医療従事者の安全は誰が守るべきか
2004年8月16日『使用済み注射針を医療従事者が自分に刺してしまう「針刺し」問題で、C型肝炎ウイルス(HCV)やB型肝炎ウイルス(HBV)、エイズウイルス(HIV)に汚染された血液が絡む針刺しが2000-02年の3年間に8割を超える病院で起きていたことが16日、厚生労働省研究班の全国調査で分かった。実際に肝炎に感染したケースは、少なくとも42病院で発生。簡単な操作で針が露出しないようにできるタイプの安全な器材を、全く導入していない病院も半数近くに上り、職業感染を防ぐ取り組みが遅れていることを示した。調査は昨年2-3月、全国にある300床以上の病院すべてと、200床以上300床未満の病院の一部の計1800を対象に実施、961病院から回答があった。HCVなどに汚染された血液が絡む針刺しは、この問いに答えた893病院のうち740病院(83%)で発生。42病院で計47件の職業感染があった。46件はHCVで、残る1件がHBV。HIV感染はなかった。病院で使う注射針や縫合針などに安全器材を一部でも導入しているとしたのは55%にとどまり、残りの45%は全く導入実績がなかった。注射針など鋭利な器材専用の廃棄容器を病室ごとに設置していない病院が84%を占め、針刺しが起きる危険が高い使用済みの針への「リキャップ(キャップをかぶせること)」を禁止していない病院も5%あった。調査結果をまとめた日本看護協会看護教育・研究センターの洪愛子(こう・あいこ)さんは「法律で安全器材の導入を医療機関に義務付けている米国と比べて、国内の対策は遅れている。国が中心となって安全器材の普及を図るべきだ」と話している。』
国が中心となって安全器材の普及を図るにはこれら機材の導入によって病院側に増えるコスト増をだれが負担するかという問題があるだろう.積極的に安全機材を導入する病院の診療報酬上の優遇処置がなければ病院経営側を説得することはできないだろう.
現在のところ医療事故によるHIV感染はないようだが,これだけHIV感染者が増えれば時間の問題だろう.だが,現時点でも入院患者のHIV感染のスクリーニングさえ認めていないわけだから本当に医療従事者を事故による感染から守る気があるのか疑わしい.まさか自己責任で自衛しろとでもいいたいのだろうか.
国が中心となって安全器材の普及を図るにはこれら機材の導入によって病院側に増えるコスト増をだれが負担するかという問題があるだろう.積極的に安全機材を導入する病院の診療報酬上の優遇処置がなければ病院経営側を説得することはできないだろう.
現在のところ医療事故によるHIV感染はないようだが,これだけHIV感染者が増えれば時間の問題だろう.だが,現時点でも入院患者のHIV感染のスクリーニングさえ認めていないわけだから本当に医療従事者を事故による感染から守る気があるのか疑わしい.まさか自己責任で自衛しろとでもいいたいのだろうか.
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