専門でない疾患の誤診も医療ミス?
2004年5月27日『山形県酒田市の県立日本海病院の医師らが、同県庄内地方の70代女性の心臓疾患を見落とし、女性が死亡していたことが27日分かった。県は医療ミスを認め、酒田署が業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。県によると、女性は21日午後、自宅で入浴中に胸部の不快感を訴え、同夜、救急車で同病院に搬送された。心臓の専門医はおらず、当直医の耳鼻科担当の医師が診察。心電図やエックス線検査で異常がないと診断し帰宅させた。22日正午ごろ、女性が再び胸の異常を訴え、病院に運ばれたが、専門医ではない別の当直医が診察。血液検査で異常はないと診断、帰宅させた。しかし、女性は23日午後7時ごろ自宅で倒れ、午後8時ごろ、同病院で死亡が確認された。死亡後、専門医がエックス線写真などを調べ、21日の時点で心臓に異常があったことを確認したという。
同病院の斎藤政雄(さいとう・まさお)事務局次長は「このような医療ミスがニ度とないよう対応したい」と話した。』
この記事だけを読むと2人の病院当直医が自分の専門でない心疾患の急患を誤診して結果的に死亡したということらしい.自分の専門でない疾患を誤診してもなんの不思議も無いから循環器専門の医師を呼ばなかったことがミスだというべきなのだろう.
だが,こういう状況すべてにおいて専門医を呼び出している地方自治体の救急病院はどのくらいあるのだろうか?要するに全科の医師が休日に待機していればいいのだろうが,そんなことをやっていては救急診療はコスト的に引き合わないだろう.
地方の総合病院で病院当直は通常1人であるし専門医を呼んでも場合によっては来てもらえないこともあるだろう.そんな時にはいったい誰の責任になるのだろうか.私も以前に小児の虫垂炎を疑ったが小児科,内科に来てもらえず外科に相談したこともある.
救急患者を診たときに少しでも専門外の疾患を診れることは医師の基本姿勢として評価できるし,そのためにはこの春からの研修医制度は少しは役立つのかもしれないが,脳血管障害や頭部外傷のことを考えたとき専門医以外だと見落とす可能性のある病態は意外にたくさんあることは脳外科医以外にはあまり知られていないと思うし,脳外科は必修研修科目でもないから2年の研修を受けてもきっと見落とすだろう.
同様のことがそれぞれの診療科にあるはずなので,地方の自治体病院で救急をやりこのような医療ミスを完全になくそうと思えば医師に相当の努力と忍耐を強いることになるだろう.要するに人手が足りていればいいわけであるがただでさえ地方の自治体病院は経営状況も悪く赴任を希望する医師も少ないわけであるから,コストも上がらない救急医療で事故をおこすぐらいなら休日の救急診療は責任を持てないからやめようという病院が現れてきてもおかしくないだろう.
同病院の斎藤政雄(さいとう・まさお)事務局次長は「このような医療ミスがニ度とないよう対応したい」と話した。』
この記事だけを読むと2人の病院当直医が自分の専門でない心疾患の急患を誤診して結果的に死亡したということらしい.自分の専門でない疾患を誤診してもなんの不思議も無いから循環器専門の医師を呼ばなかったことがミスだというべきなのだろう.
だが,こういう状況すべてにおいて専門医を呼び出している地方自治体の救急病院はどのくらいあるのだろうか?要するに全科の医師が休日に待機していればいいのだろうが,そんなことをやっていては救急診療はコスト的に引き合わないだろう.
地方の総合病院で病院当直は通常1人であるし専門医を呼んでも場合によっては来てもらえないこともあるだろう.そんな時にはいったい誰の責任になるのだろうか.私も以前に小児の虫垂炎を疑ったが小児科,内科に来てもらえず外科に相談したこともある.
救急患者を診たときに少しでも専門外の疾患を診れることは医師の基本姿勢として評価できるし,そのためにはこの春からの研修医制度は少しは役立つのかもしれないが,脳血管障害や頭部外傷のことを考えたとき専門医以外だと見落とす可能性のある病態は意外にたくさんあることは脳外科医以外にはあまり知られていないと思うし,脳外科は必修研修科目でもないから2年の研修を受けてもきっと見落とすだろう.
同様のことがそれぞれの診療科にあるはずなので,地方の自治体病院で救急をやりこのような医療ミスを完全になくそうと思えば医師に相当の努力と忍耐を強いることになるだろう.要するに人手が足りていればいいわけであるがただでさえ地方の自治体病院は経営状況も悪く赴任を希望する医師も少ないわけであるから,コストも上がらない救急医療で事故をおこすぐらいなら休日の救急診療は責任を持てないからやめようという病院が現れてきてもおかしくないだろう.
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