この先に待っているもの
2004年6月18日『厚生労働省は17日、医療機関が病名や治療の種類ごとに入院医療費を定額にする「包括払い制度」を、一定の条件さえ満たせば実施できるようにする方針を決めた。現行の「出来高払い制度」に比べ医療費抑制に効果があるとされる同制度を普及させることで、患者負担を減らし、医療の効率化を図る狙い。条件は(1)一定の症例数や看護体制の強化(2)入院患者の診療計画を策定し説明できる体制づくり(3)正確なデータが確保されていること?など。包括払い制度は、まず昨年4月、大学病院など82病院が導入。ことし4月からは民間病院にも拡大されたが、日本医師会の抵抗などで、実施できる医療機関は制度検証のため昨年からデータ提供に協力してきた92病院に限定されていた。92病院のうち、51病院が順次実施することを決めているが、健康保険組合連合会など拡大を要求している支払い側にも配慮。今後は協力病院以外でも、包括払いを希望する病院は条件さえ満たせば実施できるようになる。包括払いでは、医療費抑制が期待できる半面、手抜き診療でも定額が支払われる懸念もあるなど今後の検証が必要で本格実施には時間がかかるとの指摘もある。』
「包括払い制度」の目的は医療費の節約である.医療の標準化もわが国のように「出来高払い制度」のもとで過剰な医療が行われる場合には同様の効果を持つ.つまり主治医の裁量範囲を抑制すれば医療費は節約できるという考えがそこにはある.
「包括払い制度」にすれば厚生労働省が指導しなくとも診療コストを下げれば病院の利益率が高くなるわけだからさらなる診療コストの低下がすすむだろう.そうなれば治療の質より患者数の確保がポイントになるわけだから,今後は医療の質を確保することがますます難しくなることが予想される.
『病院や医師に不安を感じる人が7割を超え、特に乳児をもつ親では9割近くに上ることが18日、厚生労働白書の基礎資料としてシンクタンクが実施した「健康と生活の安心・安全に関する意識調査」で分かった。』
医療事故が毎日のように報道されれば医療不信になる気持ちもわかる.だが,先進国で最低レベルの医療費をさらに抑制し,医療の質の確保を唱えても現実にはそうはならないだろう.介護保険制度をみればわかるように質を維持するにはコストがかかるのは当たり前である.
国民の漠然とした医療不信は医療の現実に対する無知が原因だと思われるが,医療行政に対する不信感となんでも医師に責任を問いたがる患者や家族が増えていることに嫌気が差してきているのがこの国の医療の現場を支えている医師達であることにそろそろ気が付いてもらわないと医療の水準も先進国で最低レベルになることだろう.
事故を起す医師に医師免許を与えているのも,診療報酬の適正な配分ができないのも元はと言えば厚生労働省なのだから国民年金と事情はそう変わらない.結局まじめに働いても政治に無関心なものがバカをみる社会なわけである.気を取り直して今度の総選挙もまじめに投票するしかないだろう.
「包括払い制度」の目的は医療費の節約である.医療の標準化もわが国のように「出来高払い制度」のもとで過剰な医療が行われる場合には同様の効果を持つ.つまり主治医の裁量範囲を抑制すれば医療費は節約できるという考えがそこにはある.
「包括払い制度」にすれば厚生労働省が指導しなくとも診療コストを下げれば病院の利益率が高くなるわけだからさらなる診療コストの低下がすすむだろう.そうなれば治療の質より患者数の確保がポイントになるわけだから,今後は医療の質を確保することがますます難しくなることが予想される.
『病院や医師に不安を感じる人が7割を超え、特に乳児をもつ親では9割近くに上ることが18日、厚生労働白書の基礎資料としてシンクタンクが実施した「健康と生活の安心・安全に関する意識調査」で分かった。』
医療事故が毎日のように報道されれば医療不信になる気持ちもわかる.だが,先進国で最低レベルの医療費をさらに抑制し,医療の質の確保を唱えても現実にはそうはならないだろう.介護保険制度をみればわかるように質を維持するにはコストがかかるのは当たり前である.
国民の漠然とした医療不信は医療の現実に対する無知が原因だと思われるが,医療行政に対する不信感となんでも医師に責任を問いたがる患者や家族が増えていることに嫌気が差してきているのがこの国の医療の現場を支えている医師達であることにそろそろ気が付いてもらわないと医療の水準も先進国で最低レベルになることだろう.
事故を起す医師に医師免許を与えているのも,診療報酬の適正な配分ができないのも元はと言えば厚生労働省なのだから国民年金と事情はそう変わらない.結局まじめに働いても政治に無関心なものがバカをみる社会なわけである.気を取り直して今度の総選挙もまじめに投票するしかないだろう.
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