意識改革の時代

2003年12月18日
《阿蘇郡南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」によるハンセン病元患者の宿泊拒否問題で、ホテルの経営管理会社アイスター(東京)は十六日までに、同社に抗議文を提出したハンセン病訴訟全国原告団協議会に回答文書を送った。文書は十五日付で冒頭「今回の問題で患者、元患者に対し、結果として、大きな衝撃と精神的苦痛を与えたことを深くおわびする。二度とこのような行為を繰り返さないよう、全社を挙げて努力する」とした。
 一方で、国の隔離政策が、ハンセン病への差別、偏見を生んだと指摘。「残念ながら教育が徹底しておらず、その結果、ホテルは宿泊拒否を決定し、当社がそれを容認するに至った」と経過を説明した。
 同協議会の谺雄二会長代理(71)は「アイスターが最終的に拒否を決めたはずで、責任転嫁の姿勢は従来と変わっていない。この文書では問題は解決しない」と話した。》

公害という言葉がはやった時代もあったが,社会に害を及ぼすものの総称であったと記憶している.四日市喘息や水俣病などという地名を冠して注目されたものだ.これらは日本の高度経済成長に伴う産業構造の変化の副産物だった.

先日書いたHIV患者を親にもつ子を拒否した私立保育園や今回のハンセン元患者の宿泊を拒否したホテルもある意味同じ問題を含んでいる.
それは,これら公共的施設の管理者が人権というものに関しての常識や知識を持たないことからくる自らの反社会的行為を認識していないということだ.

つまり生産業が物をつくる過程で有害物質を環境にまきちらすのと同じようにサービス業も有害な意識を社会にまき散らすということだ.

抗議に対するアイスター側の態度がなっていないのはもともと営利追及のあまり基本的なサービスの精神がなっていないからであろう.
企業といえども社会活動として営業を行う以上は人権を侵害するようなことは許されないということがわかっていないのであろう.

行政機関や銀行や医療機関がよく取りざたされるがこういった面での意識の改革が必要な時代と思う.

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