『日本に生殖補助医療を規制する法律はなく、これまでは、日本産科婦人科学会の会告など自主規制のもとに生殖補助医療が行われてきた。だが強制力はなく、既成事実化が進んでいる。公になっただけでも、長野県の産婦人科医が非配偶者間の体外受精を実施したり、神戸市の産婦人科医が男女産み分けのために受精卵診断を行うなどの事例が相次いだ。凍結精子について多くの病院は「提供者の死後は廃棄する」としているが、凍結精子児訴訟のケースでは、女性が夫の死を病院に言わないまま凍結精子を受け取り、別の病院で体外受精し、医師がチェックできないまま出産した。現在は、精子や未受精卵、受精卵の凍結保存が可能となり、さまざまな形態の親子関係が起こり得る状況になった。しかし、こうした技術のどこまでが容認されるのか、実際に生まれた子の親子関係をどう定めるのかは、日本では不明確だ。厚生労働省の生殖補助医療部会は昨年4月、生殖補助医療の法的規制について報告書をまとめたが、自民党から異論が出たため法制化は進んでいない。香川大病院で不妊治療を担当する柳原敏宏(やなぎはら・としひろ)助教授は「大半の医師が夫の死後に凍結精子を使った妊娠に否定的な見解を持っている。生殖補助医療の進歩に応じた法整備が必要だ」と指摘している。』

今なら法的規制がないのだから何をやってもいいわけだ.政府は規制する気はないらしい.もっとも出生率の低下をかくして年金法案の改悪を強行したぐらいだから人口が増えるんならなんでもいいとでも考えているかもしれない.

だが,一方で最近の医療に関する部分をみても政府はなにが起きてもなんの責任もとるつもりはないようだから生殖医療も問題がはっきりした時点で当事者に責任を負わせて逃げるつもりだとも考えられる.

これが政府の言う自己責任ということなのであろうか.やってる当事者が子供ができて喜んでるのだからいいというのであればあまりにも楽観的である.ヒトを物質という点でとらえるならそれでいいだろうが,生まれてきた人はどう考えるのだろうか.少なくともそうやって作られた人に責任を負わせることはできないだろう.では,問題が起きたらだれが責任をとるのだろうか.

まあ,最近は病院も24時間営業のコンビニと同じで患者の都合に合わせるのが当たり前と思っている人が増えているようなので,産婦人科医は倫理観など持たずに子供の欲しい人には子供を作ってやればいいという考えの人もいるかもしれない.だが,結果的にせよ営利目的に子供を作ったりヒトの胚を扱うようではすでに医師ではない.それは一種の人身売買に加担するマッドサイエンティストにほかならない.

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