なぜかはわからないが,何人かの医師志望の方が読んでくださっているようなので医師になるのに持っていたほうがよいと思われる事などを書いてみよう.(今夜の当直はひまなようなので.)
1番目は学力であろう.これをお金で補う方法もあるのかもしれないが,あまり望ましい方法ではない.私の高校で親が開業医の姉弟が当時それぞれ15百万の入学金で私立医大に入学したが同級生には大変ばかにされていた.救急部で一緒に働いた某私立医大出身の医師は何度教えても進歩がないので指導医にあきらめられていた.(でも性格はよかったな彼は.)自分で学ぶことができない者は結局ばかになる(ばかにされる?)しかないのだからやめておいたほうがいいだろう.
最初からきびしいと思うかもしれないが,同期で入学したものの約1割がなんらかの理由で卒業の時にはいなくなっていたのであるからせめて進級できる学力だけはあったほうがいいだろう.それに医師国家試験や専門医試験もかなり大変であったことを思い出した.
2番目に必要なものはセンスである.注射1本するにもセンスが必要である.うまい人はやはり最初から割と上手にやるもんである.練習して上手くなるのも可能であるが,センスのある者が練習するとやっぱりさらに上手くなるわけであるから外科系に進もうと思うならまず自分のセンスと相談したほうがいいだろう.
いい例が中心静脈ルートの確保であるが,鎖骨下穿刺でやると必ずと言っていいほど肺を落とす(気胸をつくってしまう)医師を私は知っている.医師や看護師なら思い当たると思うが,こういう医師はたぶん一生上手くはならないのであろう.別に鼠径から穿刺してもいいのになぜかこういう医師に限って鎖骨下穿刺をしたがるのもセンスの無さを物語っていると思う.
3番目には体力である.これが本当は1番大切とも言えるかもしれない.とにかく忙しいしストレスは多いし大変なのである.かくいう私も学生時代には試験の期間中以外は徹夜などしたくてもできない方だった.学生時代はクラブ活動で忙しかったがそれでも7時間くらいは寝ないと寝不足だった.
脳外科医になって意識的に少ない睡眠時間に適応するようになり現在は5時間睡眠である.12時間くらいの手術なら一人でもできると思っている.でも,最近は12時間も手術するとさすがに疲れを感じるようにはなった.とにかく医師には体力が必要だ.
4番目は書く気がしなくなったが,上記1〜3はどれも必要ではあるが十分ではない.医師に最も必要なものは高潔な精神とでもいうのか正しい判断力とでもいうのか思いやりとでもいうのか,とにかく患者の幸福について考え共感できる能力なのであろう.
医師国家試験に合格して研修を終えれば医師にはなれる.だが,今の世の中は医師であるだけでは尊敬されたりはしないのだ.技能は必要条件であるが,それをクリアしてからが医師の道の本当の始まりということに最近気がついた次第である.
医師志望の方々の参考になれば幸いです.
1番目は学力であろう.これをお金で補う方法もあるのかもしれないが,あまり望ましい方法ではない.私の高校で親が開業医の姉弟が当時それぞれ15百万の入学金で私立医大に入学したが同級生には大変ばかにされていた.救急部で一緒に働いた某私立医大出身の医師は何度教えても進歩がないので指導医にあきらめられていた.(でも性格はよかったな彼は.)自分で学ぶことができない者は結局ばかになる(ばかにされる?)しかないのだからやめておいたほうがいいだろう.
最初からきびしいと思うかもしれないが,同期で入学したものの約1割がなんらかの理由で卒業の時にはいなくなっていたのであるからせめて進級できる学力だけはあったほうがいいだろう.それに医師国家試験や専門医試験もかなり大変であったことを思い出した.
2番目に必要なものはセンスである.注射1本するにもセンスが必要である.うまい人はやはり最初から割と上手にやるもんである.練習して上手くなるのも可能であるが,センスのある者が練習するとやっぱりさらに上手くなるわけであるから外科系に進もうと思うならまず自分のセンスと相談したほうがいいだろう.
いい例が中心静脈ルートの確保であるが,鎖骨下穿刺でやると必ずと言っていいほど肺を落とす(気胸をつくってしまう)医師を私は知っている.医師や看護師なら思い当たると思うが,こういう医師はたぶん一生上手くはならないのであろう.別に鼠径から穿刺してもいいのになぜかこういう医師に限って鎖骨下穿刺をしたがるのもセンスの無さを物語っていると思う.
3番目には体力である.これが本当は1番大切とも言えるかもしれない.とにかく忙しいしストレスは多いし大変なのである.かくいう私も学生時代には試験の期間中以外は徹夜などしたくてもできない方だった.学生時代はクラブ活動で忙しかったがそれでも7時間くらいは寝ないと寝不足だった.
脳外科医になって意識的に少ない睡眠時間に適応するようになり現在は5時間睡眠である.12時間くらいの手術なら一人でもできると思っている.でも,最近は12時間も手術するとさすがに疲れを感じるようにはなった.とにかく医師には体力が必要だ.
4番目は書く気がしなくなったが,上記1〜3はどれも必要ではあるが十分ではない.医師に最も必要なものは高潔な精神とでもいうのか正しい判断力とでもいうのか思いやりとでもいうのか,とにかく患者の幸福について考え共感できる能力なのであろう.
医師国家試験に合格して研修を終えれば医師にはなれる.だが,今の世の中は医師であるだけでは尊敬されたりはしないのだ.技能は必要条件であるが,それをクリアしてからが医師の道の本当の始まりということに最近気がついた次第である.
医師志望の方々の参考になれば幸いです.
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