験に入れるよう運用面を改め、新設する外部の専門家による検討会が認めた薬品については、厚労相の諮問機関・中央社会保険医療協議会の了承を経て混合診療を可能とする。
 未承認薬は現在、治験段階と承認後から保険適用までの期間は混合診療を認めているが、承認審査中に使うと、保険が適用される他の治療分まで患者の全額自己負担となる。厚労省の対案では、全額負担は治験段階から保険適用まで、使用した薬代だけで済む。日本は医薬品の承認手続きが煩雑で、審査に1年近くかかることが多く、有効と分かっていても負担が重くなるため、患者が使用を断念するケースもあるという。
 厚労省は未承認薬の他に混合診療を認める新分野として「必ずしも高度でない医療」も新設し、対象病院も広げる。規制改革会議は未承認薬をはじめ乳がん手術に伴う乳房の再建など15例を解禁事例に挙げているが、同省は15例すべてに対応。この中の、外国人患者のための通訳は、医療行為と切り離し、これを利用しても保険が利く診療分は自己負担にならないようにする。
 規制改革会議は「一定水準以上の病院での混合診療全面解禁」を求める姿勢を変えていないが、今回の対案を軸に調整が進む見通しだ。』

「一定水準以上の病院での混合診療全面解禁」というところに疑問がある.なにをもって一定水準というのかが怪しいのだ.治療に必要な設備は最低限の条件だろうが,病院の規模や医者の数で決めることにはあまり意味はないはずである.ましてや大学病院だからなんていうのは馬鹿げている.外科の手術と同じでいい医者が1人いればいいわけで病院の症例数なんかは関係ないだろう.

薬学関係の有識者ら外部の専門家が安全・有効性を認めた場合は混合診療の対象として認めるなら副作用に関しては事実上承認されたも同じであるはずなのに,これをわざわざ混合診療にするのもおかしな話だ.安全・有効性が確認されたなら保険適用にすればいいだけだろう.

要するに,国民健康保険料の高騰を防ぎたいがために厚生労働省が意図的に承認を遅らせてきた治療を混合診療にするだけの話に見えるのだ.だが,混合診療にすれば治療のメリットを受けられるのは大都市に居住するお金のある人たちだけになるのではないだろうか?

政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が全面解禁を求めているとは言っても,お金があれば助けてもらえるような気がする「一定水準以上の病院」はそうたくさんはいらないということだろう.

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