『入学式や卒業式での君が代斉唱をめぐり、東京都の横山洋吉教育長は8日の都議会で、児童や生徒も起立して歌うことを教職員が指導するよう求める職務命令を、都立高校などの各校長に出させる考えを示した。違反した場合は懲戒処分する方針。これまでは教職員本人が起立して歌うよう職務命令を出させていたが、児童・生徒にも徹底させるために、さらに指導強化を図る考えだ。
都教委は教職員が国旗に向かって起立し、君が代を歌うよう命じる通達を昨年10月に出し、今春、通達に基づいた校長の職務命令に違反したとして238人を処分、生徒が起立しなかった学校の67人を指導が不適切だったとして「注意」や「指導」をしている。横山教育長は「教員は法令や学習指導要領に基づき、児童、生徒に国旗、国歌の意義を理解させ、尊重させる態度を育成する責務がある」と指摘した。』

長崎市の少女殺人事件には胸が痛んだ.特にわが娘を亡くした父親の気持ちを考えるとなおさらである.私にはちょっと想像もできない少年少女の殺人行為と現在の教育とは決して無関係ではないと思うし,児童を虐待する教師の存在には怒りを禁じ得ない.

そんななかで古くもあり新しくもある国歌,国旗問題ではある.私も高校時代には今考えると別にこれといった理由もなく国歌は歌わなかった.今でも君が代に特別な思い入れなどはない.だが,別に反皇室派ではないし先日の皇太子サマのメッセージには共感できる部分もある.

だが,愛国心と国歌を短絡的に結びつけ,それを教師や生徒に強要することは教育ではないだろう.世界の中での日本の現状を理解させ,これからの日本について考えるような生徒を育てるような教育の結果として自然に国歌や国旗を尊重するようにならなければ意味がない.

なんでも法律で決めれば強制できると思い込んでいる政治家に迎合している教師には人を教える資格などないだろう.人間の心の成長と言うものは強制で成り立っているのではなく共感で成り立っているのだから.

東京都知事は以前から古き良き日本という妄想に取り憑かれててでもいるかのような発言を特徴にしているようだが,東京都の教育委員会の右ならえでもしたかのような対応に疑問を感じるのが良識ある人であろう.過去から学ぶことが大切なのであり,過去にもどればいいわけではないだろう.

横山教育長の「教員は法令や学習指導要領に基づき、児童、生徒に国旗、国歌の意義を理解させ、尊重させる態度を育成する責務がある」という言葉はまるで裁判官の判決のようで良識あるひとの失笑をかうことであろう.

この例を挙げるまでもなく今の教師たちに常識的で公正な価値観をしっかりもっている人がどのくらいるのかは疑わしいが,生徒にはこれら反面教師たちから物事の正しい価値観というものを是非学んでもらいたいものである.

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