『医療機関で診断に使うエックス線CTによる国民1人当たりの被ばく線量が約10年で約3倍になったことが、放射線医学総合研究所(千葉市)の調査で分かり、14日までに専門誌に発表した。
 日本のがん患者の3・2%は診断のために浴びた放射線が原因とする英国の研究チームの指摘もあり、日本医学放射線学会は適正な検査に向けた指針作りに乗り出した。
 国内には、2000年時点で約1万の医療機関にCT装置があり、台数は約1万1000台に上る。同研究所は同年、約1000機関を対象にCTの使用実態をアンケート。722機関の回答を基に全国の状況を推計した。
 その結果、1年間の検査件数は全国で約3700万件に上るとみられた。CTによる被ばくの国民全体への影響を見積もるため、国民1人当たりの被ばく線量を計算したところ年間2.3ミリシーベルトになった。これは世界平均の自然放射線による被ばくにほぼ匹敵する線量だった。
 1989年に行われた同様の調査では、国民1人当たりの被ばく量は0.8ミリシーベルトだった。2000年までに、CT装置の台数は約2倍、検査件数と被ばく線量は約3倍になっていた。
 CT装置の台数、検査件数とも世界の約半分を日本が占めているのが現状という。同学会は、必要な検査は行うべきだが、被ばくを減らす方が望ましいとして当面、子どもを対象にした検査の指針作りを進める。』

 子どもを対象にした検査の指針作りというのは特に重要で,脳外科領域ではちょっとした頭部打撲で小児に頭部CT検査を行う医師は多い.ほとんどは経過観察のみでよいのだが,外来で検査はしないで様子をみましょうと説明しても納得しない親がいるのも事実である.医師や放射線技師向けの指針を作るだけでなく親たちにもわかりやすい内容でパンフレットでもつくってもらえると安心してもらえるのではなかろうか.

 インフルエンザ疑いでのタミフル乱用やなんでもすぐ点滴して親を黙らせる小児科医がいい例だと思うが,親がうるさいので親の要求に合わせるような医療をやっている医師が多数派のような日本の小児医療の現状は早急に改善しなければ質のいい小児科医が増えることはないだろうし,タミフルもらって点滴もしてもらってありがたがっているおめでたい親が増えるようでは心身ともに健康な子供は育たないだろう.

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