患者のためという嘘
2004年6月25日『ヒトクローン胚(はい)の研究を容認するかどうか真っニつの議論を続けてきた総合科学技術会議生命倫理専門調査会は、最終的に合意に至らぬまま、異例の強行採決で容認方針を決定した。2001年以来、29回目の会合となった23日。薬師寺泰蔵会長(慶応大客員教授)は、突然「会長としてのスタンスを用意しました」と発言。これまで議論のたたき台となって賛否が分かれた案とは別に、条件付きで容認する会長暫定案を配布し「強行したくないが、採決したい」と同意を求めた。委員からは「議論しても収れんしていない。とにかく決めることが大事だ」「まだ科学者同士の議論が足りない」「今日示された案で採決は早すぎる」などの声が上がったが、薬師寺会長は「そういう意見で結構です」と議論を打ち切り、挙手の採決に持ち込んだ。賛成10人反対5人で決着。反対した位田隆一京都大教授は「ちょっとアンフェアかな」と一言。西川伸一・理化学研究所グループディレクターは「倫理問題が絡む問題を、全会一致で決めるのは無理。研究の自由は制限されてはならないという考えから、容認を支持した。医療への応用を望む患者にとって光になる」と話した。』
『--容認に反対した島薗進(しまぞの・すすむ)・生命倫理専門調査会委員(東大教授)の--容認の方針決定は非常に残念だ。容認に科学的な妥当性がないのはもちろん、倫理的な議論も薄い。人類の選択にかかわる重要な問題なのに、国民の議論をかわそうという決定だ。この調査会の機能に疑問を持たざるを得ないし、総合科学技術会議の構成にも疑問を持っている』
『--総合科学技術会議生命倫理専門調査会の薬師寺泰蔵(やくしじ・たいぞう)会長(慶応大客員教授)の話--ヒトクローン胚(はい)の基礎研究を認めることで、再生医療に期待している患者に光を当てたい。卵子提供の方法や、再生医療研究の検証機関などの条件整備は難しい課題だが、道を開くと決めた以上、行政が責任を持って動いてほしい。議論が分かれた研究の有用性については検証機関で科学者にしっかり議論してもらいたい。』
生命倫理専門調査会なんて聞いたことがなかったが,国民の倫理観を調査するのではなく研究推進にみかけの根拠をあたえるのが目的のようだ.挙句に行政に責任を持ってもらい,検証は科学者にやってもらうのではなんの存在意義もないであろう.
要するにこの国ではヒトクローン胚研究を容認するというより研究者まかせにするということである.好き勝手に研究してもらい遅れを取り戻そうということなのだろう.これが自分たちだけは救われたい再生医療に期待している患者たちや企業の利害と一致するのだろう.
不健康でわがままで自分たちの幸せのためには手段を選ばない人間.そんな人間のクローンを増やしてなんの意味があるのだろうか.
『--容認に反対した島薗進(しまぞの・すすむ)・生命倫理専門調査会委員(東大教授)の--容認の方針決定は非常に残念だ。容認に科学的な妥当性がないのはもちろん、倫理的な議論も薄い。人類の選択にかかわる重要な問題なのに、国民の議論をかわそうという決定だ。この調査会の機能に疑問を持たざるを得ないし、総合科学技術会議の構成にも疑問を持っている』
『--総合科学技術会議生命倫理専門調査会の薬師寺泰蔵(やくしじ・たいぞう)会長(慶応大客員教授)の話--ヒトクローン胚(はい)の基礎研究を認めることで、再生医療に期待している患者に光を当てたい。卵子提供の方法や、再生医療研究の検証機関などの条件整備は難しい課題だが、道を開くと決めた以上、行政が責任を持って動いてほしい。議論が分かれた研究の有用性については検証機関で科学者にしっかり議論してもらいたい。』
生命倫理専門調査会なんて聞いたことがなかったが,国民の倫理観を調査するのではなく研究推進にみかけの根拠をあたえるのが目的のようだ.挙句に行政に責任を持ってもらい,検証は科学者にやってもらうのではなんの存在意義もないであろう.
要するにこの国ではヒトクローン胚研究を容認するというより研究者まかせにするということである.好き勝手に研究してもらい遅れを取り戻そうということなのだろう.これが自分たちだけは救われたい再生医療に期待している患者たちや企業の利害と一致するのだろう.
不健康でわがままで自分たちの幸せのためには手段を選ばない人間.そんな人間のクローンを増やしてなんの意味があるのだろうか.
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