法律でなきゃ規制できない?
2004年2月22日『日本産科婦人科学会が除名の方針を決めた大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎(おおたに・てつお)院長は二十一日、記者会見し「知っていながら会則を破ったのでやむを得ない。正式に除名されるまで受精卵診断はしない」と話した。しかし、除名後については「良心に従う」とだけ答え、診断を継続するかどうかは言葉を濁した。大谷院長は「中絶より受精卵診断の方が、より人道的。女性への福音だ」と従来の説明を繰り返し、男女の産み分けについても「少子化の弊害が叫ばれる中、たくさんの子を望む女性が希望の性別を授かることは社会の役に立つ」とあらためて正当性を主張した。大谷院長は、医院のホームページで受精卵診断実施に賛同の署名を集める考えも明らかにした。』
これが米国だったら大統領選の公約になりそうな話題である.これが医師の良心のみで行われてよいものなら,遷延性意識障害の患者の安楽死も同様に医師の良心で行われてよいであろう.もちろんまだ戸籍を持たない受精卵と戸籍にのっている人間を同じに論じるつもりはない.受精卵に人権はないが,私は人工中絶も立派な殺人であると考えているので発生の途中にある受精卵に人為的操作を加えることも論理的には同様であると感じるのだ.
人間としての意識があるかないかを問題にするのであれば遷延性意識障害の人間もその意識はないと言えると思う.つまり問題は生物学的にヒトとして生きているかどうかだけなのだ.
このあたりの感覚がこの産婦人科医は麻痺しているのであろう.中絶よりましという論理はすでに中絶を肯定している言い方である.生命倫理は確かに微妙な問題ではあるが,社会としての基準をきちんと確立しないと非常に危険な考え方を生み出すといういい例であろう.
新聞で日本医師会医師損害賠償責任保険の保険金支払いの実に50%が産婦人科医であるという記事をみたが,学会員を除名して野放しにするのではなく,学会自らが危機管理と生命倫理についての規範を社会に問いかける時期が来ていると思われる.
これが米国だったら大統領選の公約になりそうな話題である.これが医師の良心のみで行われてよいものなら,遷延性意識障害の患者の安楽死も同様に医師の良心で行われてよいであろう.もちろんまだ戸籍を持たない受精卵と戸籍にのっている人間を同じに論じるつもりはない.受精卵に人権はないが,私は人工中絶も立派な殺人であると考えているので発生の途中にある受精卵に人為的操作を加えることも論理的には同様であると感じるのだ.
人間としての意識があるかないかを問題にするのであれば遷延性意識障害の人間もその意識はないと言えると思う.つまり問題は生物学的にヒトとして生きているかどうかだけなのだ.
このあたりの感覚がこの産婦人科医は麻痺しているのであろう.中絶よりましという論理はすでに中絶を肯定している言い方である.生命倫理は確かに微妙な問題ではあるが,社会としての基準をきちんと確立しないと非常に危険な考え方を生み出すといういい例であろう.
新聞で日本医師会医師損害賠償責任保険の保険金支払いの実に50%が産婦人科医であるという記事をみたが,学会員を除名して野放しにするのではなく,学会自らが危機管理と生命倫理についての規範を社会に問いかける時期が来ていると思われる.
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