『--「通所看護」06年度導入へ 入院せず施設で医療的ケア 厚労省、医療費抑制も期待 --
厚生労働省は8日、2005年に見直す介護保険制度で、医療的ニーズが高い高齢者らが利用できる「通所看護」(仮称)を、早ければ次の報酬改定に当たる2006年4月から導入する方向で検討に入った。実現すれば、症状に応じて週1、2回、自宅から日帰りで医療設備が整った施設に通って、たんの吸引などの医療的ケアが受けられるようになる。現在、介護保険で利用できる訪問看護は、看護師らが要介護者の自宅を訪問し必要なケアを行う。だが、原則1回1時間半までと短いことや訪問看護の事業者が近くにいない地域もあることなどから、休日や緊急時への対応が困難で、同省は訪問看護を補完する仕組みを検討していた。同省は、短時間の訪問看護では患者をよく把握できない現状から、訪問看護と通所看護を併用、入院までに至らせずにできるだけ自宅で療養できるように支援するのが狙い。入院医療費はかからないため、全体の医療費抑制につながることも期待している。通所看護では、医療的ケアを受けながら自宅で生活している人を、医師の指示書に基づいて、看護師らが「通所看護室」(仮称)で必要な処置を行う。食事、入浴サービスなども提供し、心身機能の維持向上を図る。最近では、慢性的な病気を抱え、心身の状態が不安定になったり、たんの吸引や酸素吸入、チューブで栄養を注入するなどのケアを毎日必要とする利用者が増えている。在宅での療養を継続するためには、こうした利用者への支援と家族の看護負担を軽減するサービスが必要だが、通所リハビリセンターやデイサービスなど現行の通所サービスでは受け入れが困難なのが実情だ。』

サービスの選択肢が増えることは歓迎すべきことのようにも思えるが,現在の介護保険による在宅支援には問題が多く特にコストの点から上記のような問題点があり,費用のかかるわりにサービスが悪いので利用者には不評なようである.

これを改善するために通所看護では、医療的ケアを受けながら自宅で生活している人を、医師の指示書に基づいて、看護師らが「通所看護室」(仮称)で必要な処置を行うというのだが,実際に利用するには通わなければならないため本当にたんの吸引や酸素吸入、チューブで栄養を注入するなどのケアを毎日必要とする利用者が利用しやすいものになるのかは疑問である.

さらにより根本的な問題点として訪問看護にあたる看護師や医師が在宅で必要な医療的ケアについて精通していないような場合まであり,制度のみが先行しても低コストで良質なケアが期待できないことも考えられる.

このような実態を考えるとニュースにはさりげなく言及されている全体の医療費抑制というのが厚生労働省の本音のようだ.だとするとあまり利用できない絵に描いた餅になってしまう可能性がある.医療サービスには本来コストがかかるものである.コストの抑制ばかり考えるのではなく,本当に利用者の立場で良質なサービスが提供されるような改善を期待したい.

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