日本人の美意識

2004年8月29日
『国際オリンピック委員会(IOC)は29日、アテネ五輪陸上男子ハンマー投げで優勝したアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)をドーピング(禁止薬物使用)規定違反で失格とする裁定を下し、2位の室伏広治(ミズノ)を金メダルに繰り上げることを決めた。これにより、今大会の日本の金メダル数は16個となり、史上最多だった1964年東京大会に並んだ。』

『1962年モスクワで開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会は公式に「ドーピング反対」の決議を採択し、アンチドーピングの動きが本格化。1964年、東京オリンピックに際して国際スポーツ科学会議・ドーピング特別委員会が開催されました。反ドーピング対策の強化当時としてのドーピングの定義は次のようなものです。「生体には生理的に存在しない物質はいかなる方法で投与されても、また生理的に存在する物質は異常な量あるいは方法で投与または使用された場合、それが競技能力にを高めることが目的であればドーピングであると認める」この年、スポーツ選手の健康に対する脅威と、スポーツの健全な育成のため、ドーピング検査の導入とIOC医事委員会の設立が合意されました。』

日本の金メダル数は16個となり、史上最多だった1964年東京大会に並んだそうだが、東京オリンピックはアンチドーピングのための検査の導入という点で近代オリンピックの分岐点であったようだ。そして、より厳密なドーピング検査とアンチドーピングのルールの適用が再び史上最多の金メダルを日本にもたらしたわけである。

今後は選手の尿が本人のものであることをDNA鑑定したりすることになりそうだが、日本人選手が一人もドーピングで失格しなかったことこそ日本人はもっと誇りに思ってよいことだろう。室伏選手の言葉には私たちが普段忘れている日本人のスポーツマン精神のような潔さが感じられたのが印象に残る。

対照的に日常生活の中で自分のためになるのなら手段を選ばない日本人が目立つはいただけない。なにも政治家や官僚だけではない。ごみを不法投棄したり、ブラックバスを放流したり、高山植物を盗掘したりする非常識な一般人があとを絶たないのはどういうわけだろう。

金と名誉のためにドーピングする選手を非難し室伏選手を称えるのは結構なことだが、是非これからは日常的に行われている小さな不正にも日本人ならではの美意識を発揮してもらいたいものである。

今回のオリンピックの日本人選手の活躍をみて改めて精神の大切さを学んだような気がしたのは私だけだろうか。

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